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【完結】キーナ・コスペル女海賊団 ー未来への鍵ー

読了目安時間:2分

5.海兵

5.海兵  スペイン人をサーベルで、メッタ刺しにしていたら、樽を肩に抱えた大きな男達が現れた。  昨日のシュベルツ海賊団だ。  サーベルを片手にした私は、漁業組合の職員という堅気の顔でなく、殺気に満ちた海賊の顔だった。 「お嬢さん方、お困りの様ですね」と、言ったのは、キャプテンのシュベルツだった。  私は、シュベルツの顔を見た。  すると、他の男達は、『ハッ!?』とした表情をしたのだ。  実は、後から聞いた話では、私は、かなり、きつい表情だったらしい。 「シュベルツ! なぜ、ここに?」 「お困りの様だったので、この樽に、スペイン人を入れて、海に捨ててやろうと思ってね」と、シュベルツは笑った。 「ふふふ、そいつは面白い」   すると、何処かしらか、シュベルツの後方に、見知らぬ男が剣を抜いて現れた。 「危ない!」と、私は叫ぶと、猛烈に駆けだしていた。  その剣を持った男が、シュベルツ海賊団のマリーネとかいう女を襲うところを、私がサーベルで喉を串刺しにしていた。 『やってしまったか!』  これは、即死だな。 「マリーネ、大丈夫か!?」 「キャプテン!」 「どうやら、こいつらは我々も狙っているようだな」と、言うとシュベルツ海賊団は、本当に、この男を樽に詰めてしまった。 「お嬢さん、ありがとう。うちのクルーが助かったよ」と、シュベルツが丁寧に頭を下げ、礼を言った。  この海賊らしからぬ行動に、私は驚いたのだ。 「何を、そんなに驚いている?」 「いや、海賊が頭を下げるなんて、思わなかったから」  すると、シュベルツは、一つ二つ頷いてから、話し始めた。 「仲間は命。オレと共に想いを同じくする同志。その仲間の命を助けることは、オレの命を助けたと同じこと。お嬢さんは命の恩人だ」 「命……  あっ、“お嬢さん”ってのは、やめてくれ、キーナだ! キーナ・コスペルだ」  シュベルツは言った。 「良いのか? 名乗ってしまって」 「あぁ、仕方が無い。騒動に巻き込んでしまっているし」  「潔良いんだな」  しばらく沈黙したが、私は、彼らに告げた。 「ダブルスタンダードをやったんだ」  シュベルツ海賊団の連中がこちらを見ている。 「それをスペイン海軍が嗅ぎ付けて、追い掛けて来たんだ。なので、イングランドの海軍に渡すと、ダブルスタンダードがバレるんだ」  すると、シュベルツは、 「この国の商人は殺したのか?」 「いや、殺しはしてない。物品だけだ」 「なら、なんとかなる。なんとかしてみせる」と、答えた。  なんとかなる? 「あぁ、奪った物品分の罰金は払うことになるとは思うが、大丈夫か?」 「それは、大丈夫だ。カネならある」 「では、任せてもらおう。連絡先はこの先の宿で良いのか?」 「随分と詳しいのだな」 「怪しかったから調べさせてもらった」  えっ!  私達が、買い物をしている間に、すっかり丸裸だ。  なんか、恥ずかしいな。  洗濯した下着、見られたか!?  すると、シュベルツ海賊団は、先程のスペイン海兵と死体を樽に詰めて、持って行ってしまった。  やはり、海兵は捨てるの?

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