その彼女、子供のような体躯にて戦場を神速が如く舞い、狂気の笑みで仇敵を屠る。 これは小さな女性の、大きな復讐劇の物語。 21世紀も数十年経った頃、経済危機、政治不審、宗教対立、水利権などあらゆる問題が噴出した世界は混沌と化してしまった。今日も世界のどこかで紛争による銃声が響き渡り、どこかの街ではテロが起きている。先進国ですら、最早それらとは無縁ではない。 そんな世界で、大切な人を失ったとある爆発テロをきっかけに強くなる為にと、大切な人を守る為にもと軍人になった如月莉乃。彼女は26歳でありながらその身長は143cmと、まるで子供のような身体である。 だが、軍に入ってから血の滲む努力の結果、類希なる射撃技術の才能を開花させる。さらには小さい体型を活かした格闘術なども身につけるなどして実力を示し、特務大隊を率いる隊長にまでなっていた。 しかし、彼女の環境は急変する。とある任務の失敗を境に大切な部下を奪われさらには軍籍を剥奪される。挙句の果てには大切な場所すらも奪われて、海外に追われてしまった。 かけがえの無い多くを失ってしまった莉乃。 彼女の目指す復讐劇とは。 果たした復讐の先にある、彼女の目に映る景色は。 私は必ず、復讐を遂げてみせる。 絶対に、絶対にだ。 イラスト:かとろく様(@kato_roku)