ガリア大陸の三分の一を支配する大国ヴェルサイユ王国の第七王子ローラン・ド・ヴェルサイユは母親の身分が低かったために冷遇され宮廷ではその存在をほぼ黙殺されていた。 しかし、それでもローランは幸せだった。 なぜなら、常にその傍らには同い年の親友オリヴィエ・ド・ランヌがいたからだ。 ローランに仕える騎士オリヴィエとの日々はローランにとっては何よりの宝物であり、二人は慎ましくも幸せな日々を過ごしていた。 だが、聖歴一六七五年七月十四日。二人がまだ七歳の時に、突如起きた革命によって二人は引き裂かれる事になる。 王政は打倒され、新たな共和政の時代が幕を開けた。 王族は次々と処刑されるも、ローランは辛うじて難を逃れて身分を隠し、奴隷として生き延びていた。 一方、オリヴィエは革命の中で王室の子犬として捕らえられ、見世物として闘技場で剣闘士や猛獣を相手に戦い続ける事を強要される。 しかし、ローランもオリヴィエも生きる事を諦めなかった。 ローランは穏やかな日々を奪った革命指導者ロベスピエールへと復讐を果たすため。そして離れ離れになった親友と再会するために。 オリヴィエはヴェルサイユ王室の名誉を守るためにも、そしてどこかで生きているはずの親友にまた仕える日が来ることを信じて。 そんな過酷な日々を過ごして三年。 ついに二人は運命の再会を迎える事になった。 動乱の時代を、最悪の環境下で生きてきた二人の少年の、友情と復讐と成り上がりの物語。 カクヨムでも投稿しております。 ※ 『BOYSFAN』 BLコミック原作小説コンテスト「バディもの」応募作品。
読了目安時間:2時間59分
この作品を読む