古書店店主×幼馴染大学生のBLサスペンスミステリー。 古書店『現世堂(うつしよどう)』の店主・檜山正樹。三十歳でありながら総白髪と全身に酷い火傷痕を持つ彼は、古書の他に一風変わった背景や事情を持つ“奇書”を鑑定し売買することを生業としていた。 そんな彼を手伝うのは、幼馴染である大学生の慎太郎。恋する彼は押しかけ女房のごとく檜山の家に居候を決め込むも、特に進展する様子は無かった。 しかしある日、いつも通り店を開けた二人の元に不気味な本を持った客が訪れ、二人は奇妙な事件に巻き込まれていく。 【第1章 ブラック・オルロフの誘い】 手にした物を不幸なる死に至らしめる呪われた宝石ブラック・オルロフ。それが嵌め込まれた本を持ってきた男は、売買の条件に「この本を買う人間の名前を教えてほしい」と檜山に頼むが……。 【第2章 或る小説家の遺稿】 「私の祖母は、芥川龍之介の愛した情婦でしたの」 およそ古本屋に場違いな黒いドレスを纏った女性は、そう言うと檜山に分厚い原稿を差し出した。それはなんと、未発表の芥川龍之介の遺稿であると言う。 しかしその二日後、現世堂に訪れた刑事は例の女性に殺人の疑いがかかっていると告げ……。 現在第2章まで完結しています。 ※隔日更新