Märchenica League Baseball ~アルビノ初のメルリーガー~

読了目安時間:11分

エピソード:26 / 48

第24球「打線の穴」

 ブレッドがオルガの了承を得ると、オルガは焔と共に練習を再開する。  ペンギンズのスタメンが決まり、ホッと胸をなで下ろしたブレッド。  だがもう1つ解決しなければならない問題があった。ワッフルのことだ。ワッフルが属するオベリオス家はバロン家とは深い繋がりを持ち、ワッフルを正捕手として起用することを資金援助の条件としてからは、ペンギンズの成績悪化に大きな拍車がかかっていた。  休憩時間になると、チームバスの中でブレッドとアイリーンが1番後ろの繋がった席に隣同士で目を合わせることもなく座り、ここまでの問題を独り言のように話した。 「ブレッドも大変ね」 「そういうアイリーンだって、毎日バスで寝てるんだろ?」 「もう慣れてきたわ。キャンピングカーだと思えばどうってことない」 「後部座席をベッドに改造しようと思ってるんだけど、どうかな?」 「今のままでいいわ。他の選手たちを刺激したくない」 「最近成績が下がってるみたいだけど、慣れないバスで寝てる影響じゃねえのか?」 「問題ないわ。成績が下がっているのは私の責任よ。それにこのごろ対戦する相手、明らかに私の手の内を見抜いているわ。フォームの癖まで読まれてた。みんな初めての相手なのに、おかしいわ」  ここ数週間、ペンギンズは他のメルリーグ球団を招いて練習試合を行ったが、チーム状況を大きく改善したにもかかわらず、ここまで大きく負け越しという体たらくであった。  投手陣と打線の問題はある程度解決したが、負け越しの原因はリードオフマンの完封であった。1番を打つアイリーンの打撃が研究され、ほぼ完全に抑え込まれていたのだ。  ブレッドはルーシーから聞いた事情をアイリーンにも話した。 「つまり、私だけが何者かに研究されているということ?」 「そういうことになるな。普通はボトムリーガーをあそこまで研究なんてしないけどな」 「私をメルリーグから追い出すつもりね」 「アイリーン、実はお前を下位打線に下げることが決定した」 「! ……あの成績ならしょうがないわ」 「そういう問題じゃない。まだシーズンも開幕していないのに研究されてるってことは、敵は本気と見て間違いない。でも敗因はそれだけじゃない。アイリーンの出塁率が打率とほとんど変わらない。これじゃリードオフマンは務まらないぞ。もっとボールを選べるようにならないと」 「……そうね」  アイリーンはリードオフマンでありながら安打で出塁することに拘り、チーム内外で生粋の悪球打ちであることでも知られていた。  そのプレイスタイルがウィッチ・ロウと見事に重なっており、対スモールボールの立ち回りの影響もあり、アウトを無駄に献上するだけの存在となっていた。守備では相変わらずの貢献だが、慣れないセンターの守備に就いていたクラップを助けながらの守備であったため、守りの面でも疲労が蓄積しやすくなり、アイリーンの体に負荷を与えていた。  更にはバス内での寝泊まりによって質の高い睡眠を得ることができず、疲労を回復できないまま徐々に成績を落としていることをブレッドは知っている。 「ここ10試合で48打数9安打。かなり疲れが溜まってるようだ。アイリーン、今年のペンギンズ再建の鍵はお前だと思ってる」 「――どうして私なの?」 「今のメルリーグはビッグボールに偏りすぎているというか、大事なものを失っている気がする。初めてアイリーンのプレイを見た時、昔を思い出した。打って守って走って、それが本来のベースボールであることを僕に示してくれた。それにアイリーンの守備力は必須級だ。だから絶対にスタメンから外さない。これは贔屓とかじゃない。ペンギンズに必要だから使う。それだけだ」 「まだ問題は山積みなんでしょ。ここにいてもいいの?」  アイリーンは自分のことよりもブレッドの心配をした。  ブレッドは隣で俯いているアイリーンの手を咄嗟に握りしめた。 「いいんだよ。こういう時じゃないと、思ってることも言えないだろ」 「――どうしてそんなに優しいの?」 「優しいって……何が? ……チームメイトだろ。当然のことだ」 「……」  ずっと薄暗かったアイリーンの心に一筋の光が差し込み、よく見ないと分からないくらいの笑顔をそっと浮かべた。  アイリーンにとっても、ブレッドと2人きりの時間は癒しの一時だ。普段は感情を抑え、大っぴらに喜んだり悲しんだりできない分気づかれにくいことを歯痒いと感じている。 「それと、この前の不正判定だけど、ヘレンによると、原因はプログラムコードの書き換えだ。アルビノの選手に対して厳しい判定を下すように仕組まれてた」 「そんなことだろうと思ったわ」 「でも残念ながら犯人の特定には至らなかった。分かったことはマンキースとの試合の前日にIDチップが取り出された履歴があるだけ。つまり対戦の前日に誰かがロボットのメンテナンスルームに侵入したってことだ。その時防犯カメラは塞がれた状態だった。犯人はもうこの島にはいないから特定のしようがない。今後もこういうことが起こるなら、ペンギンズは公式戦に出場しないってメルリーグ機構に抗議文書を書いた。ただでさえ戦力で他のチームに負けているってのに、同じ土俵で勝負することさえできないのは論外だからな」 「メルリーグ機構を弱点を知っているのね」 「もしシーズンに参加しないチームなんて出てきたら、メルリーグ機構は大損害だからな。嫌でも徹底した監視をせざるを得ないようにした。だからアイリーンは安心してチームに貢献してくれ」 「……分かったわ」  ブレッドの肩に寄り添いながらアイリーンが言った。  腰にまで伸びているアイリーンの髪の毛から心地よい香りが漂ってくる。  ソーラーガードは全身に使えるシャンプーであり、悪臭を防ぐ仕様になっていることをブレッドは知らない。これがアイリーンの香りであるとブレッドは記憶した。  夜になってからホテルに戻ると、ロビーにワッフルが佇んでいる。  ブレッドがワッフルを正捕手として試合に出さないばかりか、固定化されていたキャッチャーが流動化したことでライバルまで増えてしまい、キャッチャーとして正捕手の座を狙う者が4人にまで膨れ上がっている。結果的に内野も外野も取られてしまった修造やオルガがキャッチャーとして参戦し始めていることにも危機感を抱いている。  レギュラーを確保するために戦力が不足しているポジションを、ユーティリティープレイヤーたちが挙って狙うのはある意味当然である。 「ねえ、ちょっと話があるんだけど」 「正捕手の件だろ。お前は控え捕手だ」 「実はお父さんにあんたをクビにするように頼んでるの。あんたをクビにしないと、資金援助を打ち切るってオーナーと交渉中よ」 「エステルは資金援助を打ち切っても何とも思わないと思うぞ」 「どうしてそう言えるわけ?」 「アイリーンや焔をチームに入れたのは、その物珍しさで観客を呼び寄せるためだ。去年までのペンギンズはあんまり観客を確保できなかったからな。でも今年は多くの観客が詰めかけるはずだ。今までにないチームだし、資金援助の分くらいすぐに確保できるだろうな。それにチームメイトを受け入れられないような奴をレギュラーに置くわけにはいかない」 「……球団がなくなるとしても、同じことが言えるかしら?」 「もちろん。球団がなくなったところで僕には関係ない。お前らが困るだけだ。ていうかペンギンズ以外にお前を使ってくれるチームがあるのか?」 「ぐっ……」  思わぬ返しの言葉に歯ぎしりを始めるワッフル。  ブレッドの言葉はワッフルにとって急所とも言える指摘だった。  それでもブレッドには1つ引っかかる言葉があった。球団がなくなるとはどういうことかとブレッドは考えた。 「どうしてもこの問題に決着をつけたいって言うなら、お前の親父を今すぐここに呼べ」 「なんて無礼な奴なの。私は貴族なのよ。お父さんに頼んだら、あんたなんて簡単に潰せるのよ」 「できるもんならやってみろよ。失うものが何もない人間は貴族なんかよりずっと強いんだ。どうしても呼ばないってんなら、お前を問題児と見なしてボトム落ちにするぞ」 「わ、分かったわよ……呼べばいいんでしょ……呼べば……ううっ」  涙目になったワッフルがポケットからコマンドフォンを取り出した。  腹いせに懲らしめてやろうと言わんばかりの顔を後ろに向け、ワッフルの父親にしてオベリオス家の当主であるストロープ・オベリオスにメールを送った。連絡が済むと、コマンドフォンをブレッドの前に差し出し、鬼のような顔でブレッドを睨みつけた。  コマンドフォンから茶色のスーツ姿をした男性のホログラムが現れた。  貴族の称号となるバッジをスーツに装着し、自らの階級を表していた。オベリオス家は貴族の中で最も地位の低いバロンの称号を持っているが、実質的には他の貴族をも凌ぐ財を築いている。 『初めまして。私はストロープ・オベリオス。ワッフルの父だ。普段は会社を経営している。私を呼び出したのは君かな?』 「ああ。ブレッド・ベイカーだ。わけあってペンギンズの監督をしてる。お宅のお嬢さんがどうしてもうちの方針に納得できないみたいでな。念のために確認しておきたいんだが、資金援助を餌にこいつを正捕手に就けることをエステルに約束させたのは本当か?」 『本当だと言ったら?』 「今のこいつは正捕手に値しない。でも守備力は高いから、投手戦に持ち込める相手に対して起用することを考えてる。もしこれに納得がいかないなら、容赦なくこいつをボトム落ちにする。他の選手とのトレードも辞さない」 『立場を弁えない平民の監督がいると娘から聞いたが、本当のようだな。事情は娘から聞いた。だが無駄なことだ。資金援助をしているのは私だけではない。エステルは他の貴族からも援助を受けているんだ。貴族たちの中にはワッフルの活躍を見るために球場を訪れる者もいる。それにペンギンズにはビノーがいるだろう。観客たちにボイコットを呼びかけて球場に来れないようにすれば、ペンギンズは資金援助なしで運営することが不可能になる。それでも娘を正捕手にしないと言うつもりか?』  ドヤ顔を決めながらストロープが言った。  しかし、ブレッドは怯むことなく無表情のまま淡々と軽いノリで口を開いた。 「うん、そうだよ」 『……何だと』 「あんた、本気で言ってんの?」  ワッフルとストロープは大きく目を見開き、ブレッドの顔を見た。 「本気だよ。もし資金不足で球団が売られたところで僕には何の関係もないし、ワッフルが移籍先に困るだけだ。たとえあんたのコネで別の球団に入れたとしても長くは続かない。それにシーズン中に球団が売却されて、その間試合が中止になるような事態になれば、メルリーグはその事態を防ぐためにシーズン中はペンギンズに資金援助をするだろうな。今年の間だけは問題なくプレイできるってわけだ。お前らの計画がばれたところで大した痛手はないだろうけど、このことをペンギンズファンとマスコミが知ったら騒ぐだろうな。ペンギンズが12年連続で最下位になった要因の1つは、正捕手に相応しくない者をレギュラーにしてしまったことだ」 『何が言いたい?』 「あんたはワッフルの愛称を知ってるか?」 『知らん。普段は仕事だから、選手の愛称なんて、いちいち調べている暇がないんでね』 「なら教えてやる。ホールゾーンだ。こいつのせいで打線に穴ができていることから名付けられた。それだけファンたちも感づいてるってことだ。そこでだ、取引をしよう。あんたがこいつの件に関与しないと言うなら、こいつをボトム落ちにしないと約束する。どうだ?」 『……』  しかめっ面のまま静かにブレッドを見つめるストロープ。 「もちろん資金援助も続けてもらう。ペンギンズがなくなったら、それこそ娘のピンチだからな」 『……分かった。これ以上は関与しないと約束しよう』 「ちょっとお父さん、何言ってるのよ」 『ワッフル、私にも立場というものがある。もうこれ以上は庇えない。ここからは自分の手でレギュラーを取れ。では失礼する。これから仕事があるんでね』  逃げるように通話を打ち切ると、ストロープの姿が一瞬にして消えた。 「――もう親父には頼れねえぞ」 「あんた、私に恨みでもあるわけ?」 「別にねえよ。今は1人でも多くの戦力が必要だ。人を選ぶ余裕がない。最初にお前の事情を知った時は、マジで可哀想な奴だと思った」 「それどういう意味?」 「お前も薄々気づいてるはずだ。明らかに打力がメルリーガーの域に到達していない。いつも自分の打席で流れを切っていたっていう自覚はないのか?」 「……確かに打力には自信ないわ。打撃は昔から苦手だったから、それでいつも守備練習ばかりしてたの。お父さんのコネがなかったら、今でもボトムリーガーやってたんじゃないかって思う時があるわ。私は試したかったの。自分がメルリーグで通用するのかって。最初はなかなかメルリーグに上がるチャンスがなくて、それでお父さんに頼んだら、嘘のようにすぐ昇格できた……でも結果は散々だった。私に対してDHが適用された時から――自分がメルリーグで通用しないことを悟ったわ。本当はすぐに身を引くのがチームのためだとは思っていたけど、その頃にはもう、ペンギンズが万年最下位のチームに成り下がっていたし、資金不足で補強もできない。だからずっとぬるま湯に甘えてた。正捕手の候補になりそうな人がいたら、お父さんに頼んでトレードしてもらってた」  ワッフルは常に正捕手で居続けたからくりを自供した。  目からは今まで思い詰めていたものが溢れ出ていた。自らの中にある毒を全て吐き出し、洗い流すかのように。  それは球団にとって、頭の上のたんこぶがようやく取れた瞬間であった。

 創成期はチーム最強打者が4番を打つのが当たり前であったが、次第に3番へと移り変わっていき、今では2番打者に最強打者が置かれている。しかし打力に劣るチームにおいては、最強打者に3番を打たせることも珍しくはない。  歴代ベースボール評論家たちの著書『ベースペディア』より

コメント

コメント投稿

スタンプ投稿


このエピソードには、
まだコメントがありません。

同じジャンルの新着・更新作品

もっと見る

  • 異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

    いろんな世界を書いてみたかった

    2,500

    0


    2022年8月14日更新

    異世界に転生した人は星の数ほどある、しかしその転生者たちは全員がチートを使えるわけでもなく、運命的な出会いがある訳でもない、ただ単純に日本で生活していた記憶があるだけでその記憶が異世界の生活に役に立つ訳でもない。 主人公はそんな転生者達を手助けする仕事についている、時には直接介入したり先に脅威を潰したりしてしる。 以下なろうからコピペ 若くして死ぬと異世界転生するらしい。 まさか自分がそうなるとは思わなかった。 しかしチートはもらえなかった。 特殊な環境に生まれる事もなく、そこそこ大きな街の平民として生まれ、特殊な能力や膨大な魔力を持つことも無かった。 地球で生きた記憶のおかげで普通び人よりかは魔法は上手く使えるし特に大きな苦労はしていない。 学校こそ身分の関係で行けなかったが平凡にくらしていた。 そんなある日、初めて同じ日本の記憶がある人と出会った。 なんでもその人は異世界に転生した日本人の手助けをする仕事についているそうだ。 自分もその職につけるようで参加してみた。 すると好感度が振り切った嫁をもらった。 それから自分も転生した人たちを助ける仕事を始めることになりました。

    読了目安時間:3時間35分

    この作品を読む

  • お疲れアラサーは異世界でもふもふドラゴンと騎士の世話をしています

    ハンドパワーでもふもふハッピーライフ!

    1,000

    0


    2022年8月14日更新

    お疲れアラサーが特に脈絡なく異世界転移した。幸運にもファンタジーワールドは平和真っ盛り。特に目立つチートはないが、魔王討伐の使命や身の危険もない。三食昼寝と快適なお家までついてくる。 ……うむ。やることがなさすぎて、逆に暇だ! じゃあせっかく異世界に来たんだし、ドラゴン(しかももふもふ!)のお世話係に立候補してみよう。 そんなこんなで、異世界でもふもふなドラゴンの面倒を見つつ、ついでにイケメン揃いな竜騎士の皆さんと仲良くしたりしつつ、のんびりハッピーに暮らしていく話。

    読了目安時間:24分

    この作品を読む

読者のおすすめ作品

もっと見る

  • Dual World War

    異世界転移×ロボアクション

    649,200

    9,740


    2022年8月10日更新

    もし今日生きる世界が明日に繋がらないとしたら……あなたならどうしますか? 平坦で窮屈な毎日がガラリと様変わりして人知れず悦びます? あるいは、充実した日々を何の脈絡もなく奪われて涙します? この青年、ごく普通の高校生:水奈 亮(17)は現在まさにそんな状況下に置かれている。 『昨日』と同じような『今日』を過ごし、『今日』に似た『明日』を迎える、そう信じていたのに…… ◇◇◇ 『昨日』に通じるようで通じない世界。突如襲来した謎の存在:外来生物により既存の秩序・規則が崩壊し、人類は新たなる国家・制度・価値観のもとに生まれ変わろうとしていた。それは日本とて例外ではなく、実質的な首都:東京と人口の約60%という尊い犠牲を払いつつも、新たなる首都:神奈川県新都小田原のもとで立ち直りをみせていた。 しかし、そんな日々をまたしても危機が襲う。5年前に世界の理を強制的に変えた存在、外来生物が首都近くの海域:日本のEEZ域内に侵入したのだ。 突然の出来事。『昨日』とは全く異なる状況から逃れることも戸惑うことすらも許されず、ごく普通の高校生は『昨日』とは少し違う親友と全く異なる幼馴染らとともに、迫り狂う『滅亡の再来』に対し特殊装甲ARMAで挑む! それが人類に与えられた【最後の希望】だと告げられて…… ◇◇◇ 現代世界に似た世界を舞台にしたSF長編作品。異世界転移を基本ベースにしつつ、ロボットアクションに、政治的な駆け引きに、早熟で未熟な恋愛劇にと、自身が好きな要素を「これでもか!」と加えています。登場人物が割と多めですが、主役・準主役以外にもスポットライトは当てるつもり。毎回いろんなことを調べながら記しているので更新は週1程度ですが、どうぞ最後までお付き合いませ♪ 【ジャンル別ランキング日間1位獲得】(2022.08.01) 【ジャンル別ランキング週間1位獲得】(2022.08.01) 【ジャンル別ランキング月間1位獲得】(2022.08.01) 【ジャンル別ランキング年間7位獲得】(2022.08.01) 【総合ランキング日間1位獲得】(2022.08.01) 【総応援数1,000件到達】(2022.08.07) ※日頃よりのご支援・ご愛顧ありがとうございます(*'ω'*)

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり
    • 性的表現あり

    読了目安時間:4時間27分

    この作品を読む

  • 紫亜乃ちゃんは、復讐したいのです!

    ひんぬーいじり、許すまじ!

    5,400

    5


    2022年8月13日更新

    ——「紫亜乃(しあの)、僕はさ、この状態から進行していった先にある究極の甘えって、紫亜乃の胸の突起に僕が吸い付くことだと思うんだ」 急いでジタバタして逃げようとする私を、優鋭(ゆうえい)さんはガッチリと掴んで離さなかった。 「まぁまぁ、そう慌てなさんな。知っての通り、僕は紫亜乃が嫌がることはしないよ。なぜこんなことを僕が言い出したのか、ちゃんと論理だてて説明する。この話を聞けば、むしろ紫亜乃の方から突起を差し出してくるから」—— 頭がよくて口の立つお兄さん彼氏にイジられてばかりの女の子が、日々復讐に明け暮れる。年下彼女の可愛い仕返し奮闘記!

    読了目安時間:2時間49分

    この作品を読む