異世界転生物語〜願いが現実になることがある〜

読了目安時間:4分

前回のシャーロのあらすじ。 海上都市ラグーンに来たシャーロ達。 そこで魔獣クラーケンを倒し、領主のカインと出会う。 エルフのサシャを救うため、領主カインに頼まれ、 ダンジョンに行くこととなる。

18.いざダンジョンへ

拝啓 お母様へ ご機嫌いかがでしょうか? 私は元気です。約束通り絵葉書を送ります。私は今海上都市ラグーンにいます。 実はこの度ダンジョンに行くことになりました。冒険者の醍醐味ダンジョン。楽しみです。 今回は、私の冒険者の仲間を紹介するわ。 まずは、剣士のキャロル。 海上都市ラグーンの領主の甥っ子。見た目はイケメンなのに騒がしいのが残念ね。残念イケメン。 回復魔術師のシルビア。 いつも仮面をかぶって、ほとんど喋らない人。私が話しかけてもあまり返事が返ってこないわ。でも雰囲気はイケメン。不思議イケメン。 魔法使いのエミリ。 お母様も良く知ってるので割愛。本当の姿はかなりイケメンよね。 イケメンオブイケメンね。 最後にトレジャーハンターのパセリ。 ダンジョンでは重要な役目を持つみたい。 領主のおすすめで入ることになった愛嬌のある頼れるお姉さん。 この仲間で行ってきます。期待と不安が入り混じってドキドキです。無事に帰れるようにがんばります! 帰ったらまた手紙書きます。           シャーロットより 「シャーロ、まだか?そろそろ行くよ。」 「うん。今お母様に手紙送っていたの。」 海上に浮かぶ船。先に仲間に「お待たせー。」と声をかけてエミリとシャーロは乗り込んだ。 ダンジョンがある島は大きくなかった。岸壁だらけで高台に申し訳ない程度に木々がある島だった。岸壁の間にある洞穴がダンジョンの入り口だった。 入り口から覗くと真っ暗で先が見えない。 「よーし!行くぞー!」 キャロルが大きな声で気合を入れていた。 「ちょっとキャロル、リーダーは一応エミリだから、そういうのはエミリに言わせて。」 「誰が言ってもいいですよ。 では、行きましょう。」 入り口に入るとパセリが大きなリュックから 魔道具を使って明かりを点けた。パーっと洞窟内が眩しくない程度で幅広く光る。 「パセリは便利な道具持ってるね。」 「こういうものを用意するのも私の仕事だからね。シャーロ、洞窟内は足元に気をつけてね、奥に行くほどトラップがあるかもしれないから。」 「はい。」 たしかにゴツゴツの床、全体に湿っぽいダンジョン内は歩きにくかった。 その中を慎重にシャーロたちは歩き続けた。 「何かくる。」 パセリがみんなの足を止める。 「バタバタバタバタバタバタ!!」 空中を素早く何が飛んでくる。 「きゃー!ファイヤーボール!」 咄嗟にその集団に、シャーロは魔法を打つ。 ほとんどが黒焦げに消し飛んだ。 「シャーロ落ち着かないとダメだよ。 ダンジョン内は火炎弾撃つときは屋根が崩れる可能性があるから周りに気をつけて。」 「お前、ちょっと考えろよな。俺の頭見てみろよ。」 キャロルの髪の毛がチリチリに焦げてた。 「すみません。」 「シルビア回復魔法してくれ。」 「…必要ないです。魔力の無駄。」 「何でだよ!髪の毛チリチリだぞ! もう、シャーロは落ち着いてくれよな。」 「はい。」 パセリは黒焦げになったモンスターを観察している。 「今のは、ボーンバットね。 アンデット系のコウモリ。 もしかしてこのダンジョンがアンデット系かもしれないわね。」 すると地面が突然ひび割れ始める。 「ズズズズズッ。」 低い音から出てきたのは人型のアンデットだった。 「また出たわね。」 今度は落ち着いて敵の頭に圧縮したファイヤーボールを打ち込む。 うまく命中し敵の頭が粉々に吹き飛ぶ。 「やった。」 「まだだ。次々に出てくるぞ。」 キャロルが敵をなで斬りながら叫ぶ。 「やばい、あちこちから出てきてる。囲まれるぞ!」 来た道にはすでにアンデットが溢れ始めていた。 「みんな!敵が手薄な奥に行くんだ!走れ!」 パセリとキャロルを先頭にして走り出す。しんがりにエミリが残り氷の魔法で壁を作る。 しかし、氷の壁はアンデットの持ってる骨の棍棒で叩きわられた。 「くっ、足止めにならない。」 前方からはボーンバットの群れが羽ばたいて飛んでくるキャロルとパセリが剣で追い払うが傷だらけになっていく。 シルビアが二人に向かって回復魔法をする。 「ヒール!」 みるみる傷が治るが、敵の数は増える一方。 「みんな!敵は無視して、駆け抜けるんだ!」 エミリの言葉に答えるように、みんなで走り抜ける。空を舞うボーンバットから傷を負いながら走るが致命傷にはならない。傷が酷くなるとシルビアがヒールをする。 アンデットは足が遅いようで少しづつ引き離していった。 「見えたわ。大広間がある!」 パセリが言うと、エミリが答える。 「よし!そこで敵を迎え撃つ。」 大広間にたどり着き明かりが照らされると水辺に囲まれた天井が高い空間だった。通路には次第に迫る無数のアンデット達。 「ガシャガシャヴシャヴシャ!」 通路から音がひしめき合う。 「何百匹きてるんだよ!?」 キャロルが叫ぶのもわかる。 「シャーロ、出番だ! 通路に向かって思いっきり打て!」 「わかったわ!」 渾身の魔力を込める。通路に入るように強くなるべく小さく。 「いけー!ファイヤーボール!」 通路にひしめき合うアンデットに向かって高速で放たれる火炎弾。 着弾と共に轟音がする。 「ドゴォォォォォン!」 充満する土煙。 「やったの?!」 「やったみたいね。いや、やりすぎね。」 アンデット達は沈黙したようだが、通路の入り口は魔法の威力により天井が崩れて埋まっていた。 「どうしよう…帰り道なくなっちゃった。」 シャーロは涙目になってエミリを見た。そして、仲間たちは一同呆れた顔でシャーロを見た。

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