俺、近藤源助は目を覚ました途端に女の子に飛び付かれた衝撃に声にならない悲鳴を上げた。 いや、比喩ではなく本当に声が出ない。全身がバラバラになりそうな痛みも尋常では無かった。 おまけに熱湯でもかぶせられたかのように体中が熱い。 身じろぎすら出来ない状態でかろうじて目線を動かせば包帯だらけになっているじゃないか。 えっ? 梅木らいかって誰? 俺の事か? 話の要点を纏めると、どうやら俺は魔法少女で敵の幹部と相討ちになって入院させられているらしい。 困惑していると敵の襲撃を告げられる。 すると見舞いに来ていた女の子達が変身して窓から飛び出していったじゃないか。 マジか? 餓鬼の妄想かと思ってたけど本当に魔法少女だったんだ。 そこで俺は重要な事を思い出す。 これって弟が大コケした魔法少女物のラノベの設定に良く似ている。 打ち切りになってヤケになった弟は敵味方が全滅するバッドエンドに舵を切ったヤツじゃないか! まさか俺はバッドエンド確定の魔法少女に転生してしまったのか! どうなる、俺? どうすんだ、俺? このままじゃラスボスと自爆しちまうぞ! これは魔法少女アクストフランメこと梅木らいかに転生してしまった俺の地獄のような物語だ。
読了目安時間:37分
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