田舎娘エルフの帝都研究生活。田舎娘は別に都会で生活したいわけじゃないのです!

読了目安時間:3分

プロローグ

田舎娘のリューナ

私は優秀なエルフではない。 けれど、私はひと月後に世界屈指の学術研究所に勤めることになる。今にも手が震えが止まらない。こんなに恐ろしいことなどあるのだろうか。今日も今日とて眠れる気がしない。 まずは私のことについて話す。 私は幼児体形のエルフだ。人間や獣人などの種族は乳が大きい種族も多いと聞く。しかし、AA、Aカップしか見たことがないエルフの中でも一際寸胴な私には乳が大きいということがよく分からない。一つ分かるのは、邪魔そうなことだけだ。 話が逸れてしまったが、一番重要な私の情報は、エルフの里の中でもお金がない里出身というのとだ。なぜ、私の里がお金がないかというと、紙幣という近代のシステムを使うことなく1日1日を採集で生活できるということだからだ。 「リューナ、あなたは少しぼんやりし過ぎだわ。どんなけエルフが長生きだと言っても、少しは何か得意なことを見つけた方が将来のためよ。少しでも自分を磨いて、少しでも良い家系のお嫁さんになるが女の幸せよ」 「ママ、私はあんまりお嫁に行きたくないなぁ。だって、なんか大変そうだもん。私よりもイリーナやエイルーの方が優秀だからさ」 「何を言ってるの。貴方は12歳で、お姉ちゃんでしょ?イリーナやエイルーは10歳、妹達のお手本にならなくてどうするの?」 この会話の1ヶ月後、私は地元の中等学校で驚異の成績を叩き出した。実際は、人生に数回ある恐ろしく幸運な日に、丁度、帝国全土の子供を対象にした第一回帝国学力調査の日が被ってしまっただけのこと。その結果、帝国の神童選抜制度に選ばれ、帝都の高等学術院への出頭命令を受けた。そしてあれよあれよと、帝国1番のみならず世界屈指の研究所である昌平坂学問所でのお勤めに任命された。若い優秀な人材を帝国の要所で活躍させるという新制度のおかげだ。 しかし、内心は恐ろしくて仕方なかった。ここ数ヶ月だけで残りの人生全ての運を使い果したきがする。人はあまりに上手くいきすぎると、逆に不安になってくるものなのだろうか。 「私、お姉ちゃんって鈍感で頭の回転が遅い方だって思ってた。でも、そうじゃなかったんだね。なんだか最近のお姉ちゃんってカッコイイよね。なんかすっごくカッコいい!私、応援してる!」 「私もお姉ちゃんってなんか垢抜けない感じとか田舎っぺって気がしてて内心好きくなかった。でも、ここ最近のお姉ちゃん見てると、なんか尊敬しちゃう。あっ、でも、田舎臭い服装はあんまり可愛くないかも。なんでお姉ちゃんっていつも垢抜けない感じなの?可愛くないよ!てか、私よりもお子様感出てない?そんなんじゃ帝都で舐められるよ」 イリーナとエイルーは双子息ぴったりの恐ろしい攻撃を仕掛けてきた。これは私に対する精神的に違いない。妹達のマシンガントークに反応すら出来ない私なんかよりよっぽど頭が良い気がしてならない。 「行ってくる」 家族にそう告げ、私の初めての帝都生活が幕を開けたのだ。しかし、初めての帝都生活ということは、私が働くという時間も迫りつつあると言うことだ。私には、出勤日がある種の死刑宣告のように感じる。 しかし、もう行くしかない。私は私の腰くらいある大きな鞄を持って田舎町を出た。

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