Amazonギフトカードが当たる会員登録キャンペーン実施中!詳しくはこちら

ただ君だけを、守りたいと願う

読了目安時間:10分

3章 魔王について教えて

ばーーーーん。 勢いよく開かれたドア。 その向こうに。 「ばあば!お風呂あがったよー!」 元気に飛び出してきたイーラ。 ただ、ひとつ、問題があった。 ほかほかで。 これはよし。 うっすらと上気した頬の。 これもよし。 健康的な四肢(しし)を盛大に広げた。 元気に広げた。 何も身にまとっていない少女がそこに、いた。 3章 魔王について教えての挿絵1 「まぁイーラや!」 「…」 焦るエリスと何事かと振り返るヴェル。 「い!?なんで昼間のおじさんがいるのよ!ここ私の家よ!」 お昼にぶつかった大男。 イーラは瞳の色をくるくるさせて、ここ!と意思表示をする。 ばあばと私の大切な家。 「勝手に上がってすまぬ。謝ろう」 エリスに通されて入ったのにもかかわらず、ヴェルは謝罪を述べる。 温かな家庭に入り込んだことを。 「すみませんねぇ。お昼に続いてお見苦しいところを」 あらあら、とエリスがヴェルとイーラの間に割って入る。 「…ね、狙ったでしょう!この変態!」 驚いたイーラは近くにあった茶菓子箱を、このぉ!と勢いよく投げつける。 コントロールが悪いのか、ヴェルの反射神経が上回っていたのか、目一杯の力で投げた茶菓子箱は中身をポロポロと散らばせながら壁にコツンと当たる。 「こら、イーラや。お風呂場で服を着なさいといつも言っているでしょう」 イーラ、エリスに(みちび)かれお風呂場へと強制連行。 残されたヴェルは誰も聞こえなくとも。 「ふむ、すまぬ」 と謝って茶菓子箱を拾う作業にかかるのであった。 再び入室してきたイーラはすっかりパジャマに身を包み、違うものへと興味を注いでいた。 魔の者が今はまだ力なく横たわる、蘇生(そせい)魔法陣(まほうじん)。 先程より弱くではあるが薄く光を灯し、紋様はそのままに浮き出ている。 「ねえねえ、これおじちゃんがやったの?」 目をキラキラさせて聞くイーラ。 先程のことは忘れてしまったかのように。 「そうだ」 (つづ)られているのは難解な記号。 「すごい!ねえこれ、古代魔法なんでしょ!」 少しばかり驚いた表情を見せたあと、ヴェルは肯定する。 本で見たことがあった、イーラの知識。 意味は解らない。 今はなき(すた)れた文明の遺産。 これを一目で古代魔法と読み解くイーラから矢継(やつ)ぎ早に質問が飛ばされる。 「なんでおじちゃんはこんな凄いの知ってるの?」 「長生きしてるからな」 質問をしつつ、それでも視線は魔法陣に釘付けであった。 「そうなの?友達のパパと同じくらいなのに?」 「そうだ」 ヴェルのことを見てはいない。 興味は一点、この奇妙(きみょう)な文字列と陣。 「へぇー、変なのー」 感心しているのか、野次っているのか、言の葉はぼんやりと焦点を合わせていない。 陣の描かれたシーツをツンツンとつついてみるイーラに別の声がかかる。 「イーラや、そんなに騒いだら寝ている方が起きてしまうじゃないの」 エリスは騒ぐイーラに一声かけたあと、 ことり。 温かな湯気が立ち上るコーヒーをヴェルに勧める。 ちらりと見やるが、寝ている魔の者は目覚めた様子はないようだった。 テーブルにあるコーヒーの香りが部屋にいる者たちの鼻腔(びこう)をくすぐる。 温かいうちに私をおあがり、と。 ヴェルもその声に従い、軽く礼を言ってからカップを手にする。 「寝てるおじさんは魔族なの?」 躊躇(ちゅうちょ)ないイーラの問いに、こちらも躊躇(ためら)いなく応じる。 「そうだ」 ゆっくりとコーヒーを味わい、ヴェルはふっと息をつく。 「うむ、婦人よ。良き味である」 こうして温かな家庭に自分がいるのはいつぶりくらいだろうか。 ずっと、旅をしてきた。 色々なものを見てきた。 人が見れば頬が(ほころ)ぶものも、思わず目を背けたくなるものも。 いずれも、ヴェルには色褪せた思い出たち。 「私たちとそんなに変わらないのね」 魔族を見る目は、好奇か醜悪(しゅうあく)かのいずれかだった。 のに。 この少女も、婦人も、そのいずれとも違った。 少女に至っては、魔族よりも魔法陣の方が気になる様子で、シーツをつついたり、裾から裏を覗いてみたりしている。 「魔法陣ってこうなってるのね…」 「ふふ、お口に合いましたか」 柔らかく微笑みながら自分をエリスだと名乗った婦人は、ヴェルの向かいの椅子に腰を下ろす。 「ふむ、紹介がまだであったか。私はヴェルという」 コト。 カップをソーサーへともどしながら、つい、とイーラへと視線を向ける。 「こちらの子は…」 床に座ってシーツと好奇心とで(たわむ)れているイーラにエリスは、溜息を一つこぼす。 「イーラや、あなたも挨拶したらどうさね?」 「ん?」 視線、魔法陣から外れていないです。イーラさん。 「私はヴェルという」 「ふーん、ヴェルね。よろしく」 今度はシーツの臭いをかぎだす。 向き直ってのヴェルの自己紹介など上の空。 イーラの好奇心は止まらない。 魔法陣を見ながら、へー、ふえー、と観察を続けている。 どれくらい、シーツと格闘をしていただろうか。 止まらないイーラについにエリスから声がかかる。 「さてさて、イーラや。こんな時間だから、早くおやすみ。あまり長く起きてると怖い人たちがさらいに来るさね」 「えー!もっと見たい!」 人さらいの噂話をなぞらえるエリスの言葉に不服申し立てをするイーラ。 この勝負、最初から勝者は決まっていそうだがイーラはあきらめない。 んー。でもー…とごねてみる。 「ヴェル様は明日までいらっしゃるそうだから、そんなに焦らなくてもいいさね」 ねえ、とエリスから目配せをされてヴェルも少し困る。 確かに担いできた魔族を一人置いて去るわけにもいかない。 どうしたものかと悩んでいたが、しばしの沈黙を残したところで決着はついた。 「…」 エリス、沈黙の勝利である。 「あー!わかったわよ。寝ます。寝ますー」 「いい子ね」 くすくすと笑いながら席を立つエリス。 テーブルの上の食器をその手に持つと、 「私は片付けがあるから、ヴェル様は(くつろ)いでてください」 「世話になる。…イーラよ、良き夢を」 ヴェルの言葉を聞いて、エリスはそのまま夕食の片づけにキッチンへと足を向ける。 キッチンで食器の音がカチャカチャと鳴り始めたのを確認して、イーラはヴェルにとたとたと駆け寄り、そっと耳打ちする。 ふわりと石鹸(せっけん)の香りがヴェルの元にも降り立つ。 「ね!おじさんのお話聞かせて。ばあばがお風呂に入った時に上がってきて。待ってるから!」 続けて。 「ばあば!おやすみなさーい!」 パチリ。 金と赤のオッドアイの金の方が瞬く。 返事を待たない約束に。 「ふむ」 ヴェルは少し冷め始めたコーヒーを啜ってみせた。 ドアが開いた時とは違い、静かに閉ざされ。 小さな足音がトントンと離れていく。 キッチンでは変わらず食器の音が子気味よく響いている。 しばしの沈黙の後、二人に届かぬ落ち着いた声でヴェルが独り言のようにつぶやく。 「意識が戻ったか」 びくっ。 魔法陣の上で小さく魔族が跳ね上がる。 「恐れるな、ここは心優しき者の家だ」 「気づかれてたか。そして、これは…?」 自分が横たわっている物に奇怪な紋様(もよう)が描かれ、ぼんやりとした輝きを放っていることに不可解なものを見る目を落とす。 「私が書いた。古の知恵…と、この家にあったシーツだ」 魔族の瞳がヴェルの姿を捉えて、驚きの表情をしたか。 意外だ、と眼が訴えている。 「あんたが、助けてくれたのか?」 「そうだ」 魔族を助けるなんて異常としか思えない。 その異常とも取れる行動を、目の前にいる男とこの家の者が許したというのだ。 互いに名乗り合い、魔の者―クリシュオラは身に起きたことを語った。 人魔戦争が終わる前は、人目を避けるように森で暮らしていたという。 しかし魔王の訃報(ふほう)を受け、森の魔族の大半は人間の街へ侵攻。 統制(とうせい)の取れていない下級魔族の群れは人間の軍に敵うはずもなく散っていったと。 その中で彼は生き残り、貴族の奴隷として仕えていたのだと。 近くの森にあるコロニーに家族がいると聞き街を離れようとしたところで捕縛(ほばく)され、命失うほどの手痛い仕打ちを受けたのだ。 人魔(じんま)戦争(せんそう)終結(しゅうけつ)後十年。 魔族の残党も狩られ、森や洞窟でひっそりと暮らすか、人の奴隷として生きるしか残されていなかった道。 (みじ)めに生きるしか残されていない未来。 その元凶(げんきょう)は。 「ご苦労だった。今は安心して休むとよい。ここは心優しき者の家だ」 ヴェルは繰り返した。 心優しき者の家だ、と。 聞いてクリシュオラの落ち着かなかった瞳が、穏やかになる。 この家の空気がそうさせたのかもしれない。 「ありがてぇ」 「ふむ」 小さな影が寝返る。 動ける程度には回復してきているようだ。 「…良き夢を」 ヴェルはコーヒーの最後の一口を飲み干すと、未だ食器の音がカタコトと鳴っているキッチンへと足を運んだ。 来訪者に特に驚く様子もなく、エリスは()きあげた皿を(たな)へと戻している。 「あら、お話は終わったんですか?」 「ありがとう。気遣いに感謝する。…これも馳走になった」 空になったカップを受け取りながら、エリスは柔らかく微笑む。 「老婆(ろうば)の要らぬお節介だと思ってください」 見透かしていたのか。 ヴェルはこの婦人の優しさに心から感謝した。 この家が温かなものであるのは、この婦人と天真爛漫(てんしんらんまん)な少女によるところなのだろう。 「ヴェル様は、お風呂は入られますか?」 「いや、私は寝ずとも良き身なので最後に借りることとする」 「そうですか」 カップを洗いながら、エリスは何事もないかのように口にする。 「イーラの部屋は二階に上がって左手の部屋です」 全くをもって。 なかなかに食えない婦人だ。 「そうか、ありがとう」 「イーラは毎晩これくらいの時間から、冒険の本を読んでほしいと駄々をこね始めます」 昔から繰り返されてきた、この家の物語。 「今日はヴェル様のお話を伺いたいようですから、子供の相手と思って少しだけお話を聞かせてあげてください」 (ゆす)いだカップを今度は拭きあげながら。 「私は久しぶりにゆっくりとお風呂に()からせていただきますから。場所とシーツのお代と思ってください」 エリスは悪戯っぽく笑う。 どこか(なつ)かしい。 「では、しっかりと勤めあげよう」 「よろしくお願いします」 勤めあげると約束したからには、行かぬわけにもいかぬ。 小さく軋む階段をゆっくりと昇りながら、ヴェルは先程の石鹸の香りを思い出していた。 二階に上がって左手の部屋。 寝てしまってはいないだろうか。 そっとドアを二度叩いてみる。 「起きておるか」 「どうぞー」 戸を隔ててくぐもった、囁くような返事がヴェルを室内へと導いた。 こぎれいな、イーラを体現したかのような部屋。 歳に似つかわしくない量の本が鎮座した棚が印象的だった。 ベッドに横たわり、金の髪を無造作に枕に広げているイーラは半分ほど夢の世界に足を踏み入れているようだった。 「失礼させていただく」 「やっときた。遅かったのねぇ」 ランプの明かりがゆらりと悪戯(いたずら)をしたように揺れる。 「すまぬ。話し込んでしまってな」 閉ざしたドアにヴェルの大きな影がゆらりと揺れる。 「うむ。許そう」 渾身のイーラの物まねに、普段はあまり表情を変えないヴェルの頬が緩む。 それに気づいたのか気づいていないのか。 イーラは己の探求心に素直になった。 「ねえ、ヴェルはどこから来たの?」 「難しい質問だ。私は…」 「ねえ、魔王っているの?」 答えを得るよりも先に出る質問。 「なぜ、それを聞く?」 質問に質問で返す。 「あのね、本を読んだの。魔王はね、ヴォルカスっていうの。私はね、きっと可哀想な人だって思うの」 そう言ったイーラはどこか遠いところを見つめている。 「それでね、私が生まれた年に魔王は死んだの。けど、誰も会ったことがないんだって。どんな人か知らないんだけど悪い人だって」 「ふむ」 悪い人。 人は、そう魔王を(ひょう)した。 「でも私はそう思わないの。魔王はきっとね、いい人だったのよ」 イーラの持論。 物語でも語られていない、歪みのない持論。 「当たってはいるが、間違ってもいる」 「!」 ヴェルの答えにイーラは心臓の鼓動が少しだけ早くなるのを感じた。 「ヴェルは魔王のこと知っているの?」 答えは。 「多少なら」 やっぱり! 「ねえ、話して。そのお話。ヴェルの知ってることでいいの」 微睡(まど)みの中でのイーラのおねだり。 今日もお話をしてほしい。 今日はばあばの。 物語の話じゃない。 ヴェルの。 魔王を知る人のお話。 「ふむ。では…」 魔王を知る者が語るのは、どんな物語であるのだろう。 今日こそ魔王を近くに感じるのかもしれない。 イーラはヴェルの、新しい物語に心躍らせる。 夜は更け行く。物語を綴るように。

稚拙な文章で、恐れ入りますが! いつもお読みいただいてありがとうございます。 次章は4/14(水)21:00更新です!

Amazonギフトカードが当たる会員登録キャンペーン実施中!詳しくはこちら

コメント

コメント投稿

スタンプ投稿


このエピソードには、
まだコメントがありません。

同じジャンルの新着・更新作品

もっと見る

  • 婚約破棄された上、無実の罪で投獄された武闘派令嬢・マリー。 本来、処刑される予定だった彼女は、周囲がどんな手を尽くしても処刑できない『強運』の持ち主だった。 マリーを処刑することを諦めた元婚約者及び皇帝のデュークは、仕方なく彼女を終身刑とし、世界最高峰のセキュリティと警備力を誇る『脱獄不可能』と謳われる監獄に収監してしまう。 だが、「一生こんなところにいるのは御免だ」と思ったマリーは脱獄を決心し、着々と準備を進める。 そんなある日、マリーは監獄内でアルフォンスという青年に出会う。 マリーの能力を見込んだアルフォンスは、彼女に交換条件を持ちかけた。「俺をここから出してくれたら、お前に財産の半分をやる」と。 脱獄後、頼れる人も行く当てもないマリーは二つ返事で条件を呑む。 そして、マリーが脱獄を目指してアルフォンスと一緒に監獄内で好き勝手暴れる一方で、有能なマリーを投獄したデュークは新しい婚約者とともに自滅の道をたどり続けていくが──?

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり

    読了目安時間:24分

    この作品を読む

  • 子ネコのゴマの大冒険〜もふもふにゃんこ戦隊と共に、2つの世界を救え‼︎〜

    ちょっと小生意気な子猫の成長物語です。

    14,700

    0


    2021年9月22日更新

    注)戦闘描写、および台風、地震、津波、噴火など一部災害描写があります。苦手な方はご注意願います。 とある家のガレージで飼われている、7匹の猫たち。 いつも通り、餌を食べて遊びに出かける。 いつも通り、夜には猫の集会に顔を出す。 そんな平和な毎日が続いていたのだが——。 ある日、7匹のうちの2匹——子猫ゴマとルナは、とある場所に突如出現した、底も見えぬ真っ暗な大穴へと転落してしまう。 どこまでも深く暗い世界に吸い込まれていく、2匹の子猫。その先に、一体どんな大冒険が待ち受けているのだろうか? もっふもふのちょっと小生意気な子猫が、剣と魔法をマスターしてレベルアップしていき、悪の組織と戦い、世界を救う旅に出ます。 その過程で知ることになる、〝誰もが幸せに生きていくための秘訣〟とは——? アクションあり恋愛ありバトルあり、猫満載なハチャメチャ物語の、はじまりはじまり!

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり

    読了目安時間:2時間46分

    この作品を読む

読者のおすすめ作品

もっと見る

  • 緋の魔術師の大いなる探求 ~wisdom・crusade~

    これは、魔術と叡智を巡る群像劇。

    65,150

    728


    2021年9月21日更新

    この世界には魔術が存在する。それは遥か昔、人間の手によって発見された世界の秘密にして奇跡。 魔術とは、人間という存在を格段に飛躍させ、これまでの生物としての枠から逸脱した「完全な生命体」にすべく人類を導くもの。 そして、魔術の最高到達点。人類が完全な存在となることを幾千年もの間阻み続ける、神域の魔術にして最後の門番。 人類はそれを、「叡智」と呼んだ。 世界を震撼させた第三次魔術大戦から1年がたち、世界に平穏が戻り始めた頃、未だに深く戦争の爪痕残るラディスラヴィア連邦国へ若き軍人ユート・サングレイスは極秘任務の遂行の為に降り立った。派遣目的はとある女性、シルヴィア・ベアトリクスをユートの母国であるモルトリピア帝国に護送することだった。一見するとただの護送任務であるため、こんな任務を極秘任務と呼ぶことを大袈裟に感じるユートだが、彼女と出会うことにより二人は世界全体を巻き込む程のかつてない、騒乱の渦へとその身を投じていく…相反する二人の「叡智」を巡る魔術戦闘群像劇、開幕。 * * * * * 初投稿です。どうか優しい目で見てやってください。8割シリアス、2割コメディーでやっていきます。更新は不定期になりそうですが、末永くよろしくお願いいたします。コメント・スタンプ等じゃんじゃん下さい、私が続きを書く原動力になります。レビューなんかも下さい、私がハイになります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でも同作品連載中です。 twitter @pa_puri_Menow86 * * * * * 2021.5/13 ジャンル別ランキング日間1位、総合3位を戴きました! 本当にありがとうございます!!

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり
    • 性的表現あり

    読了目安時間:2時間56分

    この作品を読む

  • 魔法士の私は、年下の大学生と付き合っているつもりですが、どうやら彼は年上で更に王様のようです

    現代風のハイファンタジーラブコメです

    21,700

    330


    2021年9月20日更新

    主人公の女性ルーシーは、スバル王国に住む国家魔法士で、彼女はこの世界で最高位の魔法士でもある。性格は穏やかで、人からの頼みを断れないたち。現在25歳である。 彼女は3ヶ月ほど前に、長身で目元が涼やかな20歳の王都内の大学に通う男性テナーと、落とした手帳を拾ってもらったことがきっかけで付き合うことに。彼とは穏やかな付き合いを続けていた。 ルーシーが苦手としているのは、この国の国王であるレオンだった。彼は、巷では非公式だがファンクラブが出来るほど人気があるのだが、彼女にとっては、無表情で圧が強いので苦手な人物だった。 だが、実はルーシーの彼氏のテナーと、国王であるレオンは同一人物だった。 スバル王国の東南部の森林に、3年前から突如現れた魔物。 この世界で魔物自体は、500年程前に突如一斉に姿を消していたのだが、どう言うわけだか、再び世界中でもスバル王国の東南部だけに、現れてしまうようになったのだ。 魔物は、既存の武器での物理攻撃がほぼ効かないが、国家魔法士レベルの攻撃魔法でなら討伐することが出来た。 そのため、魔物討伐は基本的には、国家魔法士が主に当たらなくてはならなくなったのだが、それは命懸けの仕事のため、スバル王国における国家魔法士は、すっかり人気のない職業となってしまったのだった。 国家魔法士が人手不足ということもあり、元々リーダーには向いていないのだが、ルーシーに白羽の矢が立てられ、彼女は責任の重い補佐官に就くことになった。 それからは、レオンの目から見ても、彼女は日々精神的にやられて、力なく過ごしていた。 そんな彼女を、国王であるレオンは見ていられなくなり、自身の扮装魔法で「テナー」に扮装し、大学生と偽ってルーシーを励まそうと近づいた。それが、きっかけだったのだ。 ちなみに扮装して接したのは、レオンの姿で彼女に声をかけても萎縮されて会話もままならいからであった。 レオンは身分も姿も変えて付き合っていくが、二人の関係は、どうなっていくのだろうか。 ⭐︎現在は、月・水・金曜日のの22時に1話毎載せています。お付き合いいただけたら嬉しいです。 ⭐︎タイトルの変更、作品全体の見直しを行いました(9/20) ⭐︎ちなみに、今作は題名が長いので、作者は「どうやら王様」と略しています。

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり
    • 性的表現あり

    読了目安時間:2時間36分

    この作品を読む