最強勇者の夫~陰であなたを支えます。

読了目安時間:3分

再びトーレムグレイグ

LV26 モンスター襲来その2

ごま粒程の大きさに見えていたモンスターの群れが 徐々に肉眼で確認できるほどの大きさになってきた。 街に近付きつつあるモンスター達を前に 出入り口を固める男達に緊張が走る。 モンスターはフミヤが守る北門の方へ 向かってきている。 初めて()()()()モンスターと戦闘になるフミヤも 他の者達と同様に緊張していた。 『・・力が欲しいか?』 どこかで聞いた事のあるようなセリフで フミヤの頭の中に何かが語り掛ける。 『我はアレース・・・力が欲しいか?』 *フミヤは無視した。 『(なんじ)が求めるなら 力を与えよう。』 *フミヤは無視している。 『おい、コラ フミヤ。無視するんじゃねえよ。』 精神体のアレースがフミヤの前に現れる。 もちろん 他の者には見えていない。 フミヤはアレースの申し出を邪険な態度でつき返す。 「今、忙しんで後にしてもらえます?」 *フミヤはイラついている。 『おいおい、このままでは 街はモンスターにやられるぞ。 おまえが力を求めれば この街を守れるんだぞ。』 *フミヤは悩んでいる。 (うーん、でもこいつらに借りを作りたくないな・・・) そうこうしている内に モンスター達はすぐそこまで来ている。 このままでは 城からの軍隊が到着する前に モンスターが街に入ってきてしまうだろう。 フミヤには決断の時が迫ってきていた。 『フミヤ、同意しろ。力を授けるには同意と同意が必要なんだ。』 『早くしろ、手遅れになるぞ。』 「あああ もう わかったよ!好きにしろよ。」 フミヤはついに決心した。 が、その時は遅く モンスターが次々と街へなだれ込んでくる。 ビギギギ・・・ 「ギャー。」 「グオー。」 「オオオオオ。」 「キーーー。」 門をくぐり抜けようとするモンスター達が、 何故か悲鳴や雄叫びを上げ 次々と消滅していく。 門の前を守る男達は 何が起きているかわからず ただ立ち尽くす。 *フミヤの口はポカーンと開いている。 *アレースの口もポカーンと開いている。 フミヤがアレースに問いかける。 「お前がやったの?」 『いや、まだ何も・・・。』 *アレースは驚き戸惑っている。 モンスター達は 構わず街に押しかけてくるが、 どのモンスターも門をくぐると (ちり)となり 跡形もなく消滅していく。 「ヴィオラだ。」 ヴィオラは遠征前に万が一に備え、勇者パーティーの力を借り 街全体に強力な結界を張っていたのだ。 魔物の瘴気(しょうき)に反応するように作られた結界は 一般人の生活に配慮され 熟練者にしか見えないように密かに 設けられていた。 結界に触れたモンスター達は 強力な浄化作用により 次々と消滅していく。 城の軍隊が到着する頃には ほぼ全てのモンスター達は いなくなっており 残るは実力不足の弱小モンスターだけに なっていた。 後から到着した軍隊は残りのモンスターを討伐すると 何か物足りなさそうに帰っていった。 「一件落着だな。」 街の人達も安堵の表情を浮かべ喜んでいた。 フミヤはそっと胸を撫で下ろし アレースに一言。 「もう大丈夫なんで帰ってもらえます?」 『いや、おまえ同意しただろ。』 アレースは咄嗟に切り返すが、フミヤも負けじと 反論する。 「だって結局、おまえ役に立ってないじゃん。」 『あああ こいつ殴りたい。』 *アレースはイラついている。 『おまえ、今度は人間体で来て 必ず殴ってやるからな。』 そう捨て台詞を吐くと フミヤの前から消えて行った。   *フミヤは荒ぶる(アレース)の加護を受けた。 *フミヤは狂乱の戦神LV1のスキルを習得した。

コメント

もっと見る

コメント投稿

スタンプ投稿


同じジャンルの新着・更新作品

もっと見る

  • 異世界SNS

    魔王や勇者たち異世界住人のつぶやき

    1,133,126

    16,045


    2021年6月25日更新

    異世界SNSを運営しているイセッター社から正式に許可を得た上で掲載しております。 『やっと買ったマイホームの半分だけ異世界に転移してしまった』 https://novelup.plus/story/964939104 ※『異世界SNS』は他サイトにも掲載しています。

    読了目安時間:36時間43分

    この作品を読む

  • 異世界で踏み出す新たな一歩

    逃げる事から逃げる強さを胸に踏み出せ一歩

    1,800

    0


    2021年6月25日更新

    「大丈夫、もう大丈夫だよ」 穏やかな口調で放たれた言葉で、翔吾は目を覚ます。 辺りを見渡すと、怪鳥が飛び交う青空の下、シズクと名乗る赤髪の女の膝の上にいた。 シズクとの出会いもつかぬ間、元いた世界とは違う世界に来た事を察する翔吾だが、気付けば盗賊達に囲まれている。苦戦する中、翔吾達を救ったのはたった一匹の狼だった――。 「良き戦いぶりじゃったぞ! お主が気に入った! 我と契約せぬか?」 その言葉は唐突で、でも魅力的で。 十九歳、大人でも子供でもない歳。己の弱さと向き合い強くなる事を決意する翔吾。様々な出会いを果たし、新たな世界で成長を遂げろ!

    • 暴力描写あり
    • 性的表現あり

    読了目安時間:2時間20分

    この作品を読む

読者のおすすめ作品

もっと見る

  • 金貨使いの怪人<ファントム>

    かつて英雄と持て囃された男の復讐劇

    33,950

    273


    2021年6月19日更新

    超巨大ダンジョン都市アルカディア。七つのダンジョンが都市の中に存在し、冒険者達の黄金郷と呼ばれるこの地で、莫大な借金返済を果たす為、出稼ぎ目的で神(やくざ)に拉致られた一人の日本人が紆余曲折を経て長い眠りから目覚める。かつて金貨使いの怪人と呼ばれ英雄と持て囃されたその男は再びダンジョンに挑む事になる。裏切った仲間とダンジョンを支配する神々に復讐する為、呪われた金貨の力を使って。

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり

    読了目安時間:1時間22分

    この作品を読む

  • 燃えよカイエン ~野生な精霊拳士の珍道中~

    拳法×精霊+もふもふで贈る冒険アクション

    6,100

    205


    2020年4月11日更新

    【全104話 完結】 精霊紋章、略して霊紋。 霊紋を持つ者は、超人と呼ぶに相応しい身体能力と異能を併せ持つ。 中原の覇者であるロザン皇国は東都イタミに、ある日ふらりと一人の少年が姿を現す。 カイエンと名乗るその野生児は、常識がなく、金の持ち合わせもなく、しかし霊紋を持っていた。 イタミに到着するなり巻き込まれた陰謀劇をはじめとして、カイエンの行く手には一騎当千の強者が次から次へと立ちふさがる。 果たしてカイエンは強敵との戦いに打ち勝ち、ひと癖もふた癖もある仲間と共に『世界を見て回る』旅を貫くことができるのだろうか。 「目と耳と鼻と口しかない奴は、どうにも見分けがつき難くてなぁ」 「大抵の人間はそれだけあれば十分よ」 「いや、でも、牙も爪も角も尻尾も無いんだぜ」 「その要素に期待するのは金輪際諦めた方がいいわね」 これは、精霊を宿した野生児が巻き起こす、壮大(になるかもしれない)拳法ファンタジーである。 (「小説家になろう」でも投稿しています)

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり

    読了目安時間:20時間50分

    この作品を読む