異世界ファンタジー 長編 連載中

機人の死神は眠らない〜親友に裏切られ、祖国を滅ぼされ、家族と師と主君を奪われ、半人半機となった彼は自死すら許されず死神と呼ばれる〜

作者からの一言コメント

彼に与えられたのは安息に程遠い日々だった

読了目安時間:2時間46分

機人の死神は眠らない〜親友に裏切られ、祖国を滅ぼされ、家族と師と主君を奪われ、半人半機となった彼は自死すら許されず死神と呼ばれる〜の表紙

——薄暗い夜 雲から僅かながら姿を覗かせた満月の明かりだけが周囲を照らし、 穏やかな風が草木をさざめかせる。 荒れ果てた廃墟の中で佇む男は苦悩していた。 男の右手に持った血塗れの銃剣は滴り、傍らには帝国の兵士が横たわっていた。 その呼吸は既に停止しており、辺りには沈黙が保たれていた。 男は自らのあらゆるものを奪った帝国の蛮行を決して許すことは出来なかった。 親友に裏切られ、家族を師を主を居場所を国を失ったのは疎か、 理不尽に己の半身すらも兵器へと変えられてしまった。 彼を突き動かしている感情はもはや復讐の念のみであった。 思い出されるのは幸せだった過ぎ去りし日々と 今は亡き彼女との最期の接吻だった。 これは一体何かの罰なのだろうか? どこで間違えたのだろうか? あの日、あの時、あの場所でどうすべきだったのだろうか…… いや、よそう、全てが遅すぎた……仕方のないことだったのだ。 己の無力さを嘆いた男の唇を乾いた風が撫でる。 男は幾度となく、自死を望んだ、 しかしそれすらも叶うことは決してない。 彼を縛るのは宿命と呪いであった。 彼の機械の左半身に埋め込まれた漆黒の水晶が怪しく光る、 これを何人にも奪われることはあってはならない。 ——黒の水晶(コア) 世界を滅ぼす禁忌の爆弾は、解除することも破壊することもできない代物だった。 そして彼の胸では彼のものではない心臓が脈打ち、命を刻み続ける。 しかし、彼は願わくば安らかに死ねる場所を求めていた。 やがて雲に隠れていた満月が露わになり、 月明かりが廃墟の全てを照らし出した。 そこに転がるのは夥しい数の死体の山…山… 男は世界中の国家や暗部組織から狙われていた。 しかし皮肉にも彼はすでに自身が奪われたもの以上の命を奪い続けていた。 静かな決意と共に軋む左手である義手を握りしめる。 男はその身尽きるまで闘い続けるのだろう…… 一陣の風が駆け抜けた時にはすでに男の姿は廃墟の何処にもなかった。 今宵も機人の死神は眠らない。

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作品情報

作品名 機人の死神は眠らない〜親友に裏切られ、祖国を滅ぼされ、家族と師と主君を奪われ、半人半機となった彼は自死すら許されず死神と呼ばれる〜
作者名 τελαδοηβυλι
ジャンル 異世界ファンタジー
タグ ミリタリー 魔法 チート シリアス ダーク アクション/バトル 男主人公 西洋風 ロボット
セルフレイティング 残酷描写あり
暴力描写あり
初掲載日 2021年6月12日 20時00分
最終投稿日 2021年8月27日 17時39分
完結日 -
文字数 82,964文字
読了目安時間 2時間46分
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