※本作は「神聖(申請)魔法なんてうざったいですぅ」「神聖(申請)魔法なんてうざったいですぅ2」の外伝に当たるお話です。本編を読まなくてもお楽しみいただけると思いますが、本編をあわせてお読みいただくとより一層お楽しみいただけると思います。 ※本作はフィクションです。実在の人物や団体、および事件等とは関係ありません。 「不安定な物素」 それは世界に生きる精霊たちにとって悪魔のような存在であった。 精霊がそれを浴びれば自我を失い暴走し、やがて消滅に至る。 そのため「不安定な物素」の安定化は精霊たちにとって急務であった。 精霊たちは「不安定な物素」に強い生物を造り、それらに「不安定な物素」を安定化させようと試みた。 そこで作られたのが草木、動物、幻獣・魔獣、人である。 その中でも「不安定な物素」に比較的強く、この安定化のための能力もある人に精霊たちは期待した。 人の邪魔をしないよう、精霊や幻獣・魔獣は人から姿を隠し、静かに「不安定な物素」が安定するのを待ったのだった。 だが、その期待は最悪に近い形で裏切られた。 人の中でも主に平地に暮らす者達━━後に「平地族」と呼ばれることになる━━は、不安定な物素を安定化させるという任務を忘れ、自らの繁栄のため不安定な物素を発生させ続けたのだ。 増え続ける「不安定な物素」に堪忍袋の緒が切れた精霊たちはついに平地に暮らす人をを間引き、「不安定な物素」の発生を抑えることを決めた。精霊と親しい幻獣・魔獣なども精霊たちに協力することを誓った。 精霊と幻獣・魔獣は部隊を編成し、人を間引くため長きにわたる沈黙を破った。 これが「二百年戦争」の始まりであった。
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