NEXCL 国際勇者試験奮闘記

問2

 問2 適切な回答を行え。  ある平和指導者がいました。  その人物は平和を齎す為に企業や組織に対して平和を訴える活動をしました。  平和指導者はそうやって、平和を広めましたが彼女は最終的に失敗し世界を混沌に包みました。  この中の行動で彼女の不適切な行動を記述せよ。 「この問題は第1問目がヒントになっている。よって10分以内に記述する様に!では、始め!」  勇者達は目の前のタッチパネルに記述を書こうとしたが全く筆を動かなかった。  まず、1つ問題文の情報が少な過ぎる。  物語が簡易的過ぎていくらでも回答に冗長性があり何を答えて良いか分からない。  ここでヒントになるのは第1問目の回答だ。  さっきも問題は小さな事への忠実さをテーマにしていた。  つまり、第2問目はそれに関係する答えと言う事だ。  だから、何人かの勇者が「企業からではなく身近なボランティアからするべきだった」と答えた。 「はい。終了。それでは例題となる模範回答を公開する。答えはこれだ」  モニターにはこう記されていた。  平和指導者は世界と言う大きなところを変えるばかりに固執して自分を変える事を一切しなかった。  世界は変わる、変えられると子供のような厨二病臭い幻想に自惚れ世を惑わせた。  と書かれていた。 (((妙に具体的過ぎるだろう!)))  勇者達の心の中がハモった。  実際、模範回答通りに答えないと正解では無い!と言う事もないと麗華は答えたのでこれと言った反論はなく一部の物は半分正解ぐらいの5点を貰った。  何故、半分正解なのかと言えば、この問題の本質は何かを為すために”自己犠牲”が出来るか?出来ないか?の本質を問う問題だと麗華は説明した。  自己犠牲できる者は世界や企業と言った大きなところよりもまずは”自分を変える“と言う自己犠牲の精神に自然と行動が集約される。  そして、世界の変革や他人の変わる事を強要するような思考はテロリストと大した差がなく仮にも正義と愛の戦士を語る勇者の品性の本質がそれを目指してはならない。  これに根差す物は運命と言う名の因果量子力学的に模範回答から離れる傾向があると説明された。  麗華が一部の者に5点を与えたのは「本質を得ている訳ではないが、ボランティアと言う自己犠牲を行い、自らを変えると言う行動もまた、間違っていないから」と回答した。  5点を貰った勇者達は「まぁ、そうかもしれない」程度に麗華の言う事を得心した。  だが、麗華の問題に意を唱える者もいた。 「ふざけるな!人の正義がこんな紙ペラ1つで測れるわけがないだろう!こんな事をオレは認めない!」  ヘルメットを被った勇者が大きな怒鳴り声を上げながら席を立ち上がった。  彼の心情からすればこんな薄っぺらい紙1つで自分の正義を測りにかけられているのが癪に障ると言ったところだ。 「馬鹿かお前は!」 「なんだと!」 「お前が認めようが認めまいがそんな事はただの感情論に過ぎん。第1、お前の発言そのものが矛盾している」 「矛盾だと!」 「お前の世界の警察官は一体、どうやって決めている?」 「そ、それは然るべき機関で選定して、テストをして……」 「そうだ。なら、何故、お前はわたしに逆らう?わたし達ABは国連に認可された然るべき機関だぞ?お前は試験官が用意した問題が気に入らない度にいちいち文句をつけるのか?“勇者”と言う者は例外的で警察の様にライセンスが要らないとでも言いたいのか?お前達は元の世界で然るべき武力を行使してその責任を背負っている。ならば、その責任を背負える資格として国際免許を持つのが道理だろう?なので、何故お前は試験官であるわたしに口答えする?」  さきほどの様にチョークによる暴力では打って出なかったが麗華は静かに激怒しているとヘルメット勇者は理解した。  何せ、麗華が言っている事は「ひどく真っ当過ぎる」からだ。  漢字検定を受ける人間が試験を開始してから「この問題が難しすぎる!こんなモノは試験として認めない!」と言う人間がいるだろうか?  かなり特殊な人間でもない限り常識人はしない。  つまり、ヘルメット勇者は麗華の前でその特殊な事をしたのだ。    試験官に逆らうと言うのは試験の秩序を乱していると見なしても良い。  それを普通の人間がするだろうか?  良識を持っている人間がするだろうか?  否、しない。    そう言った人間がキチ〇イと呼ばれ、異常者やサイコパスと見做され、合格させて貰えない可能性が高い。  況して、武力を行使する警察組織や軍で性格破綻者に人の生殺与奪を握るかも知れない権利を与えたりしない。  それに異を唱えるのはテロリストと呼ばれる人間だけだ。  そして、世界における勇者とはそのような「異常者」がなる事が多い。  顕在的には善人のようで潜在的には良識を弁えないその行動そのものが本能的にかつ無意識に犯罪思考に奔り、その影響を周囲にもばら撒き緩慢化され、犯行の発覚をできる限り抑え、周囲の人間を煽てマシンに成り下がらせ、気づいた時には壊滅的な被害を出す。  それが世界における「勇者」と言う者の在り方だ。  少なくともヘルメット勇者も麗華に指摘されるまでその異常性に気付かないほどにはその精神はかなり歪なモノとなっていた。 「他に何かあるか?なければこのまま第3問目に入る」  麗華はタッチパネルに次の問題を表示した。

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