<Infinite Dendrogram>~砂漠の流星~

読了目安時間:12分

「やったか!?」と思わず口にするアレ

 流砂の周囲を旋回しながら攻撃の機を窺うレプンカムイに、砂岩の砲弾が襲い掛かる。  純竜級モンスター【サンドホール・ワーム】による攻撃だ。  どうやら、先ほどのピンポンダッシュ(突撃&即離脱)で臨戦態勢に入ったらしい。 『GYUAAAAAA――――ッ!!』  砂の流れる斜面に撃ち込まれた砲弾が、お構いなしに地中を突き進み、地上、そして空へと突き抜けていく。  その様は、純竜クラスの攻撃に相応しい威力を示していた。 『――――っ』  レプンカムイからすれば、地中からいきなり砲弾が飛んでくるようなものだ。  今のところ、その速度ゆえに捉えられていないが、いずれは軌道を読まれて撃ち抜かれるだろう。 「大丈夫か?」 『ええ。でも、こっちから攻撃するのはちょっと難しいかも』  流砂から距離を取って様子を観察していたヴェロスは、その返答に「だろうな」とうなずいた。  レプンカムイ翠風魔粧(エアロメイク)の攻撃方法は主に二つだ。  一つは、風の渦をまとっての突進。  硬い鼻先を衝角とし、尾びれの推進器による加速によって、全長一五メテルの船体を亜音速から超音速で叩き込む突撃だ。  単純な質量攻撃ではなく、身に纏った風の渦によって標的を切り刻みながら破砕する凶悪性を持つ。  もう一つは、咆吼による砲撃。  その顎門(アギト)から放たれる超音域の振動波は、一〇〇〇メテル先まで届く不可視の牙だ。  遮蔽、防御貫通効果を持っており、高防御力の相手にこそ真価を発揮する。  どちらも標的の向こう側にいる者まで巻き添えにする恐れがあるが、そこは海の殺し屋(シャチ)らしい獰猛さと目を瞑る。  問題は―― (下方への対応力が低い)  その辺りは、やはり船でもあるということだろうか。  地表から一メテルほどを浮遊航行するレプンカムイは、実は上下方向の動きに対応するのが苦手だ。  推力に任せたジャンプと滞空中の姿勢制御を駆使して、ちょっとした対空攻撃くらいは出来るらしい。が、地中を潜行するような手合いまではフォローしていない。  その気になれば、風の渦でドリルのように地面を掘り進むことも出来そうだが、地中で強化が解けようものなら悲惨な未来が待っている。 「機動力は凄いんだけど」  砲弾を船体側面の補助推進器(スラスター)を噴かしてスライド回避したレプンカムイ。  その機動に、ヴェロスは感嘆の息をこぼすが、攻撃となれば話は別だ。砂の中に引っ込まれるだけで、突撃は躱されるだろう。  ゆえに、採るべき攻撃方法は、砲撃となるわけだが。 (……こちらも進行方向にしか撃てない、と)  打ち合わせの際に認識していたことだが、絶妙に使い勝手が悪い。ヴェロスは生ぬるい笑みを浮かべた。  レプンカムイが砂中に潜む標的を狙うためには、斜面を下るか、空中に飛び上がって船首――砲身を下に向ける必要がある。  ただし、後者はもちろん、前者についても照準に使える時間は短い。  つまり、難易度が高いのだ。 (最悪の場合、斜面に停泊した状態で砲撃を放つという方法もあるが)  そんなことをすれば良い的だ。  何より格好悪い。  そんなこんなで話し合った結果、選択されたのはジャンプ中の砲撃だった。  ――わざわざ難易度を上げて、馬鹿じゃないのか。  そんな自覚がある。  ただ、ヴェロスはそれで良いと胸を張る。倒し方にこだわって何が悪い。  彼はいわゆる遊戯派だ。  この<Infinite Dendrogram>をあくまでゲームとして捉え、楽しむためにログインする<マスター>(プレイヤー)である。  だからこそ、こだわりを持つことを良しとするし、それでしくじるならソレはソレというスタンスだ。   「だからって、しくじるつもりはないが」 『ヴェロス?』 「何でもない。これから攻撃を三回試すから、ジャンプしないようにしてくれ」  告げて、ヴェロスは矢を手に取った。  脳裏で囁く面白みのない倒し方(勝てば良かろう戦術)を振り払い、静かに弓を引き絞る。  レプンカムイが万全の形で砲撃を放てるよう、そのフォローを行うのが自分の仕事だ。 「標的を確認」  【弓聖】スキル《アロー・インサイト》によって、射線と同化したヴェロスの視線が、流砂の底にいる【サンドホール・ワーム】を捉える。  アリジゴクによく似たその怪物は、砂から砲弾を成形し、自身の周囲に滞空させていた。 (アレをどうにかするのが、俺の役割だな)  レプンカムイを巻き込むため、《アロー・マルチプライ》による弾幕を防御とすることは出来ない。  ではどうするのか。 「――――」  するりと、ヴェロスの指先から矢が離れる。  弦音が響いた。  放たれた矢は、レプンカムイの頭上を越えて、さらに飛距離を伸ばす。 『飛び越――』  流砂の上空を、勢いを全く衰えさせることなく貫く鋼矢。  それを見たステラの呟きどおり、このままでは流砂を飛び越えてしまうだろう。  だが。 『――え!?』  唐突に、矢の軌道が急角度に折れ曲がった。  失速したわけでもないのに、ほぼ直角に近い角度で進路を下に変える。  ――【剛弓手】のスキル《フォールド・ショット》。  その効果は、弓手系スキルに比較的多い“射線制御”となる。  『一秒後、方位角:0、仰俯角:-90』といった様に射撃前に設定することで、矢の速度を保ったまま、その軌道を折り曲げるというものだ。 『GYUAッ!?』  鋼の鏃が【サンドホール・ワーム】を直上から狙い撃つ。  すり鉢状の流砂を作り出し、そこの主として君臨する標的まで、残り三〇メテル。 (コンマ二秒もあれば命中する、が)  第二矢を番えて《アロー・インサイト》を再使用していたヴェロスは、見届けた結果に微苦笑をこぼした。  ――矢は砲弾に迎撃され、粉々に砕かれていた。  不意を突いてこれだ。  呆れるほどの照準速度と精度である。 「まあ、純竜クラスなら、これくらいはやるか」    ヴェロスは、めげることなく第二射、第三射を放つ。  どちらも《フォールド・ショット》を乗せての射撃だ。  二射目。矢の速度を抑え、軌道変更も先ほどより手前で生じさせる。  三射目。再び【サンドホール・ワーム】を直上から狙う。  コンマ秒単位での連射。  異なる軌道を描き、しかし同時に到達するよう調整された二矢が、純竜級モンスターの迎撃網に挑む。  そして。 「うん。まあ、そうだよな」  結果は、惨敗だった。  四射目を構えたまま、ヴェロスはうなずいた。 「でも、残り一〇メテルくらいまでは迫れるか。初速を上げれば、もうちょっと――」  《フォールド・ショット》は、三射で一セットだ。  そのおかげで、クールタイム(再使用制限時間)を後回しに出来るのだが、当然そのツケから逃れることはできない。  武器職のスキルにしては長めの待機時間を利用して、ヴェロスは矢の交換を始めた。  アイテムボックスから矢筒ごと引っ張り出して、装備を変える。 「ステラ」 『はい』  答える声に弱気は感じられない。  良いことだとうなずきながら、ヴェロスは新しい矢を手に取った。  先ほどのものよりも少し重たい。  原因は、鏃の根本に取り付けられた【ジェム】の存在だ。  魔法が封入された、この仕掛け矢の核となる部分。それが、陽光を受けて艶やかに煌めいた。 「――打ち合わせどおり、迎撃については俺が何とかする」  クールタイム(再使用制限時間)終了。  【爆雷の矢】、【爆裂の矢】と同じ――ただし、値段は桁違いな魔法の矢(とっておき)【紅珠の矢】を弓に番える。 「そっちの準備ができたら、始めよう」 『うん。わたしたちも、いつでも大丈夫』 「それじゃ、カウントを始めるぞ。…………五、四」  三。  《アロー・インサイト》発動。  弓を引き絞り、視界に捉えた【サンドホール・ワーム】を睨む。  レプンカムイの周回速度が上がった。  二。  脳裏で《フォールド・ショット》の設定を再吟味。問題なし。  レプンカムイが、水晶で出来た胸ビレを広げる。  一。  こちらの動きを気取ったらしい。  【サンドホール・ワーム】が砲弾を増やし、警戒の姿勢を見せる。  ――ゼロ。  レプンカムイが跳躍した。  同時にヴェロスも矢を放つ。ひと息で三射、真っ直ぐに前へと矢が飛んだ。  推力に物を言わせて、流砂の上空へと飛び上がるレプンカムイ。  その下方を、亜音速で三矢が通過する。 『《エメラルド・バースト》!!』  通信機越しに、ステラの意気が伝わってくる。  現状、彼女が用意できる最強の魔法。それを取り込んで、彼女の<エンブリオ>を彩る翠の文様(エアロメイク)が、一際輝きを強めた。  二〇メテルを優に超える高さにあって、白と翠の船体が身を躍らせる。 『GYUAAAAA――ッ!!』  流砂の主が声を上げた。  頭上を舞うシャチを狙って照準――そこに、ヴェロスの三矢が襲い掛かった。  二つは、微妙にタイミングをズラしながら直上で、残る一つは流砂の外縁で、それぞれが射線を折り曲げて標的を狙い撃つ。  それでも、【サンドホール・ワーム】は反応できる。  反応できてしまった。  邪魔をするなと迎え撃った砲弾が、目前に迫った矢を打ち砕き―― 『GYUAAAA――ッ!?』  ――辺りを真紅に染めた閃光に、悲鳴を上げた。  音はなく、爆発もない。  ただ紅い光と焦熱が、周囲の空間を飲み込んで球状に広がっていく。  《クリムゾン・スフィア》  【紅蓮術師】の行使する最大魔法。  【ジェム】に封入されていたそれが、頭上で二つ、側面で一つ――打ち砕かれた矢を核に破壊を示す。  直撃ではない。 「それでも、それなりには効くだろう?」  次の矢を番えながら、ヴェロスは笑った。  効かないと困る。何しろ自分の財布には大打撃だ。  最低でも行動の遅延くらいは引き起こしてくれないと、立つ瀬がない。 『――レプ君!!』  ステラの声に従って、レプンカムイが船首を下方に向けた。  位置的に、紅の光珠が遮蔽となっている。【サンドホール・ワーム】の姿を直接視認することは難しいだろう。  だが、問題はないはずだ。  【隠密】系統のスキルで隠れているわけでもない巨体を、レプンカムイは見失ったりしない。  顎門(アギト)が開かれる。  その前方に四連の光環が出現――仮想の砲身が形成された。  互い違いに緩やかに回転する光環。翠の輝きが急速に高まって―― 『――《翠魔咆撃(エメラルド・ハウル)》!!』  紅の光珠を貫くように――否、その熱量さえも飲み込んで、対象を破砕する高速振動波を下方に叩き込んだ。 「や……」  思わず「やったか!?」と呟きかけて、ヴェロスは言葉を飲み込んだ。  ここで失敗フラグを立てるわけにはいかない。  固唾を呑んで、結果を見守る。  紅の光はすでに消えている。  《翠魔咆撃(エメラルド・ハウル)》の影響で舞い上がっていた砂塵も薄れ―― 『――――GYUAAA……』  果たして、【サンドホール・ワーム】は生き残っていた。  大顎は、その片方が折れて失われ、全身を鎧う甲殻は至る所に亀裂が走っている。その裂け目からは、ジクジクと体液がこぼれ落ちていた。  砲撃にまとめて破砕されたのだろう。周囲に展開していた砲弾は、ひとつも残っていない。 『GYUAAAAA――ッ!!』  満身創痍と言って良い姿だ。  それでも――《クリムゾン・スフィア》数発分に相当する威力の砲撃を受けながら、流砂の主は高らかに声を上げて見せた。  頭上で無防備な姿を見せるレプンカムイへと、その視線を向ける。  周囲の砂が持ち上がって圧縮される。砲弾が成形された。 (惜しかったな)  未だ戦意を失っていない怪物と、それに全力で挑んだステラたち。  両者に賞賛の念を贈りながら、ヴェロスは弓を引き絞り―― 『まだ!』  いきなり標的を見失って、動きを止めた。  《アロー・インサイト》は、弓と矢、そして使用を想定したスキルを踏まえて射線をシミュレートし、それに己の視線を同化させるスキルだ。  矢が届くのであれば、地平の彼方だって視認することが出来るし、曲射軌道ならば遮蔽の向こうにいる者を上から捉えることが出来る。 (射線を――)  だから、ヴェロスの位置からでは、本来視認出来ないはずの流砂の底――【サンドホール・ワーム】の姿を捉えることができるわけだが、射線を途中で遮られればその限りではない。  視界を――射線を塞いだレプンカムイの姿に、ヴェロスは息を飲み。 「はは――」  思わず笑って弓を下ろした。  視界が本来のものに戻り、遠く、空中にあるその姿を見つめる。  砲撃後、弱まっていた翠の文様(エアロメイク)が、再び輝きを取り戻していた。 (【ジェム】か)  《エメラルド・バースト》の再使用にはチャージ時間が足りない。  魔法拡張スキルを使った様子もない。  おそらくは、【ジェム-エメラルド・バースト】を用いての再装填だろうとヴェロスは見て取った。  しかし。 (……砲撃のクールタイム(再使用制限時間)までなくなるわけじゃない)  ならばどうするのか。  ステラの邪魔をしないよう、黙したまま見守る。  その視線の先で、レプンカムイが形を変えた。  水晶で出来た胸ビレが、船体に貼り付くように折り畳まれる。  船体の後ろ半分が上下に割れるように展開し、推進器(ブースター)が剥き出しとなった。  船体各部で、給気口が開き、補助推進器(スラスター)が一斉に姿を現す。  ――風が渦を巻いて、船体を包み込んだ。 『GYUAAA――――ッ!!』  受けて立つと、満身創痍の【サンドホール・ワーム】が吠える。  砂岩の砲弾を一斉に放った後、片方だけの大顎で突き上げんとし―― 『《翠魔衝撃(エメラルド・ストライク)》!!』  ――ステラとレプンカムイは、その全てを打ち砕いて見せた。 ◇  カタル村の住人たちが恐れた大流砂も、主がいなくなればただの窪地だ。  とはいえ、その深さは三〇メテルを超える。  斜面とはいえ、縁に立つと結構怖い。 「無茶をしたな」  斜面を登ってくるレプンカムイの姿を見下ろして、ヴェロスは苦笑交じりに呟いた。  真正面から純竜クラスを打倒した機械のシャチは、わりとボロボロだった。  最後の突撃の反動をもろに受けたのか、船体各部の装甲がひび割れている。心なしか、背ビレも歪んでいる気がした。  満身創痍。  それでも、何だか誇らしげだと感じるのは、それを見るヴェロスの心情のせいだけではあるまい。 (いいものを見せて貰った)  燃え的な意味でも。ネタ的な意味でも。  頭から地面に突き刺さったシャチを見て、思わず噴き出したのは内緒だ。  バレたら、きっと轢き殺されるだろう。 「大丈夫か?」 『うん。しばらくは砲撃も突撃も出来ないけど、でも大丈夫』  答えるステラの声も明るい。  ヴェロスは、ほっと息をついた。 (――これで、村に戻って報告すればクエスト達成か)  心地良い達成感に、ヴェロスは笑って青空を仰ぐ。  油断したと言われればそうなのだろう。  とはいえ、この状況で、これが難易度:八のクエストであることを失念したのは、果たして失態と言えるのだろうか。  何にせよ、そのツケは―― 「は?」 『え?』  ――突然、足元が崩れた。  それに対するヴェロスの反応は、致命的に遅い。  【サンドホール・ワーム】が遺したすり鉢状の穴。それを丸ごと飲み込んで、より巨大な流砂を形成する砂の渦。  それに、為す術なく飲み込まれた。 「…………っ!?」  流されながら、ヴェロスは見た。  急激に深く、巨大になっていく穴の底。  そこから、ムカデに似た体躯の巨大甲蟲が顔を出したのを。 「はあ!?」  純竜級モンスター【ドラグワーム】に似た、しかし二回りは大きな巨体。  それを見て、ヴェロスは思わず罵声を飛ばした。 「ふっざけんな!!」 『GIEEAAAAAA――――ッ!!』  甲高い甲蟲の咆吼が、砂漠に響き渡った。

2話目で出したスキル名を以下のとおり修正しています。 《アローアイ》→《アロー・インサイト》

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  • クトゥルフ

    松脂松明

    ♡1,000pt 2020年2月7日 8時16分

    ピンポンダッシュのセンスに脱帽 私だったら普通のヒットアンドアウェイとかになってしまいます 応援です

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    松脂松明

    2020年2月7日 8時16分

    クトゥルフ
  • 真田幸村

    鉢棲金魚

    2020年2月7日 19時07分

    ありがとうございます。よく考えるとヒットしてないよなと、こうなりました。やってることは他人のお家に突然飛び込んで、庭で奇声を上げながら走り回り、そのまま立ち去っていくようなものなので、ピンポンダッシュより酷い気がします。

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    鉢棲金魚

    2020年2月7日 19時07分

    真田幸村
  • カレーうどん

    九十九清輔

    ♡500pt 2021年2月12日 20時02分

    これだけ頑張って策を重ねたのにすぐに新手がやって来てしまうという、これが難易度八という事なのか、制作陣にずるい奴がいる>< そしてヴェロスとステラは無傷だけれど、傷だらけのレプンカムイくんはこの攻撃を避けられるのか、どうなるのか、また読みに来ます!><

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    九十九清輔

    2021年2月12日 20時02分

    カレーうどん
  • 真田幸村

    鉢棲金魚

    2021年2月13日 19時00分

    ありがとうございます。実のところ、ごり押し戦法を取れば、ヴェロス一人でノーダメ勝利を狙える相手だったため、難易度八にしては敵が弱すぎる…ということを、ヴェロスは警戒しておくべきだったのですが、「勝った!第3部完!」とその辺のことをスポーンと忘れてしまったようです。

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