この世界は残酷だ。 命は軽く、身の回りで常に命が失われていく。 俺はガラスの筒の中、液体に浮かんだ状態で生を受けた。 そう、自分で認識している。 体に緑色の石を埋め込まれて、気絶から回復すると、周りが全て瓦礫と化していた。俺以外のガラスの筒が全て破裂していて、誰も生きていなかった。 完全に、生き物がいない世界。 まずはそこから、抜け出したかった。 俺は一人、何も知らないまま世界を回る。 特異体質で、死が否定される。 それでも俺は、人間でありたかった。 必死に生を繋ぎ、無力ながらもあがき続ける。 それをあざ笑うかのように、国が、軍隊が、魔法兵器が世界を蹂躙していく。 そして大切な人を失った。 大切な物を、全て無くしてしまった。 だから俺は、世界を滅ぼすことにした。 小説家になろう様でも掲載中。
読了目安時間:3時間39分
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