高卒コンビニバイトの19歳男。毎日賞味期限切れの廃棄で腹を満たし帰るとすぐに妄想に耽ける。 彼の妄想は行きたい場所や景色をネットで見て後はひたすら想像で旅にいく。気付いたら寝ていて夢でその地を旅している事もある。そんな妄想に明け暮れていたある日、気付いたら彼は頭の中に描いた光景に移動できるようになっていた。 超能力がついたと自覚した彼は遊び回る。ルールもわかってきた。まず移動して30秒間は誰にも見られず触れないゴースト状態になる。そしてゴーストから抜けるとしばらく次の移動が制限される。 彼はこの超能力を駆使してしばし旅を楽しんでいたが考え直す。この力を使えばもっとすごい事ができる。 そうして彼が向かったのは世界。 海外で人身売買をしている奴等の収入を掠め取り攫われた人を逃がす等し、幾らかの利益を得る。 しかし義賊にも飽きてきた頃そこに現れた一文。 最近世界では妙な現象が確認されており、国立非科学研究所では宇宙人の仕業ではないかと懸念し、情報を集めていると言った内容。 調べたところ世界中で今、おかしな現象が観測されているらしい。 何かおかしいと判断した彼は調査に出る。 眼球だけを飛ばしていたある日少女を見つける。 着替えている最中でみていたら眼球を掴まれる。 すぐに消え次は暗闇で尾行。何度か見つかるもその都度逃げていたせいか、少女は彼の尾行をきにしなくなりついに現場(能力)を目撃する。丁度通り魔が人家にナイフを持って入ろうとしていた。 そこに少女がおもむき犯行の直前、少女が通り魔のナイフを素手で切り刻み組み伏せていた。その間僅か2秒程。少女はその後ファーストフードで100円コーヒーを飲みながら、ぷはーと一息ついてから誰にともなく、 「おい、そこの覗き見野郎。見てるんでしょ。なら協力しない? 私はこういう自分になるのが夢だったの。勧善懲悪って言うか、犯罪0の社会って言うかそれをわたしが実現するリアル。でもどうにも私が青天の霹靂で頂いたこの能力は私だけがもらったわけじゃない。他の奴を始末しにいく手を貸して。覗き野郎さん」 彼はもちろん答えずにその場から消えた。 その能力が一体どんなものなのか思案しながら。 突然なんのファクターもなく不特定多数に授けられた能力とその能力者達を巡る手探り能力バトル。