ワールドクリエイター ~自称神の陰謀で、俺は異世界をクリエイトする!(ついでにロボ娘も)~

書き溜めていたモノを公開します! 賞獲り物ではありません。

出会いからおかしい

 俺はいつものようにアニメを観ていた。  今期では一番お気に入りのアニメで、俺は画面と音声に意識の全てを向けていた。メンタルがちょっと豆腐な自覚はあるけど、俺はまあ、いたって普通のどこにでもいる高校生だと思う。名前が(りん)なので俺を知らない人に女に間違えられることもあるけど、その程度のことは普通にあると思う。  だから、座っていた自室の床や天井の色が真っ白になった時は驚いた。というか、なにこれ、と焦って周囲を見回した。エフェクトは一切なく、音もなく、ついでに言えば衝撃とかそういうのもなく、いきなり部屋の様子が変わったら誰だって驚くというか、何で静かに変わったのかと突っ込みたい。 「いらっしゃーい。結城(ゆうき)凜くん。えーと、凜は十七になったばかり、親子仲は今ひとつ、学校での成績は中の下……お前さては勉強が嫌いなのか。まあ、別にその辺のことはどうでもいいか。彼女いない歴=年齢の典型的な童貞で、もてないどころか女子からは興味すらもたれたためしがない感じの」 「悪かったな!」  びっくりしすぎて声も出せなかった俺は、背後からの声に反論するために立ち上がりながら振り返って……絶句した。  同年代っぽい男子がそこに突っ立っていた。腕組みをしながら目を閉じて、何かを確認でもするかのように言葉を続ける。 「そもそも出席日数とやらが足りてねーという、半引きこもりニート生活真っ最中……食事の好みとか……うん、大体判った。よし!」  そこでぱんっと手を叩いた知らない男子が目を開けて手を差し出した。 「よろしく! 凜! オレは神です!」 「信じられるかー!」  にっこり笑って挨拶した相手に向かって俺は全力で叫んだ。神を自称する……あー、二期まだかなー、じゃない! 「神!? なにそれ! ここどこ!」 「ここはオレが急遽作った空間で、凜はオレが呼び出した人間ってことになるか? あ、でも呼び出したって言うより、異世界召喚? って言った方が早い?」 「異世界召喚!? は!? アニメとかラノベのテンプレ!?」 「だって仕方ないだろー。お前のいた世界でいえば、その表現が一番近いんだよ、ヒキニート。まあいいから話を聞け」  神と名乗った男子がにこにこしながら言う。神……? これが? 神様? どう見ても普通の高校生男子っぽいんだけど……?  というか、今、ナチュラルにヒキニートって言った? 「ヒキニートは事実だろ? フレンドリーな方が話しやすいかと思ってこの形にしてるだけだが?」  オーマイゴッド!  いや、これが俺の神様!?  それにこの自称神様、俺の心の中も読んでるっぽい!  俺は諦めのため息を吐いた。異世界召喚とか異世界転生物って主人公が例えば凄いイケメンだったりとか、うっかり殺されて転生しちゃったりとか、巻き込まれ型の体質だったりとか、そういうのばっかりだと思ってたのに……。  何というか、俺が召喚とかされたというのが……残念過ぎる気がする。  だって俺は神様? が言った通りの人間だから。親との仲もあんまり良くない。学校も最初は頑張って通ってたんだけど、友達も出来ないし、何だかつまらなくなって行かなくなった。担任が家に来るようになってから、親との仲は更に悪くなった。っていうか、俺の父母は俺に無関心で、その度合いが酷くなった、というのが正しいかも?  神様? が言った、引きこもりニート生活、というのも確かに合ってる。彼女いない歴=年齢というのも合ってる。……イラッとするほどストレートに言われた気がするけど。 「まあまあ、落ち込むなよ、マイフレンド!」 「友達になった覚えはないけど」  俺が不機嫌になってるのが判ったみたいで、神様? が強引に俺の手をつかんで握手する。まあ、別に握手は嫌じゃないけど……。  それにこの神様? は異世界召喚とかの物語に良く出てくるイケメンではない。どっちかといえば俺に近い感じがする。……喋り方はかなり違うけど。 「オレ様の喋り方が違う? オーノー! 凜が観ていたアニメのキャラに寄せてみたんだが」 「寄せるなよ! って、寄せたのが主人公じゃないところが微妙だよ! しかもさりげにオレ様キャラに進化すんな!」  観ていたアニメは主人公がイケメンで、しかも今時な感じの無敵設定、更に女性にモテモテという、何とも羨ましい感じのストーリーだ。どのヒロインも可愛くて、主人公に尽くす系で感情移入すると最高に楽しい作品で……。  でも、目の前の神様? は、そのアニメの主人公でもなく、ヒロインでもなく、モブでもなく、何故か主人公が使ってたウェアラブル端末と同じ口調で喋ってる! 時々、和製英語が挟まってるのがその証拠だ! 「それはそうと、凜。フレンドなオレを呼ぶ時、困るだろう。鈴木と呼ぶのはどうだ?」  ありがちだし、判りやすいだろ。そんなことを言って、神様改め、自称鈴木が笑う。いや、待って。ホントに待って。俺、この展開にメンタルがちょっと保たない。  確かに鈴木は接しやすい印象だし、端末と喋ってると考えると罪悪感とかないし、心を読まれても端末なら仕方ないかな? とか思うけど……ホントはヤだけど! でも、人間相手よりマシ……かな……? 「まあ、それくらいなら、いいけど……で、鈴木。何で俺を呼び出したの?」  まさかどこかの異世界で戦えとかならごめんなんだけど。ぼやく前に鈴木がまあまあ、と笑って俺の肩を叩く。どうも馴れ馴れしいというか……何だろう。例のアニメの端末っぽい喋り方ではあるんだけど、現実……待って。これ、現実だよね!? 「どうも混乱しているようだな。凜。ここは現実で、夢ではない。さらに言えばオレは実在している。凜を異世界転生させたのは事実で」 「さっきは異世界召喚って言ったよね!?」  思わず俺は突っ込んだ。召喚と転生じゃ、意味が全然違う!! 「似たようなもんだと思うが」 「違うよ! 転生だと俺、死んでるじゃないか!」 「生命活動が停止してるかどーかか?」 「アニメ観ながらいきなり死亡とかあり得ないでしょ!」  俺は必死で鈴木を問い詰めたけど……。  残念ながら鈴木はあっさり、これ以上はないってくらい淡泊に言い放った。 「ここに来た時点で、凜の生命活動は停止してるが?」 「オーマイゴッド!」  思わず頭を抱えて天を仰ぐ。でもそんな俺に鈴木はまた淡々と言った。 「だから、オレ様に叫ばれても困る」 「違う! 鈴木に言ったんじゃなくて、別の神様に祈ったの!」  そんなやり取りを数分くらい続けて、俺はがっくりと肩を落とした。  ああ、俺の人生さようなら。  両親とも仲悪かったけど、引きこもり生活だったけど、それでもアニメを観たりしてる間は楽しかったのに……。 「まあまあ。そんなに落ち込むなよ。凜が異世界転移したのには理由があってだなー」 「今度は転移モノになった!」 「どっちにしろ、用事が終わったら戻してやるって。だから落ち着け、マイフレンド」 「は?」  生命活動が停止してるって言わなかったっけ? あれ? 俺の聞き違い? 「だから、オレは神だとゆーてるだろーが。生き返るくらいさせてやるし。時間戻すし。ノープロブレムだろー」 「鈴木ってそんなこと出来るの!?」  俺と同じような見た目だから、信じられないんだけど!  俺の心の叫びが聞こえたからか、鈴木がやれやれ、と苦笑して肩を竦めてみせる。……どこの漫画の主人公だ、おまえは。平凡な高校生男子の姿だからか、キザな仕草が超絶合わない。 「オレ様は神なんだから出来るに決まってるだろ。ちょっと戻してみるか」  鈴木の声が聞こえた直後、白い空間が突如、消えた。と思ったら、俺はいつもの自分の部屋でアニメを放映している端末画面の前にいた。普通にアニメが動いてるし、音声もきっちりスピーカーから流れている。  あ、ここから主人公がヒロインその2に誘われて街に行くんだよね。あれ?  このシーン、さっき観てたのよりちょっと巻き戻ってる! 何で!?  しかも左腕に違和感……は!? いつの間にかアニメの主人公と同じウェアラブル端末が腕についてるし! 『これで判っただろ?』  ウェアラブル端末が鈴木の声で喋る……逆? 鈴木がウェアラブル端末になって話しかけてきた? どっちでもいいけど俺はびっくりした。

この話はテンポと語呂で成立していますw

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