【長編】祈りの胡蝶
秋助
現代/その他ファンタジー
連載中
長編
30話
102,159字
2022年7月24日更新
胡蝶症候群がこの国に発症してから三年が経つ。自殺すると人の体が胡蝶へと変容する未知の病だ。同級生を胡蝶にするためのいじめと自殺教唆。胡蝶を神と崇めた胡蝶宗教。この国の死生観や倫理観は今では曖昧なものになっていった。 浮舟高校の三年生である元浦卯月は、一匹の胡蝶をマフラーの中に引き連れていた。冬に飛び降り自殺した同級生の有村幸太朗が胡蝶に成り代わったのだ。有村が自殺する人間とは思えない卯月は、有村の死の真相を探るために動き出す。 卯月は有村と同じクラスの江波文緒、野中知佳。担任の八雲誠。胡蝶収集家の金森蘭子。胡蝶研究家の藤和教授に出会っていく中、胡蝶の暴走。死生観の欠如。いくつもの思惑が広がっていった。 やがて全ての物語が繋がるとき、有村の死と胡蝶発生の意味に辿り着く。 【登場人物】 ・元浦卯月(18歳・女) 主人公。高校三年生の女子生徒 ・有村幸太朗(18歳・男) 主人公。高校三年生の男子生徒 ・江波文緒(18歳・女) ネットカフェ【メーベル】に住んでいる女子高生 ・金杉蘭子(30歳・女) 胡蝶標本コレクター ・八雲誠(25歳・男) 高校の国語教師であり、有村の従兄 ・野中知佳(18歳・女) 深月の中学時代からの友人 ・藤和社(40歳・男) 胡蝶症候群研究家 ・綾辻莉緒(35歳・女) 大手出版社『言の葉』所属の記者 ・舞城小太郎(38歳・男) 大手出版社『言の葉』所属の記者 ・松葉香苗(19歳・女) 【章題】 1章 夢十夜 2章 蜘蛛の糸 3章 羅生門 4章 銀河鉄道の夜 5章 祈りの胡蝶 始章 百一年目(非公開)
読了目安時間:3時間24分
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