ワールドクリエイター ~自称神の陰謀で、俺は異世界をクリエイトする!(ついでにロボ娘も)~

不遇なロボ娘、からの~w

そして俺はクリエイトする

 白い部屋から急に井﨑さんが消えた後、俺は壊れたモニタを眺めてため息を吐いた。 「ちょっと、鈴木。いくらなんでも、のぞきはどうかと俺も思う」 「え。まんざらでもなかったろー。あのバスト! 破壊力抜群だし!」  そう言って鈴木が指をわきわきと動かす。エロい手つきすんな、と一応、突っ込んでから俺は冷め切った紅茶を飲んだ。  ここに来た後、井﨑さんは鈴木への突っ込みが徐々に激しくなった。最初は殴るだけだったのに、蹴るとか叩くとかを越えて、鈴木を股裂きした時には、さすがの俺もドン引きした。  ないわー、アレはない。いくらおっぱいおっきくても、アレはひくよ!  鈴木が神様的なものだとしても、万が一ってこともあるじゃん!  鈴木がいなくなったら戻れなくなるとか、ちょっとは考えたらどうなんだよ!  ……とか思ったので、俺の緊張度は一気に下がり、フツーに喋れるようになった。なのに井﨑さんは怒る一方だった。ロボ娘という可愛いあだ名で呼んだ時もキレていた。 「確かにおっぱいは大きい。それは嬉しい。でも、だからってモニタでロボ娘の入浴シーンを映しても、鈴木が彼女の記憶を再生してるとか判んないと思う。多分、今頃はさっきのは夢だって思ってるんじゃないかな」  俺もそう思ったし。  最初に自分の部屋に戻って寝汗をかいていた時のことを思い出す。あの時、夢だと思ったけど、すぐに鈴木に異世界召喚? されて……つまり、ここに戻されて気付いた。これは夢ではないという悲しい現実に! 「ま、心暖(ここの)がどう思おうと関係ねーから。オールオッケー。準備万端。あとはここでやっちまえばいい」 「なにを!」  のんびりと鈴木が言ったことに俺はひっくり返った声で突っ込んだ。どう考えても今のは不穏な発言だし! 「なにをってナニに決まってんだろ。っていうか、最初の目的、覚えてるか? マイフレンド」 「いや、フレンドにはなってないって。それはともかく、最初の目的?」  突っ込みと質問を同時にするのも慣れてしまった。俺の質問に鈴木がうむうむ、と言いながら頷く。……ホントにうむうむとか言う人……じゃなかった。まあ、いっか。そんな人、初めて見た。 「ロボットの助手の作成だ。もちろん、凜にはアレコレ世界を作ってもらうが、オレのサポート役が必要だと言ったろー」  そういえばそうだっけ? 俺はちょっと前のことなのにうろ覚えになってる記憶を引っ張り出した。  確かにここに初めて来た時、鈴木がそんなことを言っていたような? 「異世界が足りないからクリエイトしろ、助手が欲しいから作れ、だっけ?」  何とか思い出したけど、どー考えても無理ゲーなんですが。そんな気持ちを込めて俺は鈴木に確認の意味で訊いた。すると鈴木が腕組みして鷹揚に頷く。もういい加減慣れたけど、鈴木の容姿でキザい仕草とかされると、超絶似合わないんだけど……。 「ここは人間にはちょっと合わないぽいのは説明したよな? 実際、今のところ凜ほど適応した人間はいない」 「え? でも井﨑さんは……あ、ロボ娘だから?」 「イエース。そゆこと」  どうやら彼女も巻き込まれてしまったらしい。お気の毒さまだけど、俺のせいじゃないから恨まないで欲しい。というか、今は夢だと思ってるだろうから、後が怖い。少なくとも鈴木の言い方だとまたここに呼ぶつもりっぽいし。  あれ?  でもよく考えたらロボ娘ってロボなんだから、鈴木もロボ娘を助手に使えばよくない? 「いやいや。心暖は残念だからインポッシブルだ」 「だから考えてること読むなー!」  俺は頭を抱えて喚いた。和製英語の怪しいウェアラブル端末、アニメで観てたアレのセリフと同じだから判る。鈴木は無理って言いたかったらしい。でもそんなの、あのアニメ観てないとわかんないって! 「ん? 凜はもしかして心暖の魂をイニシャライズしたいのか?」  不思議そうな顔で鈴木に訊かれて俺は慌てて首を振った。  そうそう初期化して書き換えればって、たましいをイニシャライズ?  鈴木、何か不穏なこと言ってない? 「もしかして凜はサイ(たま)を信じないタイプか」 「サイ(たま)ってなに!? 気軽に都道府県みたく言うな!」  もしかしなくてもロボ娘の魂って意味だとは思ったけど、俺は思わず突っ込んでしまった。 「要するにロボ娘を助手にするためには、魂をイニシャライズ? しないといけないから? 別に助手を作る? ってこと?」  いちいち疑問系なのは自分でも判ってたけど、俺は鈴木に訊いてみた。するとハハハ、と笑った鈴木が俺の肩をポンポン叩く。 「まあまあ、そんなに深く考えるな。ポジティブにいこうぜ、凜!」 「意気揚々と俺の道を勝手に決めるな!」  鈴木のノリは相変わらずだ。言われたことにはイラッとするけど、確かに深く考えても無意味な気がする。でもそれを認めるのはまた別問題!  そもそもロボ娘じゃない新しいロボを作れとか言われても困るわけで。どんな無茶振りかと。  でも鈴木はその注文を取り下げるつもりはないっぽい。 「それはそーと、凜。そろそろ世界をクリエイトして欲しいんだが」 「は!? また!?」  文句を言いつつも、おれは仕方ないと思いながら鈴木の言う通り、新しい世界を作ることにした。

サイ魂。

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