陸上自衛隊の経理将校として毎日の業務に忙殺されていた。 いつも睡眠不足、そろそろ不良債権と化した元気の前借ドリンク君。 カフェインと糖分がお友達となり、身体からの危険信号を感じる毎日。 破綻した生活の繰り返し、ストレスとカフェインによってギンギンになって夜は眠れなくなり、深夜の大盛カップ焼きそばとアイスクリームを食べることによって炭水化物爆弾を爆発させ、気絶という名の睡眠時間を得ていた。 たった1年で増えた体重20kg、迷彩服が悲鳴を上げている。 そんな状態で、何故か人員が減ったにもかかわらず、その人の仕事まで増えてしまった。 慣れない業務、既にキャパオーバーしているにもかかわらず、さらに増える業務。 そしてやってきた官公庁の年度末。 終わりが見えない業務になんとか耐えながらも、なんとか生き延びていた毎日、今日もお店は閉まった時間に帰ることになるのだろう。 朝6時から働いている自分よりも開店が遅いくせに、私が帰る24時以降に閉店しているとはなんということだろう。 「俺、こんなんじゃ国を護る気がなくなっちゃうよ。」 という言ってはいけない一言を呟きながら眠りについた。 そして、入札を1日で10件以上も抱えていたある日、もう既に頭はおかしくなり、栄養ドリンクをちゃんぽんさせる合法ドラッグを使用し、頭をトリップさせようとした。 だが残念なことに、「ニコニコ元気前借金融」からもう前借できないという非常な現実を突きつけられ、とうとう眠気は取れなかった。 もう上司に怒られても良い無敵の人になった私は、少しでもサボってやろうと誰もいない入札室でうつぶせになった。 すると、元気の返済のための差し押さえが発生し、意識が落ちてしまった。 良く寝たようだが、一体ここはどこだろう。頭をトリップさせようとしたら、まるで知らない世界にトリップさせられてしまったようだ。 そして周囲を見渡すと、見覚えのない恰好をしたおじさん達に囲まれていた。
読了目安時間:9時間46分
この作品を読む