考古学。それは、過去に人間が遺した物、知恵、情報、能力などを発掘、発見、解読し、さらにそれらを現代においてどう役立たせるかを追求する学問である。そして、その考古学の探求者を考古学者と呼ぶ。 そんな世界中の考古学者たちをまとめている組織がある。 『The first organization of the latest archaeology research』。日本語で最先端考古学研究第一機関。通称、folar。 考古学は発展途上の学問だ。世界中にはいまだ数多くの謎が残されており、さらには謎があといくつ発見されるのかも分からない。そこでfolarは、考古学者のレベルアップと学者人口の増加を期待し、二十四年前に考古学専門の大学をアメリカに設立。今では世界の大学の中でも入学難易度は一番高いのではと言われるようにまでなった。 日本に住む18歳の水奈は、考古学に無関心だったにも関わらず、見事その大学の入学試験に合格してしまい、仕方なくアメリカへと旅立つことになってしまったのだ。両親が考古学者であったことから、必然的に、そして、流れ的に考古学への道へと踏み出してしまった。入学まで不安と戦う毎日。 そんな折、考古学者である父親から、今のうちから経験を積むようにと、海外への一人旅を勧められる。 嫌がる水奈と強引な父親の喧嘩は、互いに一歩も譲らず、その日は終わってしまう。 明くる日の朝、目を覚ました水奈が見た光景は、辺り一面のブドウ畑だった……。 「いっ、いっ、いやああああああ!」 果たして、考古学の世界は水奈を受け入れてくれるのだろうか。 これは、不思議な能力を持つ水奈が一人前の考古学者となるまでの物語である。
読了目安時間:5時間54分
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