国会の18番目の常任委員会として『風紀委員会』が作られた。それは与野党合意に至らなかった通称『スパイ防止法』の役目を非公式に担う機関となる。 しかし、公には秩序安寧の為に存在している事となっていた。その為の政策として、選定された高校に『風紀倶楽部』という秩序管理サイトを設けたのだった。 ここ榊大戸(さかきおおと)高校も『風紀倶楽部』が導入されて3年近くが経ち、全生徒がその存在を当たり前に感じていた。 勿論、矢的就太(やまとなりた)も『風紀倶楽部』は入学当初から有った物で、この学校の一部だと思っていた。しかし、ゴシップ誌のような存在で有った為に、派手でも何でもない彼は関わる事は無いだろうとも思っていた。 しかし、1年生の終わりに部活でちょっとした事件を起こした矢的は『風紀倶楽部』に取り上げられる事となり、そこから因縁めいた関わりを持っていく事となるのだった。 〜そして春を迎える〜 矢的は後輩から1枚の画像を見せられた。その画像が波乱万丈な人生への片道切符になるとは知る由しもなかった。 持田 樹(もちだ いつき)は怒っていた。親友の彼氏の浮気疑惑が『風紀倶楽部』で取り上げられたからだ。 浮気疑惑に二股疑惑と続け様に一組のカップルを襲う陰謀を主導するのは『第三書記』だった。 別軸から1つの事件へと関わる矢的と持田。 果たしてその結末や如何に。
読了目安時間:2時間28分
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