マジョルカ・マジョリテ

読了目安時間:11分

エピソード:37 / 65

西の魔女の恋  (前 編)

   エミカは、もう一度、お化粧のチェックをした。  口紅はきれいに塗れているし、チークもほどよくついている。  バッグにはお財布とハンカチ。そうそう充電したスマホも入れておかないと。  ダージョのご飯はお皿に入れたし、準備はOKかな。  そろそろ行く時間だわ。 「──あっ!」  めずらしく叫び声をあげた。  その声に、ダージョは好物の梅干を舐めるのをやめた。 「どうしたんだい?」  エミカの意識は一瞬どこかに飛んでしまい、戻ってくるのにやや時間を要した。 「驚いたわ」  大きく息をつぎ、落ち着かなくウロウロしはじめる。 「なにかあったのかい」 「……そうね」  ようやく立ち止まると、奇妙に笑った。 「封印が破られちゃったみたい」 「封印?」  そのとき二階から、新一郎が小走りで降りてきた。 「悪い、悪い、待たせたな。事務所から急な問い合わせがあって」  背広の上着を羽織ると、新一郎は怪訝な顔をした。 「あれ、なんか顔色良くないけど、大丈夫?」  エミカはハイウエストのクラシカルなワンピースを着ていた。  淡い発色のピンクの布地で、本来なら顔色がよく映るものだ。 「なんでもないわ。新ちゃん、仕事はいいの?」 「もう連絡したから大丈夫さ」  今夜は新一郎と外食に行くことになっていた。会計士でもある彼は、今年度のメドがついたので打ち上げもかねて豪華なディナーでも行こうと提案したのだ。 「気分が悪いならやめようか」  エミカはつとめて明るく笑った。 「まさか。ごちそう食べられるのを楽しみにしていたのよ。さあ行きましょう。ダージョ、お留守、お願いね」 「な~ご」  エミカは久しぶりの外食が楽しみだ、とはしゃぎながら、玄関口にある姿見の鏡をのぞき込んだ。 (ほんと、ひどい顔だわ)  顔色がなく表情もこわばっている。  相当ショックをうけているらしい。 (どういう事なの?)  ルークに掛けた術が何者かに解かれてしまった。  手のこんだ古い呪術を用い、そのへんの魔術師では解くことができないはずだ。  自分が仕掛けた術が解かれたり破られた場合、そのまま四散するか術者に還ってくることはある。 (しかも、これは……)  ルークの記憶を封印し、なおかつ支配していた術は返されたが、丁寧に取り除かれ、刻印の形態を崩さずに送り届けられたのだ。  術の力量からすれば同等の者か、それに準ずる者でしか成しえないだろう。  しかも、たったいま破られたわけではないようだ。  紋章が剥がされてから時間はたっており、どこかで滞留(たいりゅう)していたきらいがあった。すぐさま紋章の道筋を辿っても、相手の術者と繋がれないように計られているようだ。 (いったい誰が?)  さまざまなことを思い巡らしてみたが、思い当るはずもない。  魔界のことは過去を捨てたように、エミカにとってはなんの未練もないところだ。 〝あの戦い〟から、その思いは拍車をかける。 「――どうした?」 「えっ」  食事はオードブルを終えたばかりで、かぼちゃのスープが運ばれてきた。  レストランは都心にあるホテルの最上階で、そこから見える景色が華やかだった。 「なにか、心ここにあらずって感じだけど」 「ええっ、ああ――…。こういうところ久しぶりだから緊張しているのかもしれない」 「ふーん」  新一郎は納得してなさそうだ。 「あ…――と。もしかしたら、ルークが戻ってくるかもしれない」  新一郎のスープを飲もうとする手が止まった。 「マジで」 「はっきりとはわからないけど」    支配していた刻印を取り除くのはとても危険で、容易ではない。  だが、返された紋章に、(ルーク)魂魄(こんぱく)は付着していなかった。──となれば、ルークは無事だろう。 「連絡があったのか?」 「連絡――。そうね、似たようなことがあったかな……」 「ルークが帰ってからずいぶん経つよな。いいじゃないか、帰ってくるなら来たで。俺はいつでも歓迎するよ」  嬉しそうにうなずき、俺に挨拶もなしに出ていったから、今度会ったらお仕置きしてやると、冗談とも本気ともとれることを言った。 「な、ふたりでお仕置きだ」  新一郎は笑いかけてきた。  エミカもその冗談につられ、ようやくいつもの笑顔をうかべた。  口に暖かいスープを運ぶと、甘い味がした。 「美味しいね」  もう、魔界のことを考えるのはやめよう。この一瞬はかけがえのないものだ。  新一郎の流れゆく時と、エミカが流れゆく時はちがう。  サラサラと落ちる時間の砂を、止めることはしない。  だから、この短いひとときを大切にしたい。  ふたりはレストランから出ると、家にはまっすぐ帰らなかった。  ワインをたくさん飲んだので、酔い覚ましに、しばらく散歩することにした。 「素敵なお店ね、よく来るの?」 「前に仕事がらみで来たことがある。一度、エミカを連れてきてやろうと思ったんだ」 「お魚もお肉も美味しかったけど、パンが一番、美味しかったな」 「(……た、高けぇ店なのに)一番が、パンかよ!」  軽い突っ込みを、新一郎は入れる。  エミカはパン好きだ。  雑誌で新しい店が紹介されたら、すぐに買いに行ってしまう。  自分で作ることも好きだし、焼きたてのパンの匂いも大好きだ。 「駅前で新しいお店が出来ていたの。すごく美味しかった。バター風味が効いていてサクサクしてた。そういえばこの前、小田切さんが焼いてくれたパンも美味しかったな〜」  夢見心地でパンを語る。  小田切さんとは、ご近所にいる料理が上手で、とてもお上品な奥様のことだ。  この奥様の焼くパンは近所でも評判で、新一郎もその噂だけは聞いたことがあった。 「それ、ぜんぶ食ったことないんですけど」 「あっ、ごめん。みんな食べちゃった」 「やっぱりね」 「ごめんね。今度は残しておくから。美味しいからついつい」  絶対俺には回ってこない、と新一郎は確信する。 「女って食い物のことになると、テンションあがるよな」 「そうかしら?」 「そうだよ。とりあえずなんか食ってたら幸せじゃないか。俺の母親も、いつもなんか作って食ってたよ。だから、ぶくぶく太るんだけど」 「その言い方ひどい」  新一郎の母親は少しふくよかで可愛らしい女性だ。めったに会うことはないが、お正月に帰省し、そのとき食べた黒豆の煮物は絶品だった。 「新ちゃんのお母さん、お料理が上手だもんね」 「そうか?」 「そうよ」 「俺はエミカの方が美味いけどな」 「あら」  いつになく滑らかお世辞だ。  酔いがまわっているせいか、恥ずかしくもなくこんなこと言うのはめずらしい。 「へへへ」  言ってから、ちょっぴり照れている。 「ありがとう。でも、お小遣いの値上はしないわよ」 「やっぱり」  新一郎は、がっくりと肩をおとしていた。  大通りを歩いていくと、小さな公園に出た。  黒い樹木の枝さきに、ぽつりぽつりと白い蕾がつきだしている。 「もうすぐ桜が咲くね」  公園を見渡すと、かろやかに一回転した。 「そうだ」  エミカは近所にある公園の桜を思い描いた。 「お花見に行こうよ。まだ新ちゃんと行ったことがない」 「え、そうだっけ?」 「そうよ」 「なかったか?」  新一郎は、何度も行ったことがなかったのかと訊ねた。 「一度もないわ」  去年は仕事が忙しくてそれどころではなく、その前年や結婚前も、なんとなくタイミングが合わなかった。  その前は、新一郎が何処にいるのかも知らなかった。 「それって。べつの女性(ひと)と行ったんじゃない」 「あぁ、ええっ、そうか……。──しまった」  どうやら図星のようである。  エミカの知らない時間に、どんな人が隣にいたのかわからない。  でもいまは、目の前にいるのはエミカなのだ。 「わたし、とても幸せよ」  新一郎の肩に顔をよせ、エミカは微笑みながら言った。 「まさか、結婚するなんて思いもしなかったもの」  あの日――。  偶然、再会していなければ、こんな瞬間は訪れなかった。                   *** 「もしかして、加賀山さん?」  友人と夕食に出かけ、もう少しで自宅につく道すがら、突然、雨が降り出した。  エミカは雨宿りができそうなビルの軒下をみつけ、しばらくそこに立っていた。  すると、どしゃ降りのなか自転車を押した誰かがやってきた。  相手も、雨宿りしようとしたが先客がいるとは思ってなかったらしく、通り過ぎようとした。  だが、自転車を止め、驚いたようにこちらを見つめた。 「やっぱり加賀山さんだ」  懐かしい顔がそこにあった。  少し大人びていたが、浅黒い肌と白い歯は変わらなかった。 「だ、──大文字君?」 「久しぶりです」  はにかむように、大文字新一郎はそこに立っていた。 「なんで、こんなところに」 「友達ん()の帰りで途中まで走っていたんだけど、だんだんと雨がひどくなったから、ここで止むまで待とうと思って」  なるほど、自転車も新一郎もかなりずぶ濡れだ。 「家ってどこまで」 「瀬名町」  聞いたことはある。車で行けば、一時間くらいかかるだろうか。 「遠いんじゃない?」 「自転車で走ったら、それほどでも」 「どれくらいかかるの」 「二時間弱かな」  近くはないわね、とエミカは答えた。  雨は激しさを増したが、通り雨特有の一過性のものだろう。 「すぐに止むと思うけど」  ふたりはしばらくそこにいた。  ところが、たたみかけるように降りつづけ、遠くでは雷の音も聞えはじめた。 「ぜんぜん止まないね」  エミカはビルの軒下から顔を出し、大粒の雨が顔にあたった。 「濡れるよ」 「うん」 「……」 「……」  久しぶりの再会だが、会話らしい会話が出来ない。  それどころかお互いの目も合わさなかった。  体がだんだんと冷えてきた。  エミカは、ぽつりと言った。 「(うち)、近所なんだけど」 「えっ」  雨音で、エミカの声が掻き消えそうだった。 「うちで雨が止むまで待つ?」 「いいの」  コクリと頷いた。 「うん。体が冷えてきたし、風邪ひく」 「あ――…、でも」  新一郎は腕時計をのぞきこんでいた。時刻は九時をまわっていた。 「この時間だと家のひとに悪いんじゃ――」 「大文字君」  エミカは走り出した。 「行くわよ!」  全速力で走った。  雨の冷たさも吹きつける風も、なにも感じない。  ただ胸の奥がドキドキしている。こんな気持ちは久しぶりだ。  振り返らずに走り続けたものだから、ついてきているのかわからなかった。  どしゃ降りのなか自転車を引き、追いかけてくる新一郎を見てホッとした。 「この家よ」 「ここ!」  古い洋館建ての家に案内されて、新一郎は戸惑っているようだった。                 *** 「シャワーを浴びたほうがいいわね」  新一郎は落ち着きなく室内に目をやっていた。  浴室に案内すると、無理やり風呂場に押し込んだ。  濡れた服を乾かさないといけなので、代わりのものを見つけなければならない。  二階に上がり素早く着替えると、未使用のジャージがあったのを思い出した。  女物だがフリーサイズなので、どうにか着れるかもしれない。 「なに?」  さっきから足もとで、ダージョが暴れている。 「どうしたの、ダージョ?」  ギャア、とも、ニャアとも聞える鳴き声でさかんにわめく。  この家に人間がやってきたものだから、猫語しか喋らなくなった。  エミカの足にしがみついた。 「ギャナ!」  行くな、と言いたいらしい。 「大丈夫よ」 「にゅあーーー」  悲痛な声で鳴いた。 「大丈夫だって」  そんなに悲しくないから。  私、もう泣かないから。               「ごめん。これしかないわ。入ればいいんだけど」  脱衣場の戸口を少しあけ、紺色のジャージを差し入れた。  エミカは台所に立つと、ポットの湯を沸かしはじめた。  風呂場から出てきた新一郎は、リビングの戸口に顔をみせた。  フリーサイズとはいえ女物のジャージでは、ズボンの裾が短くて、上着もきつそうだ。  エミカはくすっと笑って、似合うわよとからかった。 「何か飲む」 「えっと……」  古めかしい造りの家に、何度も視線を投げかけていた。 「家のひとは」 「いないわ」  珈琲でも入れようと、サイフォンに手をのばす。 「一人暮らしだもの、知らなかった?」 「ああ、そうだっけ。いやぁ……」  まいったな、と小声でつぶやいていた。  以前、バイトで一緒だったとき、この世界でのエミカの身の上はひととおり喋ったはずだ。  だが、新一郎は覚えていないらしい。  エミカはかすかに苦笑した。  二階から走りこんできたダージョが、足もとに絡み付いてきた。  にゃー、と自分はここにいるよと、ひと鳴きする。 「ああっ、独りってわけじゃないの。この子と暮らしているの」  珈琲を淹れると、リビングのテーブルに置いた。  新一郎も誘われるまま腰をおろし、ダージョはエミカの横に座っている。  テレビを点けると大雨注意報の速報が表示されていた。今夜一晩、降りつづけ、むやみに外には出ないようにと注意を勧告するアナウンサーのコメントがあった。 「今、何してるの?」  珈琲をすすりながら、新一郎の近況を聞いた。 「会計事務所で働いている」 「もしかして社会人? 留年しなかったんだ」 「なんとか」  新一郎は照れながら珈琲を飲んだ。 「加賀山さんは、あそこでまだバイトしてるの?」 「もう辞めちゃった」 「そうなんだ」  二年ほど勤めていたコンビニのバイト。そこで新一郎と知り合った。 「そういえば大文字君、突然、来なくなったよね」 「あっ――。シフトに穴あけてごめん」 「えっ、ああっ。いいよ、気にしてないから」  ようやく思い出したのか、自分のあのときの行動を平謝りしている。  新一郎はいきなりバイトを辞めてしまった。辞めると言ったつぎの日から来なくなった。急きょ、彼のあけたシフトを、皆で埋めなければならなかった。  なぜ辞めたのか理由は知らない。  以前から辞めたいと言っていたから、いつかいなくなると思っていた。  コンビニのバイトなんて入れ替わりが激しいものだ。  きっと学業が忙しいのだろうと、店長の菊地さんは言っていた。 「無事、卒業できたんだ。おめでとう」  おそい祝いの言葉──、それさえ言う機会もなかった。   

《つぶやき》    長くなってしまったので、前編、後編に分けます(*'ω'*)ペコ

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  • ミミズクさん

    羽山一明

    ♡1,000pt 〇100pt 2022年5月19日 23時08分

    ルークのことを「帰ってくる」と表現するあたり、エルモアはもうすっかりエミカとして、人として生きているのでしょうね。異世界の住人の気持ちなど、平和な現代人には理解の及ぶはずもありませんが、ただ当たり前に過ぎていく日々をじっくりと楽しむ幸せが、彼女にはかけがえのないものであった、と。

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    羽山一明

    2022年5月19日 23時08分

    ミミズクさん
  • 女魔法使い

    ななせ

    2022年5月20日 22時07分

    応援、コメント、貴重なpt.ありがとうございます。「帰ってくる」確かに人間の世界で生活していたので、そういう感覚になっていたのかもしれません。私が意識してなかったので目から鱗( ..)φメモメモ。。穏やかな日々も、もう少しで終わりを告げます。いつもありがとうございます。感謝(≧▽

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    ななせ

    2022年5月20日 22時07分

    女魔法使い
  • 野辺良神社の巫女

    花時雨

    ♡300pt 〇20pt 2022年3月28日 19時20分

    長い時を生きる魔女にしてみれば、短命の人間と共に生きる時間はあっという間に経ってしまうのでしょうね。儚くてとても大切な日々。

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    花時雨

    2022年3月28日 19時20分

    野辺良神社の巫女
  • 女魔法使い

    ななせ

    2022年3月29日 1時30分

    応援、コメント、貴重なポイントありがとうございます。(≧▽≦) お互いの流れる時間が違うので、ほんの瞬間のひと時なのだと思います。そろそろ人間界の生活も、離れなければならない時が迫ってきました。あと、誤字、文章の流れ、ありがとうございます。(*^^*)

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    ななせ

    2022年3月29日 1時30分

    女魔法使い
  • 文豪猫

    涼寺みすゞ

    ♡1,000pt 〇10pt 2022年8月9日 23時39分

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    好きしか詰まっておりませぬ

    涼寺みすゞ

    2022年8月9日 23時39分

    文豪猫
  • 女魔法使い

    ななせ

    2022年8月12日 20時44分

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    ありがとうございます

    ななせ

    2022年8月12日 20時44分

    女魔法使い
  • ちびドラゴン(えんどろ~!)

    くにざゎゆぅ

    ♡100pt 〇10pt 2022年6月1日 21時51分

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    見事なお点前で

    くにざゎゆぅ

    2022年6月1日 21時51分

    ちびドラゴン(えんどろ~!)
  • 女魔法使い

    ななせ

    2022年6月2日 7時55分

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    う…う…嬉しいですっっ!

    ななせ

    2022年6月2日 7時55分

    女魔法使い
  • サキュバステラ

    特攻君

    ♡50pt 〇10pt 2022年3月29日 13時14分

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    「君はスゴイ!」ステラ

    特攻君

    2022年3月29日 13時14分

    サキュバステラ
  • 女魔法使い

    ななせ

    2022年4月2日 0時40分

    ※ 注意!この返信には
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    ありがとうございます

    ななせ

    2022年4月2日 0時40分

    女魔法使い

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