2024年10月。 魔法やモンスター、ファンタジーの類は全て空想上のものと認識されている表社会。だがその常識を覆すように、裏には異能エネルギー、異源素(ゼレメンタル)を体に宿した異人(ゼノ)と呼ばれる異能者たち。表向きに彼らは普通の人間として扱われるも、日の当たる表社会から遠回しに異能ごと存在を否定されている彼らは、犯罪や抗争も辞さない裏社会を中心に君臨している。 主人公、初月諒花(はつづき りょうか)は生まれつき、強力な人狼(ヴェアヴォルフ)のチカラを宿した異人(ゼノ)。中学二年生。 男勝りで容姿端麗、人狼の拳と体術で敵を蹴散らす、黒い長髪に長身の少女。 小四からの親友である異人(ゼノ)の黒條零(こくじょう れい)とともに、互いに支え合い、時には喧嘩することはあっても、襲い来る裏社会の怪物たちと戦い続けてきた。 諒花には幼少の頃から夢があった。 空手の選手になってオリンピックで金メダルをとりたい。そのために中学進学時に空手部を希望した。しかしスポーツをする上でプロアマ問わず義務化されているメディカルチェックで不合格となり、夢を絶たれてしまう。 一方、零には誰にも言えない、ここまで約5年隠し通してきたある秘密があった。 それは上官から言い渡された、諒花の監視命令。 だが任務を果たせば零の望みを叶える。 零は諒花を友達として時に励まし、支え、その傍らで剣を振るう。裏で友情を踏みにじる後ろめたさに締め付けられながら。 夢を絶たれるも前に進む諒花と、親友を演じながらも裏切っている零。二人の行く末やいかに。 ※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
読了目安時間:11時間51分
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