異世界転生物語〜願いが現実になることがある〜

読了目安時間:3分

37.魔都市ヴァルヘイユ城に現れし者

ヴァルヘイユ城では、会議が開かれていた。 以前の四天王は解体され、魔王バレル以下、新たな四天王が集まっていた。牛の顔をしたマムロー、黒いローブに包まれたクロイ、白い顔で大きなツノのシロイ、そしてムラサキが代表として取り仕切っていた。 「今回の議題は、人間族の予言の巫女の噂だ。」 「例の魔王姫を復活させると言うやつか? 死んだのではないか?その千里眼の娘は。」 牛の顔したマムローが質問をする。 「いえ生きている。」 「生きているのであれば、探し出して利用すれば良い。」 「探し出すのに手間取っていた。しかし、黒の一団から情報がきた。」 「情報?その人間族の組織は当てになるのか?」 「金を払えば何でもやる。」 「ふん。人間族は汚いな。」 魔王バレルは、ゆっくりと話し出す。 「魔神復活には、魔王姫が必要だ。 我ら魔族繁栄のために、魔神こそ我らの神なのだ。 シロイ、クロイ。その娘を連れてくるのだ。」 「はっ。わかりました。」 「御意。ではすぐにでも。」 二人が立ち上がると、突然部屋の扉が開いた。 開いた扉に、人間族の男が立っていた。 「何者だ?」 シロイが近づく。 「お前、人間だな!どこから入った!?」 シロイが殺意を出し、掴み掛かろうとするとシロイの首が一瞬で吹き飛んだ。 「シロイ!?」 クロイが魔法を放とうとした瞬間、男は一刀で頭を半分にした。 一瞬で四天王の二人は殺された。マムローが斧持って攻撃しようとした時、魔王バレルは声を荒げた。 「やめろ!!まさか…あなたは…」 その男の手には見覚えのある魔剣ラグナロクがあった。ゆっくりとあたりを見回す。魔王バレル達は息を呑んで警戒する。 「わしは、魔神だ。」 「魔神って、人間族のお前がか?」 マムローが警戒しつつ話すと。 「ふむ。実は自分でもよくわからんが、魔神のようだ。」 魔王バレルが認める。 「そのようですね。先ほど一瞬見せた魔力の片鱗があなたの存在の大きさを示しています。」 「わしは物事をよく覚えていない。ただ、何か感じてここに来た。お主らわしを知っておるか?」 「私は魔族を束ねている魔王バレルと申します。 魔神は、我々魔族を作った神と伝え聞いております。」 「そうか…なぜかわからんが記憶の一部が抜け落ちたようで覚えておらん。 ただわかることがある。この体はしばらくしか保たん。完全復活のための身体が必要となる。さすれば記憶も戻るや知れん。」 「それは魔王姫の身体でしょう。」 「魔王姫?それはどこにある?」 「わかりません…ただ、それを見つけられるものがいます。」 「ほう。」 「滅びの巫女と呼ばれ、千里眼の能力を保つ人間族の娘です。」 「そいつはどこにいる?」 「今は、ドワーフの国に。神都ミハエルに向かうそうです。」 ムラサキが答える。 「ではそこに行こう。」 魔神は早速、立ち去ろうとする。 「お待ちくだされ!」 「なんだ?」 「このムラサキを道案内に連れて行ってください。」 「確かに場所がよくわからん。時空剣では行けないようだ、そのムラサキとやら案内せい。」 「はい。」 魔王バレルは小声でムラサキに指示をする。 「定期連絡をしろ。それと、いざとなったらわかるな?」 「…わかりました。」 ヴァルヘイユ城の屋上では魔神とムラサキの二人がそれぞれの飛竜に乗り飛び立った。それを見守る魔王バレルは、不敵な笑みをしてつぶやいた。 「ついに我ら魔族の時代が始まる。フフフ。ハーハッハ!」

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