SF 短編 完結済
読了目安時間:9分
総エピソード数:1話
俺たちは二人で一つだった。 あいつがいれば、怖いものなんてなかった。 何にもなくなってしまった俺は、また今日もあの喫茶店へと足を向ける。 長期連載の天蓋のジャスティスケールとは関わりのないものになります。 もし、こちら読んでいただいて興味持っていただければ是非とも天蓋のジャスティスケールもよろしくお願いします。
総エピソード数:1話
もっと見る
もっと見る
『リソース』という形のない、まるで仮想通貨のようなものが貨幣の代わりに使われるこの時代――日々の労働の対価としてだけではなく、なにか『新たなもの』を生み出せたものにその『リソース』が分配されるシステムがネットワークを介して成立していた。 『リソース』があれば何でも手に入れることができる。それはクリスマスのおもちゃに始まり、果ては原油を満載したタンカーでも一個人が『つくりあげる』ことができるのだ。 すべての財が個人によって簡単に製造される社会の変革、これを後世の歴史家は『リソース産業革命』と呼称した。 その背景にあるのがVRレイヤー技術の発明である。このシステムにより新技術と『リソース』が効率的に結び付けられ、企業は新たな生産方式を獲得することができたのである。VRレイヤーはまた、『ものづくり』をも活性化させた。他の者より効率的な技術や製品を提示することで、『リソース』が多く付与される。場合によっては対戦相手の『リソース』も自分のものとすることができるのだ。 最後の世界大戦と幾度の経済危機を乗り越え、『此の国』は世界で最初の『リソース』産業革命を成し遂げ、繁栄を極めていた。 こんな時代に生まれた少女、悠月(ゆづき)桜(サラ)は誓う。VRレイヤーの対戦を通じて、『リソース』を集めることを。友人たちと戦いのなかで彼女は更に思いを募らす。自分の夢見ていた『あの船』を作るために、『リソース』を集めることを。自分のよく見る夢の『亜の国』の記憶を胸に――
読了目安時間:11分
作者からの一言コメント
試しにもう一度。