刃を向ける覚悟

読了目安時間:9分

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登場人物 ツキシロ・オモテ ヒノモト・ウラキ タイラ・カズミ

待ち合わせはいつもの場所で

 かつて、この世界は悪の軍団によって支配されていた。  しかし、二人の高校生が世界を再び平和にした。 「いくぜ、相棒!」 「あぁ、ぶちかますぜ! ダチ公!」  俺たちは、いつも二人で一つだった。  どんなにピンチや困難でも、どんなに苦しくても痛くても相棒さえ、、二人なら乗り越えられる。  ……そう思っていたんだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  扉を開けると、カランカランと入口のベルが鳴る。 「いらっしゃいまーー。なんだ、オモテか」  俺を見るなり、幼馴染のタイラ・カズミが小さくため息を吐く。 「なんだはねぇだろ、なんだは。大事な、客だぞ!」 「そういうのは……ふんっ!」  カズミが大量の請求書を俺の目の前の机にドサリと置く。 「このツケ。ぜーんぶ払ってから言ってくださいー!!」 「……アイスコーヒー」 「お代は?」 「……ツケで」  カズミが、大きなため息をつきながら厨房へと入っていく。  俺以外誰もいない。……平和だなぁ。心からそう思った。  こんな日々がまた訪れるなんてあの頃は夢にも思わなかった。  街は荒れ果てた荒野のように何もなかったのに、今ではすっかりと街としての賑わいを取り戻している。 「……こーんなさえない借金男が世界を救ったヒーロー、、だなんて誰も信じないわよね」  そんな憎まれ口を叩きながら、カズミが目の前にアイスコーヒーを置く。 「サンキュ。んっ!? なんだこれ! にがっ!!」 「ツケで飲んでる人に使う、ミルクやガムシロなんかありませーん」  そう言って、カズミがニシシと笑っている。  俺が守り通したかけがえのない存在……。カズミがこうして笑っているだけで幸せな気持ちになる。 「ツケとはいえ、いつか払うつってんだろ! それをお前はーー」 「そのいつかはいつよ? まったく、いつまでプー太郎してるつもり?」 「仕方ねぇだろ……どこも雇ってくれねぇんだから……」 「あっ! うちでバイトする?」 「ぜってぇーイヤだ!!」 「なんでよー!!!」  そんないつもと変わらない軽口をカズミと共に叩く。  かつてはヒーローであった俺が現在は無職のプー太郎なんて笑えもしない。  現在俺は、カズミの両親の生前のご好意でこの喫茶店の2階の部屋を借りて生活している。 「ねぇ?」 「あん?」 「……今日は、腕、、大丈夫?」 「あー……」  カズミに言われて、人と逸脱した左手を見つめる。  最後の戦いの最中、俺は、、俺たちは体の一部を欠損した。  仕方ないことだと俺も、相棒も笑っていたけど……カズミだけは違った。  自分のせいだと、子供のように泣いていた。  これは、カズミを守れた証なのだと……俺は少しこの人外じみた腕を誇らしく思っていた。  力の暴走? というのが起きて時折痛むことはあるが、カズミを失うことに比べればなんてことない代償だった。   「そういや、、夢を見たんだ」 「夢?」 「戦ってた……。ノワールとして……。」  ノワール。ダークネス帝国と戦ってた俺の姿。  もうヒーローとして戦うことはないので、過去の名前だ。 「……ウラキと一緒に?」 「いや……」  ヒノモト・ウラキ。  ブロンに変身し戦う、俺の相棒だった。  ダークネス帝国との戦いの後。  ウラキは、一枚の書き置きを残して姿を消した。  書き置きには『カズミちゃんと幸せに! 俺は、俺の幸せを探しに行く』と一言。それ以外は何も書いていなかった。  ウラキには、ウラキの考えがある。  だから、それ以上深く関わることはしなかった。  でも、、きっとどこかで元気でいる。そう、、信じていた。 「珍しいね……。ウラキ君がオモテの夢に出てこないなんて。」 「あぁ……。だからかな? なんか、嫌な予感がするんだ」 「嫌な予感?」 「……なんでもねぇ! さぁーて、カズミが淹れたにがーいコーヒーを飲むとするかぁー」 「どうぞ、にがーいコーヒーを召し上がれ」  そうやって笑い合っていると、そんな幸せをぶち壊すようにけたたましい警報音が鳴り響いた。  もう、何年も聞いてないその音で俺とカズミは目を合わせてアイコンタクトをする。 「カズミ!!」 「うんっ!」  カズミが、すぐにテレビをつける。  テレビでは、レポーターが慌ただしく現状を説明しており。街には大きなクレーターのような穴が開いていた。 「オモテ……!!」 「なんだよ……。これ……。」  言葉を失う。これはまるで………。 「オモテ……」 「まだ……終わってなかったんだ……」  俺は、机から変身ブレスを取り出し。  コートを羽織り、入口を勢いよく開けて外に出る。 「オモテ!!!!」  カズミの声に振り向く。 「帰ってくるよね?」 「当たり前だろ」  俺は、そう言ってノワールに変身し急いで街へと向かった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「なんだよ……これ……?」  中心部にたどり着いた俺が、見たのはたくさんの人の悲痛な叫びと、怒声と泣き声だった。 「っくそ!!」  俺は、人混みをかき分け。渦中へと飛びこむ。  そこで、俺が見たのはかつての敵。  ダークネス帝国の雑兵だった。 「ざけんなよ! てめぇら!! ノワール・ブレード!!!」  俺は、自分の左腕をロングソードの刀身へと変形させ、雑兵の中へと飛び込み。怒りのままに次々に斬り伏せる。 「っくそ!! 雑魚ばっかじゃねぇか!! 親玉はどこだ!!!」  斬り伏せていく内に、雑兵の中心に立ち。一際オーラを放っている人物を見つける。 「見つけたぜ! お前が親玉だな!! 絶対ゆるさねぇからな!!」  俺は、ノワール・ソードを構え。敵の親玉らしき人物に斬りかかった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  パリーン  食器棚から、グラスが一つ落下する。  嫌な予感が胸をよぎった。  でも、信じるしか私にはできない。ふと、オモテと私とウラキ君の3人で取った写真が目に入る。  少し、埃かぶっていたので軽く払う。  笑顔で笑う私と、驚いた顔をした二人。  この時、不意打ちで後ろから二人に飛びついたんだっけ? 「また、、3人で会いたいな……」  避難を伝える、放送が鳴り響くが私はここを離れるつもりはなかった。  ここが二人の帰ってくる場所。その場所を守るのが私の役目だから……。 「……もー。せっかく淹れたのに……」  すっかり氷が溶けきった、アイスコーヒーにストローをさして、一口飲んでみる。 「本当だ。苦いや」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  信じられなかった、俺の攻撃は親玉らしき人物にはまるで効いていないようだった。  攻撃が当たる瞬間、そして攻撃を放つ瞬間光がそいつの周りに集まっていく。  そんな戦い方をするやつを俺は一人知っている……。 「……おいおい、、なんて、笑えねえ冗談だよ……。」    目の前の人物をしっかりと見据える。相手も俺の方を目で捕らえているためか周りの雑魚も動かず静かな時間が続いていた。 「ったく……何してんだよ!!! ウラキィィ!!!」  相手がそれに応えるように、両足から黒いオーラを吹き出し変形した右腕の銃口から光の光弾を放つ。  俺は、とっさにそれを避け。背後に待機していた雑魚にあたり消滅する。 「……やっぱ、ブロン・ガンか……」  疑念が確信へと変わる。やはり、目の前の人物は変わり果てた姿ではあるが……。親友そのものだった。 「こんな形で再開するとはな……」  見る限り、ウラキは正気ではなかった。今は全身から吹き出ている黒いオーラ……それによってなにかに操られているように見える。 「おいっ! ウラキ!! お前、何ふざけてんだ!! そんなやわなもんに負けるほどお前はーー」  目の前に光の光弾が飛んでくる。 「っくそ!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「オモテは、ミルク2つ。ガムシロ3つ、、ウラキ君は……ミルク1つだけ入れておこ」  独り言のように、ぶつぶつと何かを言いながら私はマドラーで二人分のアイスコーヒーを混ぜる。 「早く帰ってこないと、氷溶けちゃうぞー」  そう言って、私は少しだけ楽しい気分でひたすらにかき混ぜる。 「……かえってくるよね……ふたりとも……」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ウラキ! なぁ!! 聞いてんのかよ!! ウラキ!!!」  光弾を避けながら、俺は必死にウラキに呼びかける。 「わかってんのか!! 俺たちが争って! 1番悲しむのはカズミだっ!!! 俺たちは!! カズミの笑顔を守るために戦ってきた!! 違うか! ウラキ!!」  俺の声が届いたのか、ウラキの攻撃が止まる。 「……ウラキーー」  しかし、その数秒後ウラキは足の黒いブースターで俺に急接近し銃口で俺を思いっきり殴りつけた。  突然の攻撃に反応しきれなかった俺は、そのまま数メートル先に吹っ飛ばされた。 「なんで……なんでなんだよ!! ウラキ!!」  銃口を構えて、ウラキがゆっくりと俺に近づいてくる。 「……俺か? 俺のせいか? 俺が、、カズミのことばかりでお前を……大事にしなかったからか?」  目の前の銃口に光が灯る。 「なぁ!! そうなのか? ウラキィ!!」  そうだと肯定するように、銃口から光が消え。真っ直ぐにウラキは俺を見つめていた。 「……なんだよ……だったら、そうはっきり言えば良かったじゃねぇか!! 今更俺たちの間に遠慮なんていらねぇだろ!! 俺とお前の友情はその程度のものなのかよ!!」  黒いオーラーを後方に吹き出して、ウラキは俺と距離をとる。 「わかったよ……。お前が望むんならとことんやってやる。お前の今までの気持ち!! 俺が全部受け止めてやる!!」  ウラキが左腕で拳を作り、再び黒いオーラーを吹かせながらこちらへと迫ってくる。 「いいぜ!! お前とこうして喧嘩すんのもいつぶりだろうな!! ウラキ!!!」  俺も、右腕を高く掲げ拳を作り。ウラキを迎え撃つように駆け出した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「あーあ……。男の子っていいなぁ」  ほとんどが避難し、いつも以上に静かになったこの街で私はのんきに一人自分のグラスをかき混ぜていた。  テレビには上空の少し離れた場所から撮っているであろう二人がクロスカウンターを決める瞬間が映り込んだ。 「……本当。男の子ってバカだなぁ」  昔、ウラキ君に聞かれたことがある。  オモテを本当に好きなのかどうか。  だから、私は精一杯の大好きを彼に伝えた。  彼は、呆気に取られた顔をしていたけど。  やがて小さく笑って「負けた」って言って、どこかに行ってしまった。 「……今だけは、オモテを貸してあげるから。今度こそ。全部伝えなよ。ウラキ君」  私は、ストローで一口飲んで二人の行く末を見守っていた。 「……でも、ちょっと羨ましいな。男の子って」  私にはきっとわからない。  きっと二人だからわかる、何かがあるのだろう。  だから、私はボロボロになって帰ってきた二人を明るく出迎えてあげよう。  労いも込めて、アイスコーヒーをサービスして。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「へっへへ。次で決めるぜ!! ウラキィ!!」  俺が、ロングソードを構え。ウラキが銃口を俺に向ける。 『……ありがとな。ダチ公』  幻聴かも知れない。でも、たしかにウラキの声が聞こえた気がしたんだ。  それが何故かたまらなく嬉しくて、俺は口角をグッとあげる。 「行くぜぇ! ノワール・ソード!!!」 『撃ち抜け! ブロン・ガン!!!』  どちらがではなく、ほぼ同時に駆け出す。 「ウラキィィィィィ!!!!」 『オモテェェェェェ!!!!』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  また、きっと。3人で過ごせる。  2人のアイスコーヒーを私が作って、それを見ながら、、苦いのが苦手な私はアイスココアを飲む。  そんな日常。そんな当たり前の日常がいつかくる。  いつか、必ず、変わらない、この場所で。  いつまでも……いつまでも……。

やっぱ、拳と拳のぶつかり合いって良いと思うんですよ。 そんなバカ2人を見守る幼馴染の女性っていうのも……。 考え方古いですかね?(笑)

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