思いついちゃったから書かざるをえないSS集

※バリスタ:コーヒーをいれる職人のこと

いつものコーヒーショップの可愛い子

001(終)

 僕がいつも行くコーヒーショップに、とても可愛い女の子のバリスタがいたんだけれども、人件費削減(さくげん)のためにクビになってしまったらしい。  彼女の笑顔を見るために行っていたようなものだったのに、あの子がいないのでは行く意味がない。  僕は思い悩んだ挙句(あげく)、店長に抗議(こうぎ)しようと、店にいつも置いてあるお客様の声コーナーに投書(とうしょ)することにした。  朝、早めに行って、僕が店の奥で投書(とうしょ)を書いていると、スタッフルームから業者らしき男たちが大きな段ボール箱を持って出てきた。  その中に僕がいつも会うのを楽しみにしていた、あのバリスタの彼女の血の気の()せた上半身が入っていた。  僕はぎょっとして悲鳴をあげそうになったが、よく見たらそれはロボットだった。  僕がずっと会うのを楽しみにしていたあの子は、実はロボットだったのだ。  僕が呆然(ぼうぜん)として(なが)めていると、業者らしき男たちは新しい段ボール箱を運び込んでいた。  その中には、最新鋭のロボットが入っていたらしく、男たちが作業を終えて店を出る頃には、いつもの彼女よりもずっと可愛いバリスタの女の子が店のカウンターの中で微笑(ほほえ)んでいた。  悪くないんじゃないか?  僕は途中まで書いた投書(とうしょ)の用紙を握りつぶしてゴミ箱に捨てた。 「いつものやつトールサイズで一つお願いします」  僕は新しいバリスタの女の子に親しげに話しかけてみた。 「いつものですね。今日も一日がんばってくださいね」  新しい彼女は優しい笑顔で僕にそう言って、いつものコーヒーを差し出してくれた。  ずっとこの店でおいしいコーヒーが飲めそうだ。 ーー完ーー

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 第三作「いつものコーヒーショップの可愛い子」はこれで完結です。 次ページからは別の作品となります。

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