――洞窟の先は箱庭の様な楽園であった! 万年雪を頂く断崖の洞窟から、一筋の滝が落ちていた。滝が流れる洞窟まで九十九折の道が続いている。そして、其の洞窟を超えると、緑の宝石を鏤めた箱庭の様な光景が目に入った。 本【設定集】は「古代~中世ペルシャ風」と銘打っておりますが、ハカーマニシュ朝みたいな世界帝国を設定するのは死ぬほど大変です。後十年費やしても無理でしょう。そこで、人口一万~数万程度の小国を設定することにしました。本【設定集】では規模の大きさよりも、密度の濃さを重視します。 本【設定集】がモデルとしているは、古代~中世イラン、並びに西域(中央アジア)です。その歴史状況に鑑み、思い切って無文字社会という設定にしました。古代文明発展の基礎的要素に「文字」というのが挙げられますが、無文字のまま勃興した文明圏も実在するのです。むしろ、無文字社会の方が多数派な気がします。 この世界は無文字社会ゆえに歴史観が、いい加減です。むしろ膨大な正史を編纂してきた大帝国の方が世界の中じゃ例外だと思います。それは歴史設定をいい加減に出来る口実であるとともに、世界設定にリアル感を増す方法とも思っています。 シェアワールドとして御利用の場合、古代ローマもどきの世界帝国や中世ヨーロッパもどきの世界設定の周縁に追加・挿入していただければ幸いです。勿論、「エールンドレ」単品で御利用いただいても結構です。その場合は、王都を中心とした日帰りとか、二泊三日くらいの短期遠征が中心になるでしょう。また「エールンドレ」の世界設定を規模拡大すれば、人口数百万~数千万の大国や大帝国の設定を創造する叩き台になるかもしれません。 昔、語呂合わせで「エルンドア」という架空の国名を考えていました。何の言語的根拠も有りません。そこで中世近代ペルシャ語から借用して辻褄を合わせて訛らせて「エールンドレ」という地名に変えてみました。その世界の住民の中には、「エルンドア」と訛って発音する人もいることでしょう。
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