愉快な5人の超絶イケメン戦記

読了目安時間:4分

エピソード:24 / 27

5-3

「wonderful stroke(ワンダフルストローク)!」  Rが魔法を使った。  『七福神の成りすまし』達めがけて、  放たれたボクシングのグローブが、 目にも留まらぬ速さで、 成りすまし達を攻撃してゆく。  「う、うわっ!」  「痛い、痛い」  バシッ!  ワンダフルストロークに サンドバッグにされながらも、  『恵比寿天の成りすまし』の鞭は スルスルと伸びて、Yのミラーを打った。  ミラーが鞭の衝撃を跳ね返し、 鞭が斜め上方に上がっていった。  鞭が跳ね返った位置に引かれるように 身を移した『恵比寿天の成りすまし』が、 斜め上からYに向けて再度鞭をしならせた。  「ミラーの位置と角度を変えて!」  ミラーへの指令が遅れた。  鞭はYの頭を強打した。  「いてえーっ!」  電気を帯びた鞭だった。  「あいててて、気を付けて! あの鞭は、電気を帯びているみたいだよ!」  「ミラーの位置は、イメージした位置になる。 盾のように角度を決めて使ってくれ」  Bがミラーのトリセツをした。  ワンダフルストロークに 強打され続ける成りすまし達。  ギターからの光線と長い鞭の 攻撃をよけ続ける5人。  『布袋尊の成りすまし』が、 グローブでバシバシ打たれながら 背負った大きな袋から何かを出そうとしている。  ホログラムのような微粒子映像だが、 質感があるかどうかまではわからない。  金塊の山、お札の山、 美味しそうな匂いを伴ったステーキ、 山盛りのフルーツ、派手でカッコイイ空陸両用車、 高級菓子などを、次々と空中に浮かべてくる。  「あの空陸両用車、欲しいなあ」  Yがボーっとなってしまった。  バシッ!  「うわあっ!」  「Y、油断するな!」  「欲望を掻き立てて 混乱させているようですね」  「『世界統括電脳』を屈服させるために 俺たちを倒して、世界を支配するつもりなのか」  「支配者って一番上の位置にいますよね。 これから、 世界で一番上に連れて行ってあげますよ」  Gが気合を入れるポーズをとった。 「higher & higher(ハイアーアンドハイアー)!」 Gが魔法を使った。  「これからあなた達を、 世界で一番高いところ、 大気圏ギリギリのところまで、 連れて行ってあげましょう」  ギュイーン・・・  どんなエレベーターよりも速く、 どんどん上昇していく成りすまし達。  「成りすまし達の様子は、 このモニターで観察できます」  空気があれば、空間座標の映像と音声の 受信が可能なモニターである。  「うう、だんだん、酸素が薄くなってきた」  「打ち出の小槌からは小判しか出ないしな」  「酸素!誰か出せ!酸素を!」  「く、苦しい・・・」  「こちらと『脳内対話』もできます」  「おい、『七福神の成りすまし』、 世界一になった気分はどうだ」  「世界で一番上っていうのは、 酸素が少ないらしいな」  「このまま、世界で一番上で居続けるか?」  「うう・・・酸素をくれ!」  「酸素というのは、 地球の地表に近いところ程、濃度が濃いのですよ」  「地表に降り立ちたければ、 生かされていることに感謝して 『足るを知る』心を 身に付ける必要があるようですね。  「ゲホッ、ほ、ほんとに、苦しい・・・」  「限界なようですね。魔法を解きましょう」    『宝船』の船上に戻ってきた 『七福神の成りすまし』達は、 少し反省して意気消沈していた。  「know enough(ノウイナフ)!」  Gが必殺技を出した。  この必殺技は、 その欲があるせいで苦しめられている場合に、 不要な欲を無くさせることを目的とする技である。 技を掛けられた後、なぜそれが必要なのか、 欲しいと思ってしまうのか、一人で思考させ、 『足るを知る』境地にさせる。  波動は第4チャクラから放出されている。  「世界を本気で乗っ取るつもりじゃった。 『世界統括電脳』のことは、 目の上のたんこぶのように思っとった」  「『世界統括電脳』は、人間ではないのです。 人間は、誰一人として、世界の支配者などには なってはいけないのだと私は思います」  「欲を満たすことを追求しても、 外側から見た感じ豊かに見えるだけで 本当の満足感は得られないって解っただろ?」  「いや、まだそこまでは・・・」  グ~・・・・。  「腹減ったな」  「さっき『毘沙門天』の成りすましが 炊いてたご飯が炊けたみたいだよ」  「よし!カレーでも作るか!」  Yが張り切った。  『七福神の成りすまし』達と5人は、 仲良くカレーを食べた。  「『福神漬』もありますよ」  10人は、笑った。  「ご馳走様。とても美味しいカレーじゃったよ」  「『満足』したよ。はっはっはっは。ありがとう」  そう言うと、『七福神の成りすまし』達は、 黄色の粒子になって、消えた。

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