キンタマップラー不具利

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キンタマを笑うやつはキンタマに泣く

 ここは東京の、東京ドーム一個分の大きさの東京ドーム。  その地下72m先の場所には、知る人ぞ知る、闇闘技場があった……!! 「宣言します!!」 「金玉とは……臓器なのです!! 母体にいる時は体の中に存在し、成長する時には既に体外へ。しかし、それが失態。人間形成の大いなる失態!!! 心臓に、胃に、肝臓に、大腸に、肺は、守られている。骨に、筋肉に、脂肪に!! だが、金玉には種族維持の為に託された偉大な責務、精子製造!! その為に、冷却せねばならない。どれだけ弱くとも、どれだけ危険であろうと。仮に……心臓が金玉の位置にあったならば……!」  会場にいる男が皆唾を飲む。  想像してしまう。  そして、確認してしまう。  自らの金玉の安否を!! 「しかし!! 男らは戦う!!弱点を打たれ、絶望に、悲壮感に駈られようと、男らは、自らの金玉を差し出し、金を掴むため、金玉をしばき合う……」 「ここに!! 金玉しばき合い対決決勝戦の開催を宣言する!!」 ~決勝戦~ 「で、出たああああああこの大会始まって以来の最強の金玉砕き!!」 「彼の拳は金玉を砕く為に握られている!!」 「彼のせいで男を辞めた者は数知れず!!」 「金玉を砕く為ならば、勝利を手にする為ならば、明日など要らぬ!!」 「カナダのナッツクラッシャー!!」 「ジョン・コウガー!!!!」  現れたのは、身長二メートルはあるかという程の巨体。  ローブを着ているが、その隙間から見える四肢は、硬!!  隆起する崖のような筋肉は、その力を示している!!  しかし、その顔はそれに奢らず、冷静に、対戦相手を見つめている。 「だがしかし!!」 「ジョン・コウガーは知らない!!」 「金玉を砕かれる痛みを!!」 「っは、馬鹿が」  ジョン・コウガーが小さく呟く。 「だからこそ、俺が分からせる!!」 「俺が潰す!!」 「その若き闘志は金玉を目指して突き刺さる!!」 「そいつの名前は……硬我(コウガ) 布久利(フグリ)ィィイイイイイイイイ!!」  歓声に包まれる。  若干二十歳とは思えぬ程に鍛え上げられた筋肉はジョン・コウガーにも引けを取らぬ程であった。 「フグリよ。先に言わないといけぬ事がある」 「俺は、お前の兄だ!!」  バッとローブを脱ぎ捨て、履いていたパンツに書かれていた文字は、くっきり『硬我』と書かれていた!!  なんと!! ジョン・コウガーは、ジョン・硬我だったのだ!! 「ウルセェ!!」 「な、なんとー!! あのフグリが不意打ちだァアアアアアア!! 同じ金玉から生まれた兄弟の感動の再開を無視し!! 金玉アッパーを開戦のゴングとしたあああああああああ!!」  が、ジョン・コウガーは倒れていない!! 「っへ、効かないネェ」 「な、なにぃ?!」 「く、くそぅ!! 砕けても知らねぇぞぉ!!」 「で、で、で出たああああああああああああ!! 布久利の裏回し蹴り!! これは痛い!! 我々男性も見るだけで倒れてしまいそうです!!」  しかしッッ!! 「たった、たったそれだけかい?」 「つ、つよおおおおおおい!! ジョン・コウガー選手!! 一切効いていないです!!」 「過去六十七回!! どんな強敵の拳を受けても砕かれなかった、ジョン・コウガー選手の金玉!! 彼は金玉も鍛えているのかぁああああ?!?!」 「っへ!! この世に金的が効かねぇ男はいねぇ!!」 「金玉を鷲掴み!! これではどれだけ頑丈な金玉も潰れてしまう!! 万事休すか!!!!」  この時、布久利は知った。  ジョン・コウガーの決意、そしてジョン・コウガーの強さの理由、そして、起死回生の可能性の無さを。 「金玉が……タマがねぇ!!!!」 「な、なななななんとォオオオオオ!! 金玉がない!!掟やぶりの超裏技!! 金玉しばき合い対決において金玉がない?! そんな事ありえるのか?!」 「説明しましょう!! 金玉しばき合い対決は金玉以外のあらゆる攻撃を禁止とする対決!!」 「しかし、金玉がない?! これでは必ず負けない!! しかしッこれが分かった今!! 戦う意味はあるのかぁあああ?!」 「そう、お前は戦えない。ただただ、金玉を砕かれるのみなのだ」  ジョン・コウガーが悪魔的な笑みで、布久利の、金玉を……蹴りあげた!! 「ーーーーーーッッッ!!!」  言葉に出来ないーーーーッッ!!  金玉の痛みは言葉にならない、言うなれば、絶望。  ただただ謝る他ない。  無意味に、無対象に!! 「明日を生きる為の金玉を取っておくからだ。その余分な金玉のせいで、明日を生きる活力を無くす。なんと愚かな」 「う、う、ウルセェ!!」 「で、出たああああああああああ!! 布久利選手の金玉ラッシュ!! 殴る蹴るの金玉へのラッシュ!! しかしジョン・コウガー選手には金玉がない!! これでは袋を殴っているだけだああああああ」 「馬鹿が、ヤキが回ったか」 しかし、フグリは止まらない!! 「速い速い!! 止まらぬラッシュがジョン・コウガー選手の金玉袋を襲う!! しかし布久利選手!! ジョン・コウガー選手の金玉袋には金玉が入ってないぞおおおおお!!」 「うおおおおおおおおおおお」  その瞬間!!  不思議な事が起こった!! 「ッッッ!!!」 「おおっとジョン・コウガー選手エスケープ!!」  咄嗟に距離を取ったジョン・コウガー選手、顔を歪めながら、恐る恐る自分の金玉袋を触る。 「あ、あル!?!?」 「き、金玉の復活だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」  会場は喝采を極めていた。  観客はジョン・コウガーの金玉の復活に声を上げずにはいられなかったのだ。 「な、なぜダ?! 俺の金玉?! 取った筈だゾ?! ───!! まさか?!」 「っふ、そのまさかだぜ!!」 「ま、まさかまさかのあれの事なのかぁああああああああ?!?!」 「っふ……あれなら仕方がない。いくゾ!!!」  ジョン・コウガーが、再び布久利の金玉を蹴りあげる。  しかし、先ほどくらった時より、布久利は余裕の表情を見せていた。 「な、なゼ効かない?! なゼ笑っていられル?!?!」 「さっきまでのアンタは、金玉がない分振り上げる時の障害が無かった。だからこそ素早く、かつ鋭い金蹴りを放てた、だが今は金玉がある!! 僅か数cmの金玉に邪魔され、アンタの蹴りは死んだ!!」 「金玉を殺した男の蹴りは、金玉により殺されたああああああ!!!」 「金玉に死ねぇええええええええええええ!!!!!」 「あ、あれは?! 金玉に対する深い慈しみと、尊敬、そして感謝による最大級の表現であり、絶対的な金玉悪を許さぬ制裁の技!!!」 布久利は、ジョン・コウガーの金玉に、手を、合わせた。 「釈迦金玉!!!!」 「───ァ────!!!!」 「金玉がお釈迦になったァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」 「ジョン・コウガー選手金玉クラッシュ!!」 「硬我 布久利選手の勝利!!」 「金玉しばき合い対決!! 優勝者は!! 硬我 布久利選手だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 「優勝者には参加賞の給料二ヶ月分と純金玉が授与されます!!」 「これにて金玉しばき合い対決を終了致します!!皆さまありがとうございました!!」 「ジョン・コウガーが倒されたか」 「奴は金玉四天王の中でも最弱ッッッ」 「硬我 布久利……覚えたぞ」 「次会う時まで金玉のシワでも数えておくんだな!!!!」 to be cintamaed……

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