天つ乙女と毛獣〜舞台は房総半島、天女となりしある少女の運命と絆の物語〜(#あまおと)

読了目安時間:3分

エピソード:100 / 149

【あらすじ】 学校に入った百合子。朝のホームルームで綾子やクラスメートとともに、尾花を迎えるパートになります。

【06-2】ホームルームのひととき、転入生の尾花とクラスメートのかをあわせ

 時刻は、8時30分。  場所は、百合子や綾子の所属する3年A組クラス」いつも通りに、ホームルームが始まった。  まず、担任の上野先生がクラスと廊下とを隔てる扉をそっと開け、教室にはいってきた。  教師に相応しいと思える整った歩調、連絡簿を携えて教壇にのぼった。 「起立、礼!」  上野先生が教壇にのぼったあと、日直の生徒が、百合子・綾子たちクラスの生徒に呼びかけた。  ホームルームの始まりの朝の挨拶だった。  百合子・綾子たちは、椅子を引いて立ち、上野先生のほうに顔を向けた。  眠気を催す生徒もいれば、いつもどおり明るい表情の生徒。十人十色の様子でその場に佇んでいた。 「皆さん、おはようございます」  上野先生は、すがすがしい様子の面持ちを顔に描き出し、クラスの一同に対して挨拶をした。 「先生、おはようございます」  百合子や綾子を含めたクラスの生徒たち。足をぴんっと立たせた状態で先生の方を向かせ、頭を下げて挨拶をした。  日常の何気ない朝のホームルームの様子が粛々ととり行われたのである。  さて、挨拶が終わり次第、ホームルームが開始された。  まず、行事などの連絡事項の告知が行われた。  今度行われる芸術祭に関わる連絡事項、その他行事の予定などが配布された。 「皆さん、今日からこの3年A組のクラスに新しい仲間が加わることになりました」  その次。連絡事項を伝えおえたあたりで、上野先生は連絡簿をおき、クラスの一同に呼びかけた。  明るい様子の上野先生。ついに、自らの口で転入生の話を口に出し、クラスの一同に伝えた。 (ついにきたか…) (噂は本当だったのね…)  上野先生の話を耳に挟んだ綾子や生徒たち。ついにこの日を待っていたとばかりに歓声をあげていた。  現実に転入学の生徒が入ってくる実感を分かち合っていたのだった。 「どうぞ…」  上野先生。廊下側に顔を向けて声をかけた。  それとともに、ドアが開き、転入生こと尾花の姿を見ることができた。  転入生こと尾花。君津駅で待ちあわせたときとは雰囲気がガラりと変わり、にっこりとした優しい様子を顔に描き出していた。教壇に向けて足を歩ませ、上野先生の脇にて足を止めた。  彼女。教壇のうえで百合子・綾子たちクラスの生徒を見つめ返し、軽く会釈をした。  それとともに、上野先生は、手に白のチョークを持ち、後方にある黒板に尾花の名前を書いた。 「今日から3年A組のクラスに加わります、新谷尾花さんです。わからないこともあるとは思いますが、仲良くしてあげてください」  上野先生。これまた明るい様子を漂わせ、クラスの一同に転入生こと尾花を紹介した。 「はじめまして。うち、新谷尾花と申します。滋賀県の長浜市余呉町の出身です」 「初めてでわからんことあるとは思いますけど、よろしくお願いしまんねんわ」  尾花もまた、少し照れくさそうな様子でクラスの一同に語りかけた。  頬をピンク色に染め、近江なまりの言葉で語る姿は、ありのままの尾花を体現していた。  いよいよ 尾花は、渡鍋学院中学校の3年A組に暖かく見守られて加わったのである。  これ以降 彼女は、同クラスの一員として残り半年近くの中学生生活をエンジョイすることになるのだった。

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