思いついちゃったから書かざるをえないSS集

Web小説作者の天国

001(終)

 あるWeb小説の作者が死んだ。過労死だった。  本業である会社勤めはブラック企業で、そこでのストレスを晴らすためにスマホで通勤中に書き始めたWeb小説が、つらい日々の唯一の励みだった。  しかし寝る間も惜しんで書き、毎日五回も更新したのがいけなかったのか。  ある日の朝、作者は満員電車の中で倒れて、それっきり帰らぬ人となったのだった。  もう帰る必要もない。会社にも行かなくていい。  だが、()()()()()()()()?  そんな作者の前に、天使が現れた。  真っ白いシーツみたいなひらひらの服を着ていて、白い翼があり、頭には光る輪っかが浮いている。 「作者よ、あなたは生前よく頑張りました」  天使は美しい顔で微笑んで、両腕をさしのべ、そう言った。 「これからは天国で過ごしましょう。そこでは、どんな作品もパッと軽率に思いつくだけで自動的に原稿になり、全てが傑作で、全てが自動的に更新され、通りすがりの天使が読んでイイネを押してくれますよ。あなたは何もしなくていいのです。よかったですね」  作者が呆然と聞いていると、どこからか黒いモヤモヤとともに悪魔が現れて言った。 「いいやお前は地獄へ行くのだ。そこでは毎日、ノルマ2万字。そのうち万5000字はボツだ。お前は苦しんで書き、アプリのエラーでデータは吹っ飛び、誤字脱字だらけで、クソリプが来る。更新は毎日5回だ。もう死んでいるから、眠ることも、食うこともできずに、永遠に書き続けるのだ」  作者は震えながら悪魔の手をとった。  Web小説作者の天国へ行くのだ。  天使はポカーンとして言った。 「えっなんでだよ?」 ーー完ーー

twitterでつぶやいたネタを軽率に原稿にしてみました。 最後までお読みいただき、ありがとうございます。 次ページは第2作目「ボクは人知れずキミを救う者だ」という別のお話です。 ボクには一生に一度だけ使える秘密のチカラがあるんだ……。

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  • 花とロボット

    上原友里

    ♡2,000pt 2020年3月3日 8時44分

    こんな地獄がこの世にあるなんてwww天国wwww クソリプさいこうですねwクソリプカモンw

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    上原友里

    2020年3月3日 8時44分

    花とロボット
  • アマビエペンギンさん

    zero

    2020年3月3日 9時18分

    さっそくコメントありがとうございます。 こんな地獄がねえ……ほんまにw 楽しいですww このところ花粉症でムシャクシャしているので、出来心でいろいろ軽率に書いていきたいと思います。

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    zero

    2020年3月3日 9時18分

    アマビエペンギンさん
  • 女子作家ちゃん

    なるたき彩月

    ♡500pt 2020年3月5日 7時03分

    私も地獄行きだわぁ。ボツ上等!

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    なるたき彩月

    2020年3月5日 7時03分

    女子作家ちゃん
  • アマビエペンギンさん

    zero

    2020年3月6日 15時39分

    コメントありがとうございます! 私も永遠に書き続ける地獄に堕ちてますが楽しいですヽ(´▽`)/

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    zero

    2020年3月6日 15時39分

    アマビエペンギンさん

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