私が好きになったのは、画面の向こう側の人でした。 大学1年生の彩花。 彼女はいわゆる「オタク」だ。 なんのオタク、なのかというと、ネットの生放送のオタクだ。 ツイッター、インスタグラム、youtubeと並んで若者に人気のアプリ、「トゥイキャス」 トゥイキャスでは、毎日たくさんの「配信者」たちが生放送をしている。 トゥイキャス生放送で断トツNo.1の人気を誇る配信者「レオ様」 レオ様が配信を始めると、視聴者数は5万人を超え、ツイッターのトレンドに載る人気の持ち主だ。 レオ様はイケメンボイスを売りにしている。 顔を見せずに、男の子のイラストをトップ画面に設定して、配信している。 ラジオ形式だ。 分かるのは、レオ様の声だけ。 適当で憎めないキャラクターに、イケメンボイス。 声だけの配信でもレオ様に惹かれるファンは多い。 彩花もそのうちの一人だ。 彩花がレオ様を好きな理由は他にもあって、、、。 そんな「レオ様大好き♡」な彩花は、ある日、大学でレオ様とそっくりの声を聴く。 レオ様と同じ声の持ち主。 それは、彩花と同級生の男の子、「大介」だった。 一見、普通、、というか、地味で真面目そうな男の子、大介。 トゥイキャスNo.1配信者である、キラキラしたレオ様。 この二人はどう考えても交わらない。 声以外は。 そんな中、彩花は「あること」をきっかけに 大介はレオ様本人なのではないか? と疑い始める。 一方、平凡な大学生活を送っていた大介にも、ある変化が表れ始めた―
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