~石井おちょこ様の知恵袋より~ とある異世界に、一人の小学生が召喚される。彼が背負っていたランドセルは物をいくらでも収納できる神器になり、リコーダーには剣の精霊が宿り、聖剣となった。 自身が勇者であること、そして異世界の危機を知った少年は、魔王を倒すと王に約束した。 それから25年。魔王は未だ、健在である。 魔王軍の侵攻は苛烈を極め、各地を解放しては新たな地域を救うことを繰り返すうちに、少年は青年となった。内ゲバや一度解放した地域の再侵攻に対応しているうちに、青年は大人になった。 そして現在。 『相棒ッ! いい加減俺を使え!』 「嫌だね! 俺もう30だぞ、リコーダー振り回す三十路は流石に無いだろ!」 『駄々こねんなオッサン! いいからさっさと聖剣を解放しろ! そしたらすぐに終わるだろうが!!』 「嫌だーッ!!」 皮の鎧を身にまとって鋼の剣を振るうランドセルの男が、リコーダーと会話しながら戦場を駆け抜けていた。
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