マジョルカ・マジョリテ

読了目安時間:11分

エピソード:52 / 65

Ⅻ エルモア再来

   彼らに緊張感が走った。 「誰だ!」  神殿の中心部に侵入者が現れたのだ。  まさか、魔物のたぐいか──、 「──迷っちゃった☆彡」  乱れた髪を指で梳きながら、女はあらためてまわりに視線をやっている。 「久しぶりに来てみれば、こんな大きな街になっていたのね。びっくりしたぁ」  甲高い声でくすりと笑った。  髪は肩までしかなく、あまり見慣れない服装だった。 「女――、どこの者だ」  メイファイアは捕獲するため、指先から青い稲光がバリバリとほとばしった。  すると、彼らのあいだを老骨なラ・メルが走りぬけていく。 「ああ、ああっ──、なんという言うことでしょう!」  翁は、つんのめりながら王座の下にはいつくばった。 「やはり、ここに来られると思っていました。お待ちしておりました!」  見上げながら、眼には涙をためている。 「あなたは?」 「メルでございます。ビオレタ村のメルです」  女は驚いたように口をぽかんと開けていたが、あらっと小さく叫んだ。 「子供だったのに」 「あのころは何も知らぬ(わっぱ)でした」 「しばらく見ないあいだに、ずいぶん老けちゃったのね」 「面目ございません」 「ふふっ、そういう生真面目なところは変わらないわね」  女は王座から立ち上がると、メルのそばで片膝をつき、手を差し出した。 「元気そうね。ふたたび会えて嬉しいわ」 「もったいないお言葉です」  このやり取りを、ヴァインたちは呆気にとられて見つめていた。 「もしや」  ヴァインは慌てた。この不意打ちのような出現。  ジョシュアのときも思ったが、まったく予想もつかない彼らの性質。 「尊師。そちらの方は、もしや……」 「おおっ、エルモアさまだ」  エルモア──エミカは、ヴァインと眼があうと可愛らしく微笑んだ。  ミモレ丈の生成りのワンピースと春色の淡いピンクのストールを首にまき、ショートブーツを履いている。 「こ──この方が……?」  だがヴァインは、あまりの違和感にすぐに礼を返すのを失念するほどだった。  彼らが伝え聞いたエルモアは、赤い髪をなびかせ、とても卓越し、闘いの女神との異名を持っていた。壁画のモチーフも、星や惑星など、あらゆる万物を自由自在に操れる能力を秘めていると描かれている。しかし目の前にいるのは、とても普通としかいえない女性だった。 「ご──挨拶が遅れまして申し訳ございません。(わたくし)はヴァイン・レイルと申します」  ヴァインは気をとりなおし、深々と頭を下げた。 「ええっと、なんだったかしら?」  エミカは頬に手をそえ、顔をかしげる。 「ラーガの後継者がいるって聞いたのだけど、それはあなたのこと? わたしは、ダージョがルークから聞いた話しか知らなくて、今の魔界の事をほとんどわかってないのよね……」 「ダージョ? あ……ルークからですか」 「ええ、大総師とかなんとか──」  ヴァインは苦笑いを浮かべた。 「おそらく、私のことでしょう。亡きラーガさまに代わりこの地を治めるべく、若輩ながら勤めさせていただいています」 「そう。あなたなのね。良かった、会えて」  エミカは、にっこりと笑った。  真横では、ラ・メルがうれし涙を流していた。  幼少に別れて以来、どれくらい月日が経ったのだろう。体は衰え、魔力も年々弱まっていく。  ラグラーンの《核》が魔界に戻ったのか、大地が揺れ、火山が爆発した。  サコリアズの大陸は漆黒の闇に侵されそうだったが、それを押しとどめるほどの力を目の当たりにした。  メルは確信した。  魔界にエルモアが帰ってくる。  おそらく王都に姿を現すはずだ。  なぜなら彼女は、この場所から忽然と姿を消したからだ。  メルはあの日を思い出し、さらに幼き日々の情景が目にうかんだ。         ☆彡  ☆彡  ☆彡    コルドにあるビオレタ村は、ガイゼルという魔獣に襲われた。  多くの村人は死に、メルの親や兄弟たちも亡くなってしまった。  メル自身も、体中が腐りかけている。  ガイゼルの体から放たれる胞子を吸うと、肺が爛れ、体の皮膚が壊疽(えそ)していくからだ。  南西部を訪れていたラーガの一派は、さまざまな魔物を討伐しながらその村にやってきた。そのなかに、ノモルドの〝白き狼〟との異名を持つ、カリージャスという男がいた。 「坊や、聞こえるか」  メルは息も絶え絶えで、返事さえもろくにできなかった。  カリージャスは暫くメルの体を診ていたが、すっと手を引いた。 「母さんに会いたいか」  痙攣しながら、メルはコクリと頷いた。  母さんに会いたい。父さんに会いたい、弟や妹たちに会いたい、と心のなかで頷いた。 「そうか、会えるといいな」  カリージャスも頷き、ひとつの決断を下そうとした。  帯同(たいどう)していた薬師に目配せすると、メルに薬らしきものを飲ませようとした。  それは、安らかな死を迎えるための薬──、 「待って」  それを制する声が響いた。 「その子──私がもらう」 「もらうって……、なにをいっているんだ。この苦しんでいる状態がわからねぇのか」  カリージャスは、これほど壊疽が進んだ体はもう持たない。ならば、早く楽にさせてやったほうがこの子のためだといった。だが、相手は承諾しなかった。  薬師によれば、治癒術を施してみても、ガイゼルの毒に阻まれてあまり効果はない。ほかの手だてとなると、一角獣でもあるガイゼルを倒し、その角を煎じて飲ませれば助かるかもしれない、と助言した。 「その魔獣はどこ」  腰まである赤い髪の少女は、天空に目をやった。 「倒しに行く気か。この子は、明日まで持つかどうかわからねぇぞ」  カイゼルは山に潜んでいる。  魔獣といわれているが、もともとは聖獣であり、倒すのは一苦労だ。  少女は、すぐに山に向かった。  半時ほど経つと、ガイゼルの角だけを持って帰ってきた。  すぐに煎じさせて飲ませると、体力は回復し、どうにか一命を取りとめた。  カリージャスは驚き、ラーガが連れてきたこの魔女を認めるしかないと悟ったようだ。   「よくわからねぇ娘だ。だが──、強い」  魔物の討伐は進んだ。  討ち取られ、多くが地に沈んだ。  すると次に、ラーガに逆らう者たちの粛清がはじまった。  多くの者が、倒された。  魔界の中央地帯を自分たちの本拠地とし、それを祝っての盛大な祝賀会を催すこととなった。  魔界を手中に収めつつあったラーガは、自分のもとに降った者は庇護し、それに従わない者は反逆者として粛清すると布令した。  いまだ抵抗する者たちに対しての威嚇の意味と、己の威光を知らしめる祝賀会でもあった。 「綺麗な衣装ですね。ラーガさまから贈られたのですか」  光沢のある布地と女性らしさを留めた曲線美のある鎧。  手の込んだ装飾品と宝石がキラキラと輝いている。  部屋の隅に置かれていた衣装を、ラ・メルはうっとりと眺めた。  命を助けられた彼は、魔女に従事することになったのだ。 「エルモアさま。きっと今夜は()えますねぇ」  ウキウキします、と、ちょっとはしゃいでいた。祝賀会なんて初めてなので、これを身に着けたエルモアは、きっと誰よりも目立つだろうと喜んでいたのだ。  ところが、 「もう──」  とても小さな声だった。 「うんざり」 「えっ?」  メルが聞き返そうとすると、エルモアは喉が渇いたので水が飲みたいといった。  水を汲んでくると、彼女の姿がなかった。  建物中をくまなく探したが、どこにもいない。  つぎの日、ラーガたちと伴って、ガドールが植えられたエルモアの住まいに行った。しかし、彼女は居ず、ただ──〝あの杖〟だけが棄てられるように置かれてあった。  やはり──行ってしまったのだ。  メルはガドールの樹の側にうつ伏せになり、とめどなく涙が流れてきた。 「うっ、うっ……ぐっ」 「──メル坊」  翠眼(すいがん)の魔法使いが、横に座った。 「泣いているのか」 「エルモアさまは……、戦いに嫌気がさしていたんですよ。もう嫌だったんです。それなのに、何度も何度も戦いに向かわせて。もう、僕たちの顔も見たくないんですよ!」  ジョシュアは、泣き崩れるメルの髪をくしゃっとつかみ、 「──そうかもな」  そういって優しくなでた。 「ああ、泣いてやれ。泣いてやれ。エルモアの涙は渇れはてて、もう一滴も出ないからな。あいつのために、お前が代わりに泣いてやれ」 「うっうっ……うっ、ああっ。エルモアさま……」  粛清の戦いはしばらく続いたが、ラーガは勝利した。  エルモアが去ったあと、メルもすぐ故郷に帰り、残った村人とともに穏やかな日々を送った。  伴侶を迎え、たくさんの孫もいる。  あのとき、エルモアに出会わなければ、自分はおろか村も消失していただろう。 「エルモアさま」  あらためて、メルは頭を下げた。 「エルモアさまにお会いでき、心から感謝してます。もう心残りもありません。いつ死んでもかまいません」 「なあに、それ。大袈裟ね」 「本当ですよ」  それだけ伝えたくて、直接、言いたくて、ここにはせ参じたのだ。  照れ笑いを浮かべ、最高齢の尊師は笑みを絶やさなかった。  彼らのあいだで暖かい空気が流れていたが、ふと、エミカが、視線をある者にむけた。 「あなたは、どなた?」  一歩は離れたところに、メイファイアが控えていた。  彼は遠慮がちに、頭をたれた。 「第三の塔の師代、メイファイアと申します」 「そう」  エミカは笑いかけ、ふたたびまわりに視線をやっていた。  肝心の者が見当たらないようだ。 「ジョシュアはどこ?」 「わかりません。王都(ここ)に来る気はないと申されました」  ヴァインは魔物の鎮圧に動いていたため、おたがいの詳細はさだかではない。  ルーベルランドで別れて以来、会ってはいなかった。ただ、エルモアがここに来たということは、ジョシュアは《人間界》に行ったということだろう。 「会われたのですね」 「ええ、ルークと一緒に来たわ」  ルークが記憶を取り戻し、エルモアが人間界にいることはわかった。しかも、こともあろうことか人間の男と暮らしているらしい。  ヴァインは、これについて何も言う気はないが、ジョシュアはひどく憤慨していた。  人間は我われにとっては異質すぎる存在で、別次元の生き物。  まだ魔物や妖魔のほうが、はるかに近しいと漏らしていた。 「ひとつお聞きしても、よろしいでしょうか」 「なあに?」 「ここに来られたということは、我われに力を貸してくださるということですか?」  ジョシュアからも、はっきりとした意思はない。だが、しぶしぶながら力を貸してくれているようだ。  異なる二柱の大魔法使いの協力があるのなら、王都は生き延びることができるかもしれない。 「そうねぇ」  エミカはしばらく考えてから、こう返事をした 「あなたの言う《我われ》には力は貸さない」 「どういうことですか?」 「ただ、ラグラーンを倒すだけよ」  薄い茶色の眼に、微かな赤味が差しはじめる。  エミカは、静かに控えているメイファイアの前に立った。 「あなた、メイファイアって言ったわね」 「はい」 「わたしと一緒にきて」 「私がですか?」 「ええ。久しぶりの魔界は分からないことだらけ。外のようすが知りたいの。あなたに案内してほしい。場所は──」  ちらりと、ヴァインに視線を投げかけた。 「西南のゲルミガルド」  ゲルミガルドは最前線にして、西南における要のような場所だ。  過日から摩訶不思議な魔物があらわれ、ゲルミガルドの者たちを脅しているらしい。 「今、すぐにですか」  メイファイアもまたヴァインに視線を投げかけた。  さきほどの、ふたりのやり取りが中断されたので、このまま向かってもいいものだろうか、と思ったのだ。  しかしヴァインは、ほんの少しためらったようすで、メイファイアと目を合わせようとはしなかった。  それならば、と、メイファイアは独断で彼女の要望をうけとめた。 「わかりました。ご案内します。しかし、この姿のままでよろしいのでしょうか」  恐らく、ゲルミガルドに現れた魔物のようすを見にいくのだろうと思った。ことによれば、決戦もあり得るかもしれない。 「武装した方がいいのでは」  メイファイアは帯剣しておらず、防御の意味も踏まえてたずねてみたが、彼女はケロリといってのけた。 「要らないんじゃない。あなたも、強そうだし」  彼女自身は、そんなもの一切必要ないらしい。  エミカはメイファイアの袖を引っぱった。 「じゃあ、わたしたちは行くね」   足もとに魔法陣が浮かびあがった。  円の中に収まると、空間をかすめ取るような風がうねった。  高度な移動を、瞬時に体現する魔法のようだ。  エミカは、ヴァインとラ・メルに手をふり、すぐに戻るからね~といって掻き消えた。 「ご武運を」  彼らの気配が消えるまで、ラ・メルは深々と頭を下げていた。  かつては、こうやって何度も彼女の背中を見送っていた。  戦いに嫌気がさしたエルモアが、ふたたび戦いに身を投じるようだ。  彼女の心に、なんらかの変革があったらしい。  しかも、久しく見る彼女を取り巻く雰囲気は、以前にはないものだった。  さまざまな状況で〝変化〟があらわれる魔女は、いまは思いのほか穏やかで、とても幸せそうだった。  そしてヴァインもまた、風のようにあらわれた魔女に驚くしかなかった。 「あの方が、大尊師エルモア」  大聖堂に残された彼は、三枚の壁画の前で感慨ふかく立ち尽くしていた。  正面のラーガは、鋭い眼光で前方を射ている。  左手のジョシュアは、憂いを帯びた瞳で妖精と戯れている。  右手のエルモアは、星を操り、宙を指差している。  それは、どの(そら)を指しているのだろう──。  ヴァインは身をひるがえすと、皆が待つ神殿内へと戻っていった。   《第四章・了》  

 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。  『第四章 交錯』は終了です。  次回から『第五章 アンセラーの翼』がスタートします。   引き続き、読んでいただけると嬉しいです。(≧▽≦)  

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  • ミミズクさん

    羽山一明

    ♡1,000pt 〇100pt 2022年8月5日 11時23分

    女性は女性でも、こちらの方でしたか。どのみち場をかき乱していくうえ、自由奔放という点ではおんなじかもしれませんが。今や伝承にしかないラーガの行い、そしてその行く末に、彼女も思うところがあった。それゆえの出奔だったのかもしれませんね。魔王をぶっ飛ばして、とっとと帰らせてあげたい。

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    羽山一明

    2022年8月5日 11時23分

    ミミズクさん
  • 女魔法使い

    ななせ

    2022年8月6日 0時48分

    応援、コメント、貴重なpt.ありがとうございます。 こっちの女性でした。(*'ω'*)(ちょっと書き方がややこしかったかもしれませんね)ラーガはエルモアを必要とはしていましたが、ほぼ、戦力重視の扱いでしたので、そこらへんでも嫌になったかもしれません。早く帰れたらいいのですが。。

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    ななせ

    2022年8月6日 0時48分

    女魔法使い
  • 野辺良神社の巫女

    花時雨

    ♡1,000pt 〇20pt 2022年7月4日 19時21分

    女は女でも、こっちの女でしたー。でも、場を引っ掻き回すことには変わりはなかったりして。いよいよ役者が揃ってきましたね。ヴァインは指導者として自立できるのか、メイファイアとの確執は。そして最近影の薄いルーク君の立場はどうなるか。第五部、楽しみにしております!

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    花時雨

    2022年7月4日 19時21分

    野辺良神社の巫女
  • 女魔法使い

    ななせ

    2022年7月5日 0時30分

    応援、コメント、貴重なポイントありがとうございます。 こっちの女でした(笑)どっちも、あまり人の話しを聞かない女かもしれませんね。やっと揃いまして、ルークもどこかで参加します。あまり戦力にならないルークですが、彼の役目もはっきりします。いつもありがとうございます(≧▽≦)

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    ななせ

    2022年7月5日 0時30分

    女魔法使い
  • 男戦士

    気にしない人間

    ♡1,000pt 〇10pt 2022年8月4日 3時15分

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    グッジョブ!

    気にしない人間

    2022年8月4日 3時15分

    男戦士
  • 女魔法使い

    ななせ

    2022年8月7日 23時33分

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    ありがてえありがてえ

    ななせ

    2022年8月7日 23時33分

    女魔法使い
  • ちびドラゴン(えんどろ~!)

    くにざゎゆぅ

    ♡100pt 〇10pt 2022年7月14日 23時02分

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    見事なお点前で

    くにざゎゆぅ

    2022年7月14日 23時02分

    ちびドラゴン(えんどろ~!)
  • 女魔法使い

    ななせ

    2022年7月15日 7時59分

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    ありがてえありがてえ

    ななせ

    2022年7月15日 7時59分

    女魔法使い
  • サキュバステラ

    特攻君

    ♡100pt 〇10pt 2022年7月5日 12時47分

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    この時を待っておりました!

    特攻君

    2022年7月5日 12時47分

    サキュバステラ
  • 女魔法使い

    ななせ

    2022年7月6日 20時00分

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