2028年、日本政府は少子高齢化の問題が限界に達したと判断して、六十歳以上の希望者へ安楽死を許可する法律を制定した。若者は高齢化社会を支え切れず、老人は国の重荷に後ろめたさを感じ、遊援党率いる野党連合が高齢化問題を争点にした選挙で勝利し、総理大臣に就任した河本聡太郎が保守政党の反対を押し切り、「御見送り庁」を創設するが、安楽死の枠組みは難問であり実行は不可能かと思われた。 御見送り庁の担当大臣が難航し、河本聡太郎は苦肉の策として民間から曽倉哲人を登用し、曽倉は大学生の三笘龍音が作った睡眠用VRアプリ『スリーブ・ダウン』を採用し、改良を重ねて希望者への実用が開始されたが……。
読了目安時間:55分
この作品を読む