天つ乙女と毛獣〜舞台は房総半島、天女となりしある少女の運命と絆の物語〜(#あまおと)

読了目安時間:2分

エピソード:99 / 149

【あらすじ】 君津駅で待ちあわせた尾花と百合子たち姉妹。 ガールズトークに花を咲かせつつ学校に向かいます。 そのとき、尾花の髪飾りに話題があつまり、物語が展開していきます。

【06-1】学校に行く途中で~尾花の髪飾りとその父親のこぼれ話

 時刻は、8時5分。  君津駅改札口で待ちあわせた百合子・紗久良姉妹、尾花。  北口通路の階段を降り、ロータリーを右に見つつ子安通りに出た。  子安通りを進みながら学校に向かう百合子・紗久良と尾花。歩きがてら、会話に花を咲かせた。 「新谷さん。その髪飾り、素敵ね」 「ほんま、尾花はん。綺麗な髪飾りやね」  百合子・紗久良姉妹。ふと、頭にある髪飾りを見て、疑問符を浮かべて尾花に尋ねかけた。  尾花の髪にある髪飾り、鴇色のリボンに細かい薄ピンク色の矢羽根模様の刺繍がされていた。  鴇色。そして、矢羽根柄の雅な柄が彼女の魅力を引き出していた。 「広瀬はん、おおきにすんません」 「この髪飾りはなぁ、うちの父ちゃんが"心機一転横浜に住むから"いうて、内緒に作ってくれてた髪飾りなんよ」  照れくさそうな尾花。手を頭のうえにもってゆき、ぼりぼりと書きながら百合子や紗久良に答えた。  彼女の髪飾り。父親が同じ社宅のもとにこしてくる娘・尾花のことを想い、ハンドメイドブログを見ながら手つくりしたもので、はれの日たる今日 身につけてきたものだった。 「へぇ~、お父さんが作ってくれたのね。なんて優しいお父さんなのかしら」  百合子。話に耳を傾けてあいずちをうち、羨ましそうなさまで尾花に言葉を返した。 (新谷さんのお父さん、うちのお父さんと違って、ことも似いちずな人なのかしら…)  いつもダジャレやオヤジギャグをかます養父・芳夫。百合子として、尾花の話を聞き、養父の姿を思い描きつつ見比べ、娘思いな父親だと憧れを抱いたのだ。  えにありし者の百合子・紗久良と尾花。彼女たちのかたらひを見るに、すっかり打ち解けた雰囲気となった。  子安通りを進みゆき、西坂田の交差点を右に曲がり、坂を登った先にある渡鍋学院。3人は、学園の校門をくぐり、足を踏み入れた。  校門のあたりには、遅咲きのしもつけや早咲きのがくあじさい、ぎぼうしの花がきそうように咲いていた。  それはまさに、尾花の転入学を祝うような雰囲気を漂わせていたのである。

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