秘密の花園の少女
楓麗
異世界ファンタジー
完結済
短編
1話
1,790字
2021年12月29日更新
あたしは植物が大好き。どんな劣悪な環境下でも懸命に生きようとする姿が、あたしにいつも元気を分けてくれるから。その中でも特にあたしは花が大好きだった。 ここは花の香る庭園……誰もがうっとりと多幸感に浸ってしまう植物たちが生み出した華やかな楽園。 そんな花の甘い蜜に誘われて外に広がる森の奥地から、今日もたくさんのお客様がふらふらと甘い蜜を求めて訪れる。 あたしはそんな素敵な世界の頂点に君臨する花の女王……というのは、少し言い過ぎかもしれない。せめてそう、この花の香る庭園に佇む主とでも名乗っておくことにしよう。 「ようこそ、誰もがうっとりとしてしまう花々が織り成す楽園へ……。この楽園の主として、皆さまのご来訪を心から歓迎いたします」 ファーメルンの四姉妹が三女のツィオーネは今日も人間たちを神秘的な世界へと誘い込み、幻惑する。
読了目安時間:4分
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