ケネトの偽眼
のぼりもの
現代/その他ファンタジー
連載中
長編
4話
21,776字
2023年2月5日更新
紀暦4131年。とある田舎町の丘陵で未盗掘の巨大な墓が発見された。 大量の副葬品と厳重に封印された棺、それでいて壁画といった装飾は皆無。約3500年前の遺跡と判明したが、同時代の史料に記載が存在せず、被葬者は歴史から抹消された人物ではと推測された。 後にNI0と命名されるその墓は、史料の乏しさ故に「空漠の時代」と呼ばれていたアルギオン大陸の古代史――最古の王朝とされるカイバール帝国から後継国家であるケネト帝国に覇権が移るまで――その混迷期を紐解いてゆく。 浮かび上がったのは、古代の混沌を戦い抜いた数多の人間の生き様と。 そして「隻眼の戦女」と呼ばれたとある少女の人生だった。 ――遠い昔、辺境の村に住む農夫カルは街からの帰り道で行き倒れの少女を拾う。 己の名をヤナと名乗った少女は、近くでは見ない珍しい風貌をしていた。浮世離れしたその少女のことを、いつしか村の人間も受け入れてゆく。 やがてヤナはカルの運命を、そして大陸の未来を大きく変えてゆくことになる。 これは、理不尽な運命に苦悶しながらも、己の理想のために戦った人々の物語。 約3500年前、古代の大陸で。 彼女は最期に夢を見た。 ※技術レベルは紀元前を想定しています。 ※政治、外交、戦争、陰謀のるつぼ。 ※魔法なし、スキルなし、斬られりゃ死にます。 ※基本的に祝日に投稿します。
読了目安時間:44分
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