「無敵転生 ――全チート、フル装備。」 この異世界で、ハーレムマスターに俺はなる!

第34話『わざとらしくついたおでこの赤い痕』

 ナイアたちが手伝いに向かったのを見送ってから。 「それじゃ今度こそ家に戻るか」 「うん、かえろ」 「そうですね」  戻りかけたところで、 「……あれ、セーヤさん、おでこが少し赤くなってます」  言いながらウヅキが俺の前髪を軽く押し上げた。 「おでこ? 場所的に自分では見えないけど、赤くなってる? そんなとこ当たった覚えはないんだけどな……」  今回の戦闘で受けたダメージと言えば、せいぜい金棒が前髪をかすったくらいだ。  そんなことでおでこが赤くなるわけがない。  ――ふと気づくと、いつの間にかラブコメ系A級チート『わざとらしくついたおでこの赤い(あと)』が発動していた。 「またこれかよ……いやいいんだけど、全然いいんだけどね?」  むしろウェルカムなんだけれども。  しかし前回が『わざとらしくついた手の甲の擦り傷』だったのに対し、今回は『わざとらしくついたおでこの赤い(あと)』である。 「芸が細かいのか、単に同系異種を量産することでチートの数を水増ししているのか……アリッサは希望に満ち満ちていたけど、それでもところどころ勤め人の悲哀っぽいのが見て取れたし、後者の可能性も否定できないな……」  同じ雛型(ひながた)から微妙に違うものを複数作り上げて成果とする、いわゆる仕事した振りというやつだ。  疑念は尽きないが、それは今の俺が考えても仕方のないことだ。  そもそも俺はそういう(わずら)わしい(しがらみ)から解き放たれて、夢の異世界転生を果たしたのだから。 「まなしー、けが?」 「いいや、あってもちょっとしたかすり傷だよ」 「でも、おでこ、あかい……おねぇ、まなしーに、いつもの、やったげて」 「いつもの?」 「うん、いつもの」  姉妹の間にはそれだけで通じるものがあるようだった。 「そうですね……じゃあセーヤさん、ちょっとかがんでもらってもいいですか?」  とりあえず言われた通りに少しかがんでみた。  すると、ちょうど俺の顔がウヅキの胸の前あたりにくる。  改めて近くで見てみると、うん、もの凄い質量のおっぱいだな……。 「ごくり……」  なんて考えていた時だった。  ウヅキは有無を言わせず俺の頭を抱きかかえると、そのままそのスーパーヘビー級の胸へと俺をいざなったのだ。 「う、ウヅキ――っ!?」  ぎゅむっと双丘に押し当てられた俺の頭は、ずぶずぶと柔らかけしからんおっぱい沼へと沈んでいく。  し、しかもなんということだろうか!  なぜかウヅキのブラウスの胸元のボタンが外れていて、俺の頭は服の中に半ば入り込んでしまったのだ!  ラブコメ系S級チート『ラッキースケベ』が連鎖して発動したのだ!  さらに、な、な、なんということだろうか!  押し付けられた弾みでブラジャーがたわんで隙間ができ、俺の顔はブラジャーの中にまで入り込んでしまったのである!  つまり、やわらかいおっぱいが(じか)に俺の頬に、むぎゅうって感じで触れてしまっているのだ! 「いたいのいたいの、飛んでいけー」  ウヅキはこれまた定番のフレーズをやってくれるんだけど、 「くっ、それどころじゃない……っ!」  さ、先っぽのぽっちが、俺の口元に押し付けられている……!  このままでは入る、ぽっちが俺の口の中に入ってしまう……っ!  いや、既にくちびるに先っぽが押し当てられて、ぐいぐいと分け入ろうとしている……っ! 「これ、ハヅキが痛い時とかしんどい時にいつもやってあげてたんですよ」 「まなしーにも、きっと、すごくきく」 「お、おう、そうだな!」  効きすぎだ、効きすぎだとも!  しかも今話した瞬間に、ほんのちょっぴり、先っちょをくちびるで挟んでしまっていたような……!?  柔らかいのにこりっとした感触が、一瞬くちびるの間にあったような!?  ほんと誓って不可抗力なんだけども――いやその、ほんのわずかに期待感、的なものもなかったわけじゃないんだけれども! 「ば、ばれたか……?」 「いたいのいたいの、飛んでいけー」  だ、大丈夫だ、気付かれていはいない……!  落ち着こう、まずは深呼吸をするんだ。 「すーー、はーー」 「あん……セーヤさん、くすぐったいですよ」 「ご、ごめん……!」 「ふあっ! もう、セーヤさんのえっち……」  ちょ、今、ウヅキがすごくえっちな声出したんですけど!?  身体がビクッてしたんですけど!? 「でも、そういうとこも含めてセーヤさんは素敵なんですけどね。きゃっ、言っちゃった! えへへ」 「お、おうよ」 「ん――っ!」  ……オッケー分かった。  どうやら俺が喋ることで、息がさわさわと敏感な先っぽを刺激してしまうようだった。  しかもだ。  深呼吸をしたせいで、ウヅキのいい匂いが俺の身体の中を余すところなく満たしてしまったのだ。  頬に当たるおっぱいの感触と相まって、俺の下半身がむくむくと鎌首をもたげようとしている……っ!  だがしかし、そこは、だめなんだ。  なせなら、なぜならそこは今、ハヅキが抱き着いているところだからだ……!  このままではおっきしたアレを、純真無垢な小さな子に押し付けることになってしまう!  もはやウヅキのふかふかおっぱいの感触と匂いを堪能してる場合ではない!  ……こうなったら最終手段を取るほかはない。  俺は呼吸を、呼吸を止めるぞ! 「昔からよくハヅキにはこうやってあげてたんですよ」 「……」 「他に人にするのはセーヤさんが初めてですけどね、えへへ」 「…………」 「いたいのいたいの、飛んでいけー。はい、もう大丈夫ですよ……ってどうしたんですかセーヤさん、ものすごく苦しそうなんですけど!? あの、よかったら、もうちょっと続けましょうか?」  ウヅキの極上ヘッドロックから解放された俺は、 「はー、はー、いや、もう治った……から……ぜー、はー、ウヅキのおかげ……はー、ふー……だな……」  再び呼吸を再開し、ぜーはーと荒い呼吸を整えたのだった。 「あの、本当に息が苦しそうなんですけど……?」 「ぜー、はー、気にしないでくれ……これが俺の回復スタイルなんだ……」 「えぇぇっ!?」  そんなこんなで。  俺はハヅキに変態行為を働くことなく、事無きを得ることができたのだった。

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