◇『BOYSFAN』BLコミック原作小説コンテスト 二次選考通過しました。ありがとうございます! ──────────────────────────── 将来の夢は「平凡な大人になること」。 幼い頃から分相応に生きろと言われ続けた秋野は、自分がいかに凡庸でつまらない人間なのかを理解していた。学校では一日の中で教師にしか名前を呼ばれない。友達と呼べる人はたった一人。成績も運動も、見た目だって平々凡々。そんな自分の人生を悲観的に捉えてはおらず、これがまさしく分相応の正しい生き方なのだと信じていた。こうして『平凡』を着て生きていけば、それなりの幸せは手に入るはず。ドラマチックな人生は要らない。静かな水面のように、ただゆらゆら流れて生きていければいい。 そう思う傍ら──なにかが足りない、どこか満たされないと叫んでいる自分の存在にも気づいていた。 そんなある日、偶然立ち寄った公園で謎の美女・ナナと出会う。 あまりに美しいその姿に見惚れていると、突然キスをされてしまった。大混乱に陥った秋野を見て、ナナは悪戯に笑う。そしてこう告げた。 「俺、女なんて言ってないじゃん」 「え?」 ナナは美女ではなく──とんでもなく性格の歪んだ、とある劇団に役者として所属する美青年だった。 舞台に立つときだけヒロインになるナナ。その強引さに振り回され時間を共にするようになった秋野は、だんだんナナに惹かれていく。 けれどナナは他の誰かに恋をしているようだった。 相手は誰なのか、どんな恋をしているのか──なにもわからないまま、秋野はナナの演技を間近で観続ける。 次第に恋愛とは別の高揚も抱き始めた。舞台演劇の魅力に取り憑かれ、自分の人生はこのままでいいのかという疑問が湧いてくる。 高校三年の夏、人生の岐路。はじめての恋と未知なる世界への夢で、秋野の頭は埋め尽くされていく。 やがてナナの過去を知り、傷を知り、秋野はひとつの決断をする── ──────────────────────────── 『BOYSFAN』BLコミック原作小説コンテスト応募作品 「お題:フリー」
読了目安時間:3時間5分
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