ワールドクリエイター ~自称神の陰謀で、俺は異世界をクリエイトする!(ついでにロボ娘も)~

ツンデレテンプレート。

直球顔面ぱんち

 ……確か動き続けてないといけない魚類っていなかったっけ。サメとかマグロとか。井﨑さん見てるとそんな感じするなあ。  じゃなくて! 「あの! 俺は何も知りません!」  男子はもちろん女子となんか喋った経験ゼロ……あ、さっきちょっと喋ったか。でも、経験値が果てしなくゼロに近い俺は、なけなしの勇気を出して言った。というか、怖かったから悲鳴をあげた、に近い。 「語るに落ちるとはこのことね! それは知っていると言っているのと同じよ! ……えーと、誰だっけ。とにかく! 同じクラスの男子!」  やっぱり俺は認知されてないのか……。まあ、それは判ってたからいいけど……。  しまったー! 俺、余計なことを口走ってしまった! わざわざ何も知らないって言ったら、何か知ってるって白状してるのと同じだし!  鈴木が井﨑さんが実はロボットだとか言うから言うから。 『いや、サイボーグなんだが』 「だからロボットだよね!?」  反射的にウェアラブル鈴木の声に突っ込みを入れた俺は、目の前の井﨑さんの表情が怒りに燃えるのを感じた。あああ、だから俺、喋りたくないんだ! 人との距離が判らないから! 「……どうやら知られてしまったようね……クラスの男子の人……」 「あ、俺は結城凜です。えーと、知られたというか鈴木が勝手に言ったというかー……すみません!」  あはは、と空笑いしながら俺は必死で抵抗を試みた。けど井﨑さんは余計に怒ったっぽい。肩を怒らせている。あれ? でもロボットなのに見た目は人間にしか見えないなぁ。そういうもの? 「結城くん、ね。で、鈴木って誰!?」  一歩前に出た井﨑さんは俺の襟首を今にもつかみそうな迫力を湛えている。って、怖い怖い怖い! 「だから、白いところにいたヤツだってば! 鈴木が井﨑さんがロボットだって!」 「ロボットじゃない! サイバーテクノロジーロボティックスインデバイスよ!」  は? なにそれ。長くない? ラノベのタイトルじゃあるまいし。舌を噛みそうな長ったらしい名前を聞いた俺は、そのおかげでちょっと冷静になった。 「要するにロボットでしょ?」 「だから、違うって言ってるのに!」  今度は何故か井﨑さんが地団駄を踏んで悲鳴のような声をあげる。でもすぐに井﨑さんは足踏みをやめて、俺を正面からじと目で見た。 「君、結城くんだったわよね。それを誰かに言い触らすつもり?」 「は?」  誰に?  って、友達いないのに誰に言うっていうんだよ! 俺の豆腐的メンタルが傷ついた!  それともネットで言い触らすって意味!? そんなことしても、なにを馬鹿なwww ってネタ扱いされて終わりじゃん!  っていうか、俺はウォッチ用のアカしか持ってないから! 「それにあの白い場所はなに? 鈴木って誰? もしかしてあそこにいた男子も私のことを知ってるの? あれって夢じゃなかったの?」  だーかーらー! 鈴木に教えてもらったんだってば! 白い部屋のことは俺も知らないってば!  とは、俺は言えなかった。相手が鈴木ならともかく、三次元の女の子相手には……ちょっと……ツッコミにくい……。 『よーし。凜、よくやった。ここまでいけば問題ねーだろ』  ウェアラブル鈴木の声がした、と思った直後、また俺は白い部屋に移動していた。井﨑さんも一緒だけど、今度は悲鳴は上げたものの、取り乱し方はさっきほどじゃなかった。 「きゃああ! なにこれ! やっぱり夢じゃなくて!?」 「はーい。オレが鈴木でーす! そしてオレは神です!」  白い部屋には鈴木が待ち構えていた。悲鳴を上げていた井﨑さんが、今度は俺から離れて鈴木に詰め寄る。 「神? 何の冗談よ、それ」 「えーと、名前は井﨑心暖(ここの)。成績優秀だけど体育は苦手。進学校に進まなかった理由は、体育が一切駄目で内申がいまいちだったから。サイボーグ化したのは三年前の事故の時? おー、よく頑張ったなー。ていうか、これがサイボーグかー。見た目は全然変わらないなー。現代科学ばんざい」  あ。ちょっと気の毒に思える。俺の時と同じようにずらずらと並べ立てられた井﨑さんが、見る見る顔を真っ赤にしてわなわなと震え始める。 「趣味は音楽鑑賞、得意なのは料理全般。なるほど、これは役立つなー。あとはスリーサイズが上から」 「待った! だから、俺に聞かない権利をくれってば」  反射的に言ってから、俺ははっ、と息を飲んだ。  すりーさいず。  なんて魅惑的な単語だろう。  と思った俺は思わず井﨑さんの胸辺りに目をやった。  おおー! これまで気付かなかったけど、意外と大きい!?  制服の上からでも大きいって判るサイズってすごくない!? 「なに勝手に個人情報垂れ流してるのー!」  そう叫んだかと思ったら、井﨑さんが動いた。もの凄いスピードで鈴木に駆け寄ったかと思うと、問答無用で右ストレートを放つ。  おー……。リアルで顔面パンチ食らってる人、初めて見た。……人じゃなくて神(自称)だけど。  鈴木は白い部屋の壁まで吹っ飛んで、背中から床にべしゃっと落ちた。でもすぐにけろっとした顔で立ち上がる。って、血だらけなんだけど! 「鈴木!? 大丈夫なのか、それ!」 「あ? リアリティを追求してみただけだから平気平気。拭けばノープロブレムだしー。あ、タオルタオルっと」  そう言った鈴木がどこからともなく水色のタオルを取り出して頭から流れていた血を拭く。鈴木が拭いたタオルは何故か血で汚れてないし、床は真っ白なままだ。  でも、殴った方の井﨑さんは、比喩じゃなく、全身から陽炎をしゅーしゅーと立ち上らせてる。ロボット的にフルパワー状態なのかもしれない。  こっちは放置しとこう。俺は関係ないし。  殴った拳を突き出していた井﨑さんがふんぞり返った時、鈴木がまあまあ、と笑ってその場に例のテーブルセットを出した。そこでやっと井﨑さんも鈴木がオカシイことに気付いたらしい。……まあ、自称神にろくなのはいないよねー。判る判る。うんうん。俺も昨日はそう思ったし、今でもちょっとおかしいと思ってる。 「まあ、座ってお茶でもどーかな? あ、その前に身体チェックでも?」 「また殴られたいの?」 「冗談だろー。ほら、凜も座れ。今日はアッサムを淹れたぞ。ミルクたっぷりで飲むといい」  井﨑さんに突っ込まれても鈴木は平然としてる。あ、そういえば俺の左手のウェアラブルは……。  おお。なくなってる。やっぱりあれって、鈴木が俺と意思疎通をするために装着させてるみたい? 外したらどうなったんだろう。って、そもそもあれって自分で外せたのか? 「いや、無理。外せないって」 「だから、どーして俺の心を読むんだ! あっ、ごめんなさい」  先にテーブルについていた井﨑さんがもの凄い目で俺を睨む。その目が怖くて俺は思わず謝った。  えっ、何この人。めちゃくちゃ怖い! アニメでこんな風に睨まれたモブ(俺的なキャラ)は即死フラグが立ちそうだ!  あれ。でもよく考えたら井﨑さんは人じゃなかった。凄い目で睨む殺人ロボット……いやいや。それはそれでもっと怖い。 「で。ここってどこなの。私になにをしたの。お茶飲んでる場合じゃないんだけど。何であなたたちは私がサイバーテクノロジーロボティックスインデバイスだって知ってるの」  また井﨑さんが長ったらしい名前を言ったところで俺は気付いた。  あ、そっか。井﨑さんってロボットだったっけ。にしても、見た目、人間っぽいから違いが判らない。怪力なのは判ったけど。 「何でって言われても困るなー。オレは神だって言っただろ。神、要するにゴッドです! なので、何でも判るし、何ならやっぱりスリーサイズを」 「また殴られたいの!?」  と、叫んだけど、井﨑さんは今度は問答無用で鈴木を殴ったりはしなかった。ふー。ツッコミはいらないっぽいし、俺はお茶でも飲んでいようっと。  今日の紅茶もとても美味しかった。俺は引きこもってて市販のお茶しか飲まないから判んないけど、お湯でいれたらこんなに美味しいものなのかな? それとも鈴木の芸? 「芸ってww」  鈴木がそう言って笑う。なんか、アニメ的に『ぷーくすくす』って笑われた気がする……。 「とにかく!」  テーブルを両手でばしんっと叩いた井﨑さんが声を荒げる。さっきからイライラしてるのは判ってたんだけど、俺や鈴木が喋るたびにそれがひどくなってる気がする。怒ってるのかも知れない。  でも考えてみたら変じゃ? 俺や鈴木が怒られるようなことを井﨑さんにしたのなら別だけど……って、あー! この白い部屋に呼ばれた時点で酷いっていえば酷い!? それだと俺は関係ないよね! あっ、でも井﨑さんが怒ってる理由は、スリーサイズ……じゃなくて、ロボットなのがバレたことだと思う。  けどやっぱり実感がない。鈴木だけだったらツッコミを入れたいところだけど、今は井﨑さんがいるから緊張して無理だ。まあ、その分、井﨑さんがツッコんでるからいいのか。 「いやー。オレ的には、凜のキレのあるツッコミの方がユニークでいいんだが」 「話をはぐらかさないで! 意味が判らないし!」  鈴木が言った直後に井﨑さんがすぱっとツッコミを入れる。あ、もしかして。井﨑さんは鈴木が考えてること読んでるって気付いてないんじゃ?  俺がそう考えた途端、鈴木がぽん、と手を叩いてじーっと井﨑さんを見る。 「なるほど! アレだ! ツンデレのツンらしいぞ、凜! 井﨑心暖は実は恥ずかしいと思ってるらしい!」 「だーれーがーツンデレよ!」  見事な掛け合いに拍手しようかと思ったけど、俺はそれをスルーした。多分、井﨑さんが考えていることは当たってたんだと思う。顔が真っ赤になってるし。  ……あれ。ロボットも赤くなるの? てっきりマネキンみたいのを想像してたんだけど、よく考えたら井﨑さんの表情もフツーに動いてるように見える。それに他のところも。  ん? 身を乗り出してテーブルをバンバン叩いてる割に……?  巨乳なのにおっぱいが揺れてない。 「おー! 確かに井﨑心暖のバストは揺れないな!」  感心したように鈴木が言った瞬間、井﨑さんが再び振りかぶって鈴木を殴った。 「どこ見てんだー!」  繰り出されたこぶしが、今度は鈴木の腹に直撃する。鈴木はわー、とか言いながら、白い壁に激突した。南無南無。

ノリツッコミは凜の方が上手いかも。

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