恋のはじまりは、いつだって肘チチ

読了目安時間:1分

エピソード:2 / 4

広い円形劇場のように席配置されている講堂で、私は昨年単位を落とした一般教養の授業を受けていた。 間の休み時間に、後ろからいきなり大きな声をかけられた。 「あーーっ? 肘チチ男みーっけ!」 見覚えのある巨乳の女の子が、ドタドタと階段を降りてきた。 「あっ、キミは?」 「久しぶりね、痴漢未遂犯さん!」 いや大声で言うなよ! 聞くと、その子は同じ大学の一年生で名前はポワン亜希子(あきこ)、スウェーデン人のクォーターだと言う。 どおりで外人系の体と顔立ちだ。 私も自己紹介する。 「えと、麻生……(かい)さん? じゃあ快ちゃんでいっか!」 凄い距離の縮め方だ。 「快ちゃん部活はどこ?」 「ああ、旅研。旅行研究会だけど……」 「ワタシ部活まだ決めてないんだよね、快ちゃんの旅研に決めちゃおっかな!」 勢いもすごい。 「あの、なんで……? 自分痴漢と間違われたんでしょ?」 するとポアンちゃんはニッコリと笑い 「なんか喋り方が思いっきりクソ真面目そうだし。肩幅広い所に頭抱えて両肘広げてるところが、ジャミラみたいで可愛いじゃん!」 ジャミラかよ。 「いや、それは 『禍福は糾える縄の如し』 私の好きな言葉です」 ポアンちゃんはいつの間にかとなりの席に座り、物理的距離も思いっきり縮めてきている。 「じゃあ、この後はとなりで授業、受けちゃおっかなーーっと」 いやそれはいいんだけど ポアンちゃんの巨乳が、また思いっきり私の肘に当たってる。 「あ、その、ポアンちゃん。また当たってるんだけど」 「アア、いいのよわざとじゃなければ」 いや言ってることがよく分からない。 それからは毎朝大学で 「アッ! 肘チチいたよー! (^^)/おーい肘チチぃ!!」 と大声で呼びかけられるようになってしまった。

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