愉快な5人の超絶イケメン戦記

読了目安時間:3分

エピソード:15 / 27

2-2

 『空中飛行』で山頂に飛んで、駆け付けた5人は、 『八岐大蛇』にアバンダンを巻き付かせたまま、 ホログラムボクサーを消して、交渉することにした。  「ううう、何するんだい! 私は骨粗しょう症なんだよ! このままじゃ、背骨が折れちまう!」  「その手には乗らないよ。 背骨を伸ばしておかないと、 また逃げられちゃうからね」  「私を倒そうってったって、そうはいかないよ! 早く家に帰しておくれよ!その蛇で」  「あなたを家に戻してしまったら、 もう二度と出てこなくなってしまうでしょう? それはとても、寂しいことです」    「お婆ちゃん、なんで逃げ回るの?」  「おや、色黒の可愛いイケメン君だねえ。 私は若いイケメンに、目が無くてねえ」  アバンダンが、デレっとしている。    「俺はまだ16歳で、人生経験が少ないけど、 お婆ちゃんは、今まで生きてきた中で、 きっと、いろんなことを経験したよね。 辛いこと、悲しいこと、傷つけられたことも いっぱいあったでしょ」  「・・・優しいこと言ってくれるねえ。 若くて優しくて、こーんなにイケメンなら、 女の子にモテるだろ」  「うん、あ、はい、まあ。 バレンタインデーには 毎年たくさんのチョコをもらってます」  「W&Bに食いついたな」  「食いついた食いついた」  「若い頃は、看護師だったんじゃ。 たくさんの患者さんのケアをしてきた。  しかし、あまり感謝をしてもらえなくてね。  感謝をしてもらいたくて やっていたわけじゃないけど、 給料は安いし、医者はこき使い、 セクハラもし放題という、 ひどい職場、ひどい職種じゃった。  患者さんには物を投げられたり、 同僚には嫌がらせをされたりした。  若い頃はこれでも美人の側だったからか、 嫉妬されていた。  美人だったから仕方ないがの」  「そうだったんだ。辛かったね」  「だから、人間社会から身を引いた。 もう二度と、関わりたくない世界じゃ。 引きこもることを、選んだんじゃ」    「でもさ、感謝してる元患者さんたちも たくさんいると思うよ、俺は」  「ありがとう、優しいねえ。  しかし、二度と 人間社会には関わらんし戻らんよ。  もう、あの世界は、 捨てたんじゃ。捨てたんじゃよ!」  『八岐大蛇』に巻き付かれたままの アバンダンが突如、ブルブル震え出した。    「なんか、様子がおかしくねーか?」  「大丈夫だろうか」  「お婆ちゃん・・・」  アバンダンが『八岐大蛇』に 巻き付かれたまま、首がどんどん伸びて、 頭部は顔の部分が上に向いてしまった。 首と頭部の間を、ぐるりと360度、 無数の銃口が飛び出てきた。  長く伸びた首の、のどぼとけの部分に 目玉がひとつ出てきた。  その目玉から、音声も聞こえてきた。  「もう、地上と関わりたくはないが、 あの世に逝きたいわけでもないんじゃ。  天だけを、仰ぎ見たいのじゃ!  人間は見とうない、 何も思い出したくないんじゃ!」  バシューン、バシュン、ババババババババ・・・  「うわあっ、首から大量のマシンガン!」  「弾丸の雨だ!」  「これじゃ、上を向けませんね」  『八岐大蛇』は、長く伸びた首の下で、 アバンダンの背骨を伸ばす役割を かろうじて遂行していた。    Bに直感が降りてきて、ブルーの瞳が光った。  「首の目玉が急所だ。 あの弾丸を止めるには、首の目玉を狙うしかない」

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