イチャイチャ☆百合っ娘ロボ 〜怪獣VS巨大ロボッ娘〜

読了目安時間:7分

エピソード:6 / 42

特撮好きってわけじゃない人も、名前だけは知ってるって怪獣いますか?

「夜戦」

a. 破壊される夜の街 「ルナチク星人は三位一体だったんだ、道理で一体分しか反応がなかったわけだね」 「よくも我々を騙してくれたな、一斉攻撃だ!!」 「了解!」  新鷹参謀の指示を受けた隊員たちが、ルナチク星人に冷却弾を発射。 ぬおあぁ。冷却弾はすべてルナチク星人に着弾し、その巨体を一瞬にして見事に凍結させる。  白銀の巨像は夜の闇では中々に映えるものの、ルナチク星人の体温は想定以上に高く、すぐに解凍されてしまった。 「巨大化したルナチク星人の体温を計算中、約8800度か」 「そんなに熱いんじゃ、冷却できるわけないじゃない」 「あまりに体温が高くなるから、涼しい気温の夜でないと巨大化できないのか」    夜を求めた本当の理由が分かったところで、朝になるまで黙って見ているわけにはいかない、次に新鷹参謀はレーザーガンでの攻撃を指示した。 「はっ!こんな近くで異星人 対 防衛軍の交戦を見られるなんて、撮影しないと!!」 「お姉さま!逃げて!!」      猫鈴猫が叫ぶと、隊員たちはカメラを構える香燐の前に出て、壁の役割を果たす。 「故郷を破壊するのは楽しかったぞ、こんな風になぁ!!」 「うわぁああああああっ」「きゃああああああああ!」  ルナチク星人が三日月状のカッターを発光させると、周囲2キロの建造物や電信柱が木っ端微塵になり、地面が爆発した。 その範囲には当然猫鈴猫たちも入っている、彼女たちの運命やいかに!? 「地球人如きが夜を味わうなど烏滸がましい、地球は我々ルナチク星人の第ニの故郷とするのだ!」    自分勝手にもルナチク星人は、第ニの故郷に住みやすくするため、ゴチャゴチャした陸を平にせんと、次は光弾に発光を用いて街を破壊する。 「こいつ翻訳機も必要なかったとは、嘘八百じゃないか!!」 「ありがとう猫鈴猫、助かったわ」 「お姉さまを守るのが義務だもん」  猫鈴猫の展開したシールドによって、被害者は出なかった。 さらに今の攻撃で猫鈴猫たちは死んだと思ったルナチク星人は、光弾をばら撒きながら数キロ先まで進撃しているので、一先ず危機は去ったといえる。 「私からも礼を言う、やはり本当に君が先日の...」 「はい私が怪鳥アイオロードを倒したスーパーロボッ娘・猫鈴猫ちゃんです!」  ドヤ顔で胸をポンッと叩く様子は、とても防衛軍との邂逅を嫌がっていたようには思えない。 「上層部への新型核ミサイル使用許可申請も、しなくて済みそうか?」 「そんなことしたら放射能で街一つが汚染されちゃうよ、代わりに私がやるから黙って見ていて...お姉さま!!」 「がってん醤油の助よ」 「なにそのしょうもないの」  防衛軍からの視線が集まるなか、猫鈴猫が背中を開いて露出させたボタンを、香燐は躊躇いなく勢いに任せて押した。   b. VSルナチク星人  夜には嫌でも目立つ純白のロリィタ服を着た巨大な少女が、再び市街地に姿を現した。 また来てくれた!女神様?天使か? 警察官と防衛軍一般隊員の指導で避難していた人々も、思わず脚を止めて彼女に対して視線が釘付けになった。 グォオオオ...。ルナチク星人も巨大な気配に振り返り、巨大な円形の左目と無数の右目で猫鈴猫を暫く見つめたのち、腕を伸ばして光弾を発射した。 「計算...直撃による損傷率0%!!」   猫鈴猫は連射される光弾を物ともせず、ルナチク星人目掛けて走る。まともに食らいながらも計算通り、火花が多少散るもノーダメージだ。 その際の揺れで近隣の建物が激しく揺れ、食器は落下して割れたりタンスや本棚が倒れたりもしたが、死傷者は避難完了していたので出なかった。 「せりゃっ!!!」 「“ルナアアアアアアアッ”」  ある程度の距離を縮めた猫鈴猫は、ルナチク星人にドロップキックを浴びせた。ふっ飛ばされたルナチク星人は、背中からガソリンスタンドに落下する。 「ルグナォアアアアアアアアアア!!」     ルナチク星人が悲鳴をあげた、ガソリンスタンドが衝撃で大爆発し、その体が炎に包まれたのだ。 星人は慌てて起き上がり、マッハ5の飛行能力により、星散りばめられる夜空へ飛んで逃げた。 「お姉さまの安眠のためにも、逃さないぞ〜!!」  猫鈴猫にも飛行能力が備わっている、足裏からジェットを噴射してルナチク星人を追う。 「... ... ...!!」  ルナチク星人は変わらず飛びながら無数の白い右目から金色のビームを発射し、自分と互角のスピードで後ろに追ってきた猫鈴猫を撃墜しようと試みる。 「夜に金色なんて目立ち安い武器だね!」  星人の目から溢れ出た金色ビームは、後方に流れて猫鈴猫を撃ち落とそうとするも、同じくらいたくさん発射された高火力ミサイルに直撃し消滅。 「グォ?!」 「狙った相手は逃さないんだから!」  爆煙の中から飛び出てきた猫鈴猫は、ルナチク星人の両肩を掴み、腕から電気を流した。 ルナチク星人は抵抗し、細い首を肘から伸びる三日月状のカッターで切断しようとするも、猫鈴猫は手刀で阻止するなど、互いに取っ組み合いながらの夜間飛行が続いた。 「ガァあああああ」 「せい!石頭ならぬ鉄頭を喰らいなさい!」     そろそろ取っ組み合いも終わりだ、猫鈴猫がルナチク星人顔面に思い切り頭突きを浴びせた。 ダイヤモンドの数百倍は硬い頭で頭突きをされたのでは、さしものルナチク星人もたまらず、数千メートルの高さから真っ逆さまに落下した。 「グォ、ア、アアア」  苦悶の声を漏らすルナチク星人、それは落下したことによるものではなく、夜の闇を照らす橙色に燃え盛る炎に包まれた事によるもの。 侵略者が堕ちた先は石油コンビナート、猫鈴猫は確実に倒すためにはルナチク星人をここに落とすのが最適だとの計算結果を弾き出したのだ。   「グォオオオオン、アアァ」 「あなたの故郷に熱帯夜はなかったのかな、あったとしてもここまで熱くはないと思うけどね」  猫鈴猫は腹部を開き、そこから白銀の破壊光線を発射。熱さで動きが鈍っているルナチク星人は、避けようとすることすらできない。 グァッグアッアア... ... ...!! 断末魔の叫びを遺して、ルナチク星人の体は木端微塵になった。 「放水開始、お前らも寝苦しい夜は嫌いだろ」 「了解。電気代くらいはまともに払える給料貰ってるでしょ、隊長」   コンビナートの火災を鎮火するため、防衛軍の航空機が到着。大量の消火液を散布する作業を開始した。 「ここは任せたからね」   火災は防衛軍に任せることにして、猫鈴猫は香燐の元へ帰りたいので、夜空を見上げてコンビナートから飛び去った。 c. 明けない夜はない? 「通信を信じてよかった、君さえ良ければ私達と一緒に戦ってくれないか...と言いたいところだが」  猫鈴猫は香燐の背中に隠れ、ギャンブルで負けて不機嫌な人みたいな顔をしている。新鷹参謀の顔が怖いから警戒しているのではない、念の為。 「そう露骨に嫌な顔をされては諦めるしかないな」 「連れてかないの?」 「敵は増やしたくはないからな、前回も今回も味方をしてくれた、それで十分だよ、ありがとう」  とは言うものの残念そうな顔の新鷹参謀は、部下を引き連れて帰投していく。そして香燐と猫鈴猫は、瓦礫と化した基地跡にふたりきりとなった。 「さすがに地球を守ってきた防衛軍の偉い人だけあるな〜」 「あんな人が参謀なら、きっと防衛軍もすぐに完全復旧するでしょ」 「その可能性は計算する間でもなさそうだね、外れることもあるって分かったし」 「そうね。ところでさ、えっと、その」   香燐は指先同士をくっつけて、踵で地面を軽く叩き始めた。その顔はまるでプロポーズしたくても、なかなか言い出せない乙女である。 「なに?お姉さま、こんな人気のない場所でモジモジと」  これはきっと告白だ、心拍数も上昇しているのがわかるし。猫鈴猫は目を閉じて顔を突き出し、準備完了! 「その、帰りの運賃足りないのよね、あはは」  香燐は苦笑しつつ財布を振る、すると落ちてきたのは十円玉二枚のみ、これじゃ安くて美味しいあの棒くらいしか買えない。 「もうお姉さまったらドジなんだから〜あははは、は?ちゃんす?」    「なんのよ!?」  こうして香燐は、友人が迎えにきてくれるまで、目が血走っているような気がする猫鈴猫と二人きりの夜を過ごすのだった。 つづく 怪獣図鑑4 「夜戦」の挿絵1 夜光星人ルナチク星人 身長:60メートル 体重:2万5千トン 出身地:ルナチク星 武器:光弾、破壊発光、ルナカッター 故郷を滅ぼして同じく夜のある地球にやってきた宇宙人、友好的な三体の宇宙人を装っていたが、実際は一体。 極めて高くまで体温が上昇するため、涼しい夜にしか巨大化することができない。

 発表会や運動会の前日の夜、それは明けない夜はないという言葉に絶望する時間である。

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  • ゆりすぺしゃる2

    ワタル

    ♡1,000pt 〇10pt 2021年6月27日 22時08分

    ダイヤモンド数百倍の硬度!ロボ好きとしては素材超合金も知りたいところですな。地上戦の重みと空中戦のスピード感がたまらないエピソードでした。敵の体温が高いならより熱く。防衛軍の冷凍ビームをヒントに、ガソスタや石油コンビナートに繋がる流れもよき。ネリネちゃんお姉様抱いて飛べばいいのに

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    ワタル

    2021年6月27日 22時08分

    ゆりすぺしゃる2
  • ゆりすぺしゃる2

    百合豚怪獣キマシラス

    2021年6月28日 3時42分

    ○○の数百倍!!盛ったもんがちみたいなあれ 超合金素材、それはいつかわかるよ! ありがとうございます〜重さとスピード、両方堪能いただけて嬉しいです。体温には体温。敵の特徴を活かして倒すの好きなんですよね。 閃いた!けど落ちたら死ぬじゃないのよ!

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    百合豚怪獣キマシラス

    2021年6月28日 3時42分

    ゆりすぺしゃる2
  • 1周年記念ノベラ&ステラ

    方舟みちる

    ♡1,000pt 〇10pt 2021年6月22日 12時45分

    夜の瓦礫の街での猫鈴猫ちゃんとルナチク星人の空中戦、スピード感抜群で良かったです!ラストの告白かと思いきや〜からのオチも綺麗な流れで好きです。猫鈴猫ちゃんが香燐さんに対して、愛はありながらもちょっと当たりが強いの凄く良いです…

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    方舟みちる

    2021年6月22日 12時45分

    1周年記念ノベラ&ステラ
  • ゆりすぺしゃる2

    百合豚怪獣キマシラス

    2021年6月22日 16時39分

    ポイントコメントありがとうございます!! スピード感お褒めいた抱き嬉しいですね、展開も なんかべた惚れしてるけど辛口なの好きなんですね、生意気というかなんというか。明るめになりますし作風

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    百合豚怪獣キマシラス

    2021年6月22日 16時39分

    ゆりすぺしゃる2
  • 1周年記念ノベラ&ステラ

    方舟みちる

    ビビッと ♡300pt 2021年6月22日 12時38分

    《香燐は苦笑しつつ財布を振る、すると落ちてきたのは十円玉二枚のみ、これじゃ安くて美味しいあの棒くらいしか買えない。》にビビッとしました!

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    方舟みちる

    2021年6月22日 12時38分

    1周年記念ノベラ&ステラ
  • ゆりすぺしゃる2

    百合豚怪獣キマシラス

    2021年6月22日 16時38分

    税金(´;ω;`)

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    百合豚怪獣キマシラス

    2021年6月22日 16時38分

    ゆりすぺしゃる2
  • 1周年記念ノベラ&ステラ

    方舟みちる

    ビビッと ♡300pt 2021年6月22日 12時35分

    《ルナチク星人は抵抗し、細い首を肘から伸びる三日月状のカッターで切断しようとするも、猫鈴猫は手刀で阻止するなど、互いに取っ組み合いながらの夜間飛行が続いた。》にビビッとしました!

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    方舟みちる

    2021年6月22日 12時35分

    1周年記念ノベラ&ステラ
  • ゆりすぺしゃる2

    百合豚怪獣キマシラス

    2021年6月22日 16時37分

    真夜中の空中戦!! 有名なあの宇宙人との戦闘をリスペクトしてみました

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    百合豚怪獣キマシラス

    2021年6月22日 16時37分

    ゆりすぺしゃる2
  • 1周年記念ノベラ&ステラ

    方舟みちる

    ビビッと ♡300pt 2021年6月22日 12時32分

    《「なにそのしょうもないの」》にビビッとしました!

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    方舟みちる

    2021年6月22日 12時32分

    1周年記念ノベラ&ステラ
  • ゆりすぺしゃる2

    百合豚怪獣キマシラス

    2021年6月22日 16時36分

    シンプルめな悪口!

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    百合豚怪獣キマシラス

    2021年6月22日 16時36分

    ゆりすぺしゃる2

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