ルルイエ、そこは我々の世界とは異なる時空間に存在する異世界である。機械文明と魔導文明が高次元で融合し、栄える世界であるが、かつては両文明は激しく対立し、滅魔亡機戦争という世界を二分する大戦争を行っていた歴史を持っている。 世界を二分し、滅亡に向かっていた戦争を終結させたのは、三人の聖女と二人の騎士だった。平和を取り戻したかに見えたルルイエ世界だったが、戦争終結直後、私利私欲に溺れた白騎士アレイスターの造反劇で、三人聖女のうちの二人のマリアが倒され、ネオンナイトの称号を持つ黒騎士ロニーも、勇戦むなしく倒され、その魂は異世界へと飛ばされてしまう。一人残された聖女マグダラは肉体を失い、精霊機甲アザトースの精霊となり、窮地を脱して復讐を誓うのだった。 白騎士アレイスターはこの事実を自分の都合の良い真実に歪め、全ての罪をマグダラとロニーに擦り付け、二人のマリアの後継者としてルルイエ世界に君臨する。しかしこの歪みは、ルルイエ世界の歪みとして定着し、全ての女性は二十歳までしか生きられない呪いの病気、マリア病に蝕まれて、再び滅亡の道を辿る事になってしまった。 滅魔亡機戦争から三百年後、マグダラは遂に異世界に飛ばされたロニーの魂を発見する、その魂の持ち主は、航空自衛隊の戦闘機パイロット相沢恭平一尉だった。彼はマグダラに導かれ、ルルイエ世界に渡る。三人目のマリア、マージョリーと共に白騎士に闘いを挑み、ルルイエ世界をマリア病から解放するために。 この作品は、以前小説家になろうにて発表した作品ですが、諸般の事情により、発表の場をこちらに移す事にしました。
読了目安時間:10時間38分
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