鬼によるレスティア襲撃から三週間。 ライアとセツナの二人は、各々の目的を胸に辺獄地帯へと向かう。 かつての黄金都市ヘイメスは過去の華やかさを失い、今や崩落都市と化していた。 其処で出会った竜族の男と対峙する二人は、意外にも早く終わりへの道標を識る。 その一方で。 空中都市楽園《エデン》へと連れ去られたフィンドラは、囚われている牢獄で一人の竜族の少年と出会う。 その出会いが、彼女の生き方を大きく変える真実へと繋がる。 『貴女も自分の信じる道を進めばいい。私が信じてあげる、私が認めてあげる。貴女という存在を、私が大切にしてあげる』 『……たった今、探し物は見失った』 『大好きだからこそ……せめて、私の手で──』 『誰かが欠けた未来なんて、生きる価値すら無い』 交差する数多の想いは、辺獄地帯で勃発している竜と鬼の戦争へと関わっていく。 戦争のカギを握るのは“月の方舟”と呼ばれる封印された魔法だった。 たった一人を救う為の戦い。 全ては繋がり──物語は今再び動き出す。 ※会話文の「」を『 』にしています。
読了目安時間:8時間0分
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