女王が君臨する薔薇と紅茶の大帝国。 この国の上流階級は、富と権威を我が物とした貴族や富裕層が、その知識と品性を活かして日ごとに優雅な交流を重ねる、絢爛なる社交の世界に身を置いておりました。 美酒に葉巻。 ドレスに扇。 礼儀と格式。 詩と哲学。 庶民には手の届かぬ上質な品々に囲まれ、庶民には真似できぬほどの数々の趣味と決まり事に縛られ、上等の衣服を鎧のように纏い、自分と同じ富裕層との親しい付き合いを続ける。 社交は貧民への奉仕と同じ、高貴なる者の義務でございました。 そんなジェントリの家に生まれたクローディアは、生来の人見知りで、お茶会でも夜会でも失敗ばかり。 自分が嫌いになるばかりの毎日に、ある日変化が訪れます。 美しくも堅苦しい社交界で、人と話すのが苦手だったら? 狩猟の話題に入れなかったら? そんな、上流階級で生きにくい男女の、小さな恋物語。 前に作った話の改訂版です。
読了目安時間:58分
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