サナと義理の弟クロは、スタイナー帝国内の森で二人暮らし。だけどサナの不注意で家が燃えてしまい、住み込みの仕事を探しに帝都へ赴く。そこで、サナは陛下直々に『とある相手の添い寝役』として雇われる。相手は子供かと思いきや、美青年の騎士カミュだった。 添い寝役の仕事は失敗続き。そこで陛下は「添い寝役を将軍クラスの階級とする」と宣言。小隊長のカミュはサナの命令を聞かざる得ない状況に。その権限のおかげで、ようやくサナは唯一の特技である『寝かしつけの魔法』を使って、カミュを寝かしつけることに成功。ずっと不眠症だったカミュの生活が改善し、カミュの部下からも感謝される。 サナは日々クロに甘やかされていたので、掃除も料理も全く出来ない。それでも自分に優しく、出来ることを増やしていこうと言ってくれたカミュに、サナは恋心を抱いていく。 家事担当のクロも合わせて三人での生活も順調に回り始めたある晩、陛下がお忍びで屋敷にやってくる。陛下とカミュは旧友の仲であり、気さくな宴会を始めていた。それに巻き込まれたサナは泥酔。サナが夢心地の中、陛下はカミュに「急事の際における魔女サナの処分」を命じた。魔女は希少で、戦時の際も大きな影響を及ぼしてきた存在。サナは告げていないが、陛下はサナが魔女だとを知った上で、添い寝役として身柄を確保していたのだ。その命令をサナも聞いていた。それでもカミュへの想いを捨てきれず「せめて愛人になれたら」と一人ごちる。それを聞いたクロのカミュへの態度は悪化。カミュに決闘を申し込む。 ある日、サナはカミュと仮面舞踏会に参加することに。しかしその場で、クロが隣国ミュラー皇国の捨てられた皇子だと判明。その翌日、サナはクロからプロポーズを受ける。それらのことに困惑し、サナは魔法を暴走させてしまう。その事件により、サナは城に軟禁されることに。そして両国の平和条約改定会議で、過去ミュラー皇族を斬った経歴のあるカミュの身柄をミュラー皇国に引き渡すことが決定した。 カミュ引き渡しの日。サナは黙って見送ろうとするも、諦めきれなかった。サナからの愛の告白。「ずっとそばにいて」という命令は、陛下不在の場でカミュにとって大義名分になる。カミュはその場を制圧。今度はカミュからクロに決闘を申し込む。カミュの勝利に、サナはクロに改めて「姉弟離れをしよう」と告げた。そしてサナはカミュと結ばれる。
読了目安時間:1時間42分
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